1984年10月、2年以上をかけて作った坂本龍一のアルバム「音楽図鑑」が発売になった。
映像は、当時、CMでかかっていたアルバの時計のCM。
背景にかかっているのは「マ・メール・ロワ」という曲。
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1984年秋ともなると、高校3年生で、大学受験が目の前に見えてきたが、ほとんど高校生になって以来、落第生であった自分は、もう大学などはいけないと確信していた。
しかし、厳しい家庭の強要もあって、駿台予備校には通っていた。
中学生から自分の身体的なひ弱さに気づき始めた自分は、何とかそれを挽回しようと、高校生ではバレーボール部(排球部)に入ったものの、伸びたのは背の高さだけであって、挽回どころか、日々の体育の時間の厳しさも加えて、正直ぼろぼろになって、毎日、よれよれになりながら、満員電車に揺られて、暗く蒼白い顔をして、学校に通っていた。
身体的にだけではなく、精神的にもかなり状態はおかしくなっていた。
ただ、希望は、平日は、夜に聴くラジオ日本の「サウンド・プロセッサー」(DJ:大貫憲章・スヌーピー)・「サウンド・ストリート」・「クロスオーバー・イレブン」。
そして、毎週土曜日の夜の「オールナイト・フジ」含む一連の番組と、少々のお酒だけが、楽しみだけだった。