7月28日は、NHK文化センター京都教室の現地講座で「蒔絵文化に触れる〜下出蒔絵司所を訪ねて〜」を受講しました。
場所は下京区醒ヶ井通松原上ル住吉町です。最寄りのバス停は「堀川松原」です。
御当主の下出佑太郎先生は伝統工芸士であり博士号(学術)をお持ちですぐ。
長年京都産業大学教授を務められ、現在は名誉教授の称号をお持ちです。
また、京都迎賓館の「水明の間」の飾り台「悠久のささやき」等を制作されています。
ねずみやムササビの毛が使われています。
漆を伸ばすはけです。
漆を伸ばすはけです。
人間の人毛が使われています。
制作に使われる道具の数々も、それを作る職人さんが減ってしまい、ある道具は全国でふたりの方が残っているだけだそうです。
一階の居間で蒔絵の制作工程の説明が道具や各制作段階の作品を手に取りの説明でした。
その後、二階の工房を見学させて頂きました。
おふたりの女性の職人さんが繊細な「毛打ち」の工程に取り組まれていました。
上の写真の作品はアメリカ大統領だったオバマ大統領が来日された際の日本政府のお土産てして手渡された品と同じ品だそうです。
下記は蒔絵の主な制作工程です。
① 置目
② 塗り
③ 炭研ぎ
④ 粉入れ
⑤ 毛打ち
⑥ 青貝貼り
ザッとの工程ですが、漆が乾くまでの時間や何度も塗り重ねて作品に盛り上げ感をだすには膨大な時間と労力が必要です。
この講座の為に高台寺の霊屋(桃山時代・重文)で有名な"高台寺蒔絵"を復元された作品を出して頂きました。
今まで拝見するだけでしたが、今回、その制作工程の説明や職人さんの仕事の模様、蒔絵の作品の数々を見せて頂き、日本の伝統工芸の素晴らしさを改めて再認識しました。