飛騨北部に大雪警報が出ていたが、昨夜の降雪は大したことはなかった。
日本海から流れ込む雪雲が、両白山地に阻まれて、飛騨高地までは及ばなかったようだ。
地形が複雑に入り組んでいるので、同じ飛騨でも河合村や白川村は大雪でも、このあたりは小雪が舞う程度のことはざらにある。
その分がすべて両白山地の両側に集中し、交通が遮断されて大混乱が続いている。
ゲリラ豪雨もそうであったが、気象予報士も読みきれない気象変化に、的確な対応が難しくなってきた。
まだ強い冬型が続くようだが、今朝は久しぶりに雲間から、太陽の淡い光を見た。
東の空は陽射しもあるが、西は相変わらずの雪雲に覆われている。
連日の寒さは和らぐことはないが、わずかな陽射しでも、散歩中のユキの表情は心なし緩む。
山仕事をしている人も、日向なら仕事もはかどると言っていた。
山の斜面で伐採した楢の木を、山裾の土場まで下ろし、必要な長さに切り分ける作業は、冬場によく見かける。
建築や土木用材は価格の下落で、大規模な切り出しが行われることは少ないが、きのこ栽培用の原木の需要はあるようだ。
今は農作業が出来ない時期なので、冬場の仕事として寒気の厳しい山中で、細々と作業が続けられている。
この集落にも、数は少ないが伝統的な飛騨山樵の技を引き継いで、林業に携わる人たちがいる。
以前、真冬の山中で山仕事をする人たちを、カメラを持って追い、自然環境も経済環境も厳しい中で、父祖伝来の家業を守る姿は、感動的であったことを思い出す。
林業の衰退が言われて久しいが、再び甦る兆しは見えず、集落でも、その日を夢見る人は少なくなっていく。