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京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

奈良国立博物館 日本庭園茶室「八窓庵」

2024年09月20日 08時51分00秒 | 日記
 9月15日は、奈良国立博物館サンデートーク「第8回 茶室・八窓庵をのぞいてみませんか」に参加しました。







いつものサンデートークは奈良博講堂で定員が180名ですが、今回は茶室の見学なので90名の定員です。





西新館・東新館は休館中で、雰囲気はすっかり10月26日から始まる「第76回正倉院展」モードになっています。

A班 前半-講義、後半-茶室見学
B班 前半-茶室見学、後半-講義

の二班に別れての見学です。
その後に庭園内をボランティアガイドさんの案内で巡ります。



僕はA班だったので、先ずは奈良博学芸部長の吉澤悟さんの講義からです。











奈良博の数ある収蔵品と建築と並んで、奈良国立博物館の大きな特徴となっているのが、西新館と東新館の南側に広がる庭園です。





庭園内では、四季折々の樹木草花と池の水面が目を楽しませてくれ、開花時期が遅くめずらしい奈良の八重桜も見ることができます。





中でも見どころなのが茶室、八窓庵(はっそうあん)です。

八窓庵は江戸時代中期に興福寺門跡寺院だった大乗院(だいじょういん)庭園内に建てられた茶室です。

同じく興福寺塔頭の慈眼院にあった六窓庵(現所在東京国立博物館)や、東大寺塔頭四聖坊に附属した隠岐録(戦災で消失)と並んで「大和の三茶席」または(南都三茶室)と称された名席で、重要文化財に匹敵します。
(現在、文化財指定は受けていません。)













建築様式としては、入母屋造り茅葺き屋根の草庵風たたずまいの外観、内部はその名の通り八つの窓を持つ「多窓式茶室」となっていいて自然光で非常に明るい茶室です。















古田織部(ふるたおりべ)が始めたという「色紙窓」や、「雲雀棚」を有し、茶室内にいると光のバランスも実に美しいのが特徴です。

古田織部が薮内剣仲に贈った茶室・燕庵に非常に良く似ています。







千利休が好んだような狭い茶室とは異なり、比較的ゆったりとしたスペースを確保した茶室への移行期の建築として、大変稀有な例であるとされています。

明治時代に大乗院が廃寺となると、八窓庵はひとたび民間に流出しますが、奈良の篤志家たちにより買い戻され、明治25年(1892)に帝国奈良博物館(現在の奈良国立博物館)の敷地に移築されました。

片山東熊の設計により明治27年(1894)12月に竣工した帝国奈良博物館(現在-なら仏像館)より古い建築物です。



中門にも風情を感じます。







待合もL型になっていて燕庵の待合とそっくりです。











庭園内にはいろいろな型の石灯籠が多く、また、大きなふたつの礎石は大安寺の境内から運ばれた礎石だそうです。

庭園は通常非公開ですが、正倉院展に合わせて公開されます。

僕は毎回、新西館の縁側でお抹茶を頂いた後に庭園を巡ります。





奈良の天然記念物の鹿も暑さ対策で水路にいたり、池に入ったりしている"しっかり者"もいます。



興福寺の五重塔は修復工事に入っていて、現在は素屋根の工事が進み、わずかに相輪が見える程度まで覆われています。

完了は令和13年3月だそうです。







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