京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

西陣魚新の有職料理

2020年12月08日 07時59分00秒 | 日記
 12月5日はメルパルク京都の人気企画「京の女将さん」シリーズの第15弾で西陣にある老舗料亭魚新さんでお昼を頂きました。





先ずは魚新の女将さん寺田ひろみさんよりお話がありました。魚新に嫁がれてからの苦労話やまた、そのやり甲斐、コロナ禍で4月、5月の休業した事、昨年、上皇さまご夫妻が退位の報告に京都に来られた際に食事を出された事などを非常に誠実な言葉でお話になられていました。



やはり一番に印象にあるのは上皇さまご夫妻に食事を出された事ですね。
京都府庁の西にある霞会館がお食事の場所で、そこまで仕出しをされ、お食事の際も部屋の隅に控えておられたそうです。
上皇さまにお酒を注がれた時にはもの凄く緊張したと言われていました。

食事を終えられ上皇さまが退場される際に「京都の料理は美味しいですね」とお言葉を掛けて頂いたそうです。
周りの方々に常に気を配られる上皇さまのお人柄を思わせるエピソードですね。







会場の調度品も雅を感じます。

いよいよ食事が始まります。







茶碗蒸しです。
京都らしく出汁の効いた餡がかかり、中には生麩が入っていました。





八寸です。
椿の器の中にはいくらとなまこが入っています。
琵琶湖産のモロコに子なすのたいたん(京言葉で煮物の事)
葉っぱの後ろには白和えと鯖寿司が、、、
どれも美味しい味付けです。





腕物です。
松茸に蟹の真薯のお吸い物。
いい香りに独特の食感の松茸、、、やはり秋の味覚の王様ですね。それにほとんど繋ぎのない蟹の真薯、、、昆布と鰹節のお出汁、、、季節感たっぷりな贅沢な一品です。





真鯛とヒラメのお刺身です。
醤油と塩ぽん酢が添えられそれぞれ両方で頂きました。
塩ぽん酢は魚新さんのオリジナルで刺身に非常に合います。
後でお土産に買い求めました。(塩は藻塩が使われていて刺身に合うはずですね)

以前に年2回通っていた「上賀茂 御料理 秋山」さんでは刺身には醤油と藻塩が出され、その旨味を知ってから家でも藻塩を使っています。
今回の塩ぽん酢でまた、バリエーションが増えました。







これぞ有職料理・嶋台盛りです。
鰆とカマスの焼物、辛味大根、からすみ、千枚漬けと嶋台に載ったお料理を前にお公家さんか貴族になったような気分になります。
花は生花ではなく造花を使うのだそうです。









お肉は和牛の頬肉で非常に柔らかで肉の旨味がたっぷりです。
お椀の蓋の裏には「富」がお椀本体には「貴」の文字が、、ふたつ合わせて「富貴」になり縁起物になります。







穴子の揚げ物の下には栗饅頭が、、、
栗饅頭の中には海老も入っていて食感も抜群です。









ご飯は蟹の炊き込みご飯。2mm角に切った柚子が入っていて蟹の甘さと柚子の風味が同時に味わえます。これまた、晩秋の味覚ですね。



最後の水物です。
最近になってようやく出回って来た苺、、、やや酸味はありますが初物を頂きました。

遠く平安時代の公家や貴族により花開いた有職料理の一端を味わう事ができ満足なお昼でした。



二階には大正、昭和の御大典に出された料理の見本や記念品の数々が展示されています。














一階の庭と室内です。