京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

對龍山荘 庭園参観

2024年10月03日 07時53分00秒 | 日記
 9月9日は、南禅寺別荘群のひとつ對龍山荘の庭園を観覧しました。

案内は植彌加藤造園のスタッフの方々です。





今まではカルチャーなど一部にしか公開されて来ませんでしたが、オーナーの似鳥会長の意向で庭園だけですが一般にも公開が始まり、しかもSNSへの投稿もOKになりました。

また、自由観覧も始まるそうでこれまで南禅寺別荘群の中では無鄰菴が唯一、常時公開の庭園でしたが、對龍山荘が加わる事でより別荘群の魅力が増すと思われます。

早速、9日に予約をして久しぶりに對龍山荘庭園を観覧して来ました。
(カルチャーなどで過去に3度、観覧しています。)











對龍山荘は南禅寺の塔頭跡地に明治29~32年(1896~1899)にかけて伊集院兼常の別荘として造営されました。その後、市田弥一郎が譲り受け、明治34~38年(1901~1905)に改修が行われ、現在の景観の基礎が出来上がりました。













對龍山荘の名は市田氏の所有となった明治34年(1901)南禅寺の山号である瑞龍山に対して位置していることからの命名です。(對は対の旧字です。)

庭園は、伊集院兼常が作庭したものを基に七代目小川治兵衛(植治)が作り直しており、広大な敷地には、池や流れ、滝石組の他に、芝生広場が設けられました。









庭園内には植治が完成したばかりの琵琶湖疏水を使い縞目様が特徴的な守山石が多く運ばれています。



また、水車小屋が設けられ、田園の風景を彷彿とさせるとともに、茶室や四阿(あずまや)の存在からは茶会や園遊会などが行えるよう、実用的な作りとなっています。

こうした近代を代表する庭園としての形態を持ち、また景観的にも非常に優れた庭園として、昭和63年(1988)には国の名勝に指定されています。









對龍台と呼ばれる主屋はまるで宙に浮かんでいるように設計されています。
伊集院兼常の以前の別邸の誠心院と良く似ています。













西側の庭園は植治による改修はされず、伊集院兼常が作庭した庭園が残っています。









對龍台にいると東の奥にある大滝の流れが聞こえて来るように感じますが実際には、對龍台の下を流れる滝の音が聞こえる演出がなされています。

對龍山荘の最初の主人である伊集院兼常と明治の元勲・山縣有朋とは共に作庭のライバル関係で、兼常が木屋町二条に誠心院を作ると山縣有朋はその斜め向かいに第二無鄰菴(現 がんこ二条苑)を作っています。

また、兼常が對龍山荘を作ると、山縣有朋は現在の無鄰菴を作っています。

ライバルがいると、お互いに個性が出ていて庭園を観賞するにも面白い点が多々あります。

南禅寺別荘群の庭園のひとつが公開され、嬉しい限りです。
他の非公開の庭園も公開して欲しいものですね。




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