こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

2014年8月24日 日曜日 表層的なごまかしの果て

2014-08-25 00:22:06 | 雑記帳

東京オリンピックへ思う意志に変わりはない。
そんな6年後の「予定」話とは別に(それが無かったとしても)建築業界はとうにおおごとになっている。
(物流業界も。或いは別の分野も。)
しかし、街を歩くと、あちこちとごっそり無くなってしまった空き地と建築予定の看板が立つ2014年。バブル時代の有様にそっくりである。

”景気が良くなった”も何とかミクスとやらも丸々真っ赤なウソだが、この二十年以上にわたるデフレは、心骨皆を疲弊させ続け、その結果が今に繋がる。
さらにごまかし、多くのものを置き去りにしようとしている。

建築は間接的余地を削り取り、値段を叩きに叩いた結果、最終的に職人さんが仕事を離れ、後継者も不在となり、移民を考える状況にある。
建築に露呈したこの事象は、全てにあてはまる。
それは働いている人なら、皆・皮膚感覚で分かっている事実。

近時”ブラック企業”とやらが取り沙汰されているのは、表面上話題に上るくらい、グローバリゼーションの結果、どこに行っても同じ街と見える位に寡占化し・濁流に飲み込まれていく様の中で、広告代理店とマスメディア結託隠蔽の限度も超えたからとも見えなくもない。(が”彼ら”には手落ちはありえないから、それも想定内だろう。)
宮台さんが放送でポロッとつぶやいたように、既に日本社会は回っていない。

モノを作る人、手を労して働く人、技術を持ったマイスターたる職人さんをむげにして、コストカットし続けた結果、そういった方をダメにした。今更”育成”と言うが、気付くと手遅れ。
先日ラジオで某企業が”十年前から想定し、育成してきたので、うちは大丈夫だ”とラジオ局にカネを払って・PRしていたが、これも事実かどうかは甚だ疑わしい。

そうは言えども、今までは何とかその時々、大建築企業からの下請けへの圧力に対し、その場をしのいでいくしかなかったのも事実。
しかし結果的に、骨抜き空洞化は止めようもない今に帰結した。

東京オリンピックという策略とニンジンは、今後6年保証担保されうることから、海外の方々を誘導する事を視野に、カネでねじこみ・決定したのだろうが、文化や家族と心を持った人がそんな簡単に右から左に移る訳はない。
この場に及んでまで、まだ切ったり貼ったりで一時しのぎしよう、という思想で動く連中では無理だ。

***

あまり悲観的現実のみ言って終わる話ではないので、少し付け足すなら、ごく一部の心ある企業の人たちは、家族ともども受け入れて一緒に暮らしながら歩もうとする動きは出ている。まさに同じ釜のめしを食う生き方。
それは、かつて家族的日本企業が持っていたものでもあり、今もちいさくても家族同様で一緒に働く中小企業の親方が歩んできた生き方である。

物流業界と言えば、トラックの”運ちゃん”を大型車に乗せつつ、更に”笑顔を持って運べ”なんて言う”セールスドライバー”までを要求し、法律罰則も強化した末、この仕事で働こうという成り手が不在に至った。
先を見据え・自らの足元を見て・歩いてきたクロネコヤマト以外は、挽回不能”出口なし”の今となった。

それを”カンタンなお仕事で収入増を”と、運転免許を持つ主婦パートで穴埋めしようとしているが、それも無理で、カンタンに荷物が運べないXデイはすぐそこにある。

首相と経済界と世間は、”やっぱりこれからは女性でしょ”と女性”全般”をあおり・くすぐりを入れるが、背景は、労働者不足を補うのは、多能工が可能なる主婦・女性層だ、とすがりつく事実があるのみ。

***

PS:ここへアクセスされる方を見ているうち、他人たる過去の”私”の残骸の中に、比較的冷静な記事を読み、久しぶりにこの曲を聴いていた。



■坂本龍一(&デヴィッド・シルヴィアン) 「ワールド・シティズン」2004■
お台場・ゼップ東京に、教授の立ち見ライヴを観に行ったのも約10年前なのか、と今日知る。
バンド・スタイルで「ビハインド・ザ・マスク」から始まったこのライヴは、本当に素晴らしい有機的演奏だった。

坂本龍一&デヴィッド・シルヴィアン 「ワールド・シティズン(世界市民)」
ここで何が起こったんだ?
蝶は羽根を失った
空気が濃すぎて息苦しい
飲み水には何かが入っている

陽は昇る
陽は昇るけれど、きみは独りぼっち
目的も見失い
流れのままに101号線の迷路へまぎれこむ

空から降り注ぐニュース
何もかも
今日は明るいものばかり
そう思えないのはきみだけさ

ワールド・シティズン(世界市民)
ワールド・シティズン(世界市民)

ここは安全じゃない
空気が悪くて
黄色い鳥(注)は総倒れ
ここは安全じゃない

ぼくらはなぜ存在できないの?
始まりや終わりなしでは
ぼくらはなぜ存在できないの?

ワールド・シティズン(世界市民)
ワールド・シティズン(世界市民)

もし立ち止まって
きみの話を少し聞いたら
きみが感じているすべての重みに
打ちのめされてしまう
孤独な心の緊急事態

感じたい
心がはちきれそうになるまで
この世でかなうものなら何でも与えてあげたいのに

破りたい
日常を覆う無関心を
覚醒しつづけられる良心がほしい

失望なんてするものか
失望なんてするものか
するものか

顔が見えた
知らない顔だった
彼女の悲しみは、ぼくの悲しみを丸ごと映す鏡

忘れられない顔
思いもかけないとき、現われる彼女
ぼくらを隔てる時間と空間は消えた

でも、ぼくは安全じゃない
皮膚がもう一枚ほしい
安全じゃないんだ

ワールド・シティズン(世界市民)
ワールド・シティズン(世界市民)

夜のあいだに旅したい
草原や海原を越えて・・・
消えてしまったあらゆる種の
損失を測り
その名をすべて正確に読み上げたい

ワールド・シティズン(世界市民)
ワールド・シティズン(世界市民)

失望なんてするものか
するものか

彼女は笑わない
舞台は喜劇(コメディ)から商売(コマース)へ変わったのさ
彼女はもう、歩いても地面を感じない

ぼくは目をそらす
寝苦しい夜
これじゃいけないとわかっているけれど
どうしたらいい?

失望なんてするものか
するものか

(注)かつて鉱山で一酸化炭素などの中毒を防ぐため、鉱夫たちが検知器がわりに鉱道へ連れて下りたカナリアのこと。
コメント
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