秋祭りが終わった後は、祭りで使った道具や衣装の後片付け、神社の清掃、幟下ろしなど何かとやることは多い。
きれいに掃き清められた後に、本殿で氏子総会をして、お下がりを頂きながら秋祭りの一連の行事がここでお開きとなった。
鎮守の森は再び静けさを取り戻し、宴の後の一抹の寂しさだけがが漂っている。
まわりの山では、栗やアケビが実をたわわに付け、きのこも採れはじめた。
広い田はコンバインが入って、稲を瞬く間に刈り取っていく。
稲刈りが終わった田には稲束が干され、干し藁の香りが漂ってくる。
山里は豊穣の秋を迎えている。
話は変わるが、先週は穂高のジャンダルムで遭難救助中のヘリコプターが墜落し、昨日は乗鞍岳の畳平で熊騒動が起こった。
飛騨ならではの3.000m級の山中で起こった事故で、原因究明や今後の対策が問われている。
今朝も乗鞍スカイラインは閉鎖中で、安全確認した上で解除の判断をすると報じていた。
スカイライン周辺を大勢でパトロールをして、熊の姿を見かけなかったので安全だと判断するのはあまりにも形式的で乱暴な話である。
野生の熊は異常を察知すれば、山奥へ逃げ込んで身を潜めているので、人の目に触れることは無い。
むしろ、人を見て逃げる熊が逆の行動に出たことや、熊の領域を人が侵していることを問題視すべきと思う。
これ以上野生動物の領域を侵したり、過剰な駆除を続ければいずれ絶滅に追い込むことになる。
熊に襲われて命を落とす人は年間10人前後、蜂の刺傷で30人前後といわれ、交通事故死は1万人以上、山岳遭難は300人前後といわれている。
野生動物や昆虫の肩を持つわけではないが、人間の都合だけで一方的に害獣害虫と決め付けて、生態系のバランスを崩すことは許されない。
駆除する前に、折り合いよく共存できる方法を工夫すべきだと思う。