京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

待賢門院が再興した法金剛院

2020年12月27日 07時20分00秒 | 日記
 12月11日は朝日カルチャーで学んでいる「歩いて学ぼう!京都の歴史」の現地講座で花園にある法金剛院を訪ねました。
講師は同志社女子大学教授の山田邦和先生です。







紅葉が目当てではないのですが、この風景には見とれてしまいます。
こちら法金剛院ではコロナ対策で毎月15日のみ拝観を受付られています。
この日は特別に開けて頂いたので18名の貸切り状態でした。

講座では平安時代後期の院政について勉強中で法金剛院は平安時代後期の大治5年(1130)鳥羽天皇の皇后待賢門院璋子(たいけんもんいんたまこ)がそれまでの天安寺を復興し、現在の法金剛院とされました。

地図の様に復興時にらは五位山を背景に、麓には滝(青女の滝)からの水が中央の池に注がれた広大な浄土式庭園があったようです。







青女の滝(せいじょのたき)は日本最古の人工の滝とされていて、待賢門院の発願により林賢(りんけん)と静意(じょうい)の作と伝わります。
貴重な遺構で国の特別名勝に指定されています。



池の西側には西御堂があり、そのご本尊が現在の法金剛院のご本尊丈六阿弥陀如来坐像です。今年、重要文化財から国宝へと昇格されました。



また、池の南側には南御堂は九体阿弥陀堂で上品上生から下品下生まで九体の阿弥陀如来がお祀りされていました。
地図の様に当時の池はJR花園駅のさらに南に広がっていました。







宝物館には平安時代の素晴らしい仏像がお祀りされています。
①上の写真
地蔵菩薩立像(重要文化財)
一木造で肉付きのいいお地蔵さまです。
衣文の古様が特徴的です。

②中の写真
僧形文珠菩薩坐像(重要文化財)
僧形の文珠菩薩は珍しいようど老相の表情が印象的です。

③十一面観音菩薩坐像(重要文化財)
時代は下がり鎌倉時代の作です。
坐像の四手の十一面観音さまは珍しいそうです。
身に付けられた装飾品が美しいです。

また、観音菩薩さまが納められている厨子も重要文化財で天蓋や扉に描かれている十二天も彩色が良く残っています。





法金剛院の境内を出て外周を散策します。
五位山の北には待賢門院花園西陵があります。
非常に美貌の女性だったようで西行法師も深く思慕していたようで、叶わぬ恋心の歌や亡くなられた時にも歌を残しています。

講座終了の時間ですが、少し延長してくださり花園駅の南側も散策しました。
すっかり住宅地に開発され、かっての法金剛院境内の痕跡は無かったです。

(仏像の写真は法金剛院のHPから転載させて頂きました。)