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2024年にFC船運航、水素供給を含め実証 日本郵船、ENEOS、海事協など5社で

2020-09-02 07:30:33 | 日記
日本郵船、東芝エネルギーシステムズ、川崎重工業、日本海事協会、ENEOSの5社は1日、高出力燃料電池(FC)搭載船の実用化に向けた実証事業を開始すると発表した。燃料電池システムを含めた船舶の設計・建造から水素の供給まで一貫しての開発を目指すもので、商業利用可能なサイズのFC搭載船の開発と水素燃料の供給をともなう実証運航としては、日本初の取り組みとなる。
実証に参画する5社は、「プロジェクト統括、船舶の設計・法規対応」(日本郵船)、「高出力FCシステムの船舶への実装と運用技術開発」(東芝エネルギーシステムズ)、「船内水素燃料供給システムおよびEMSの開発」(川崎重工業)、「FC搭載船の安全性評価」(日本海事協会)、「水素燃料供給システムの開発」(ENEOS)とそれぞれ役割分担して実証事業を推進するが、ENEOSは、海の水素ステーションとして、大容量の水素を短時間で船舶に供給できるシステムの構築を目指す。
実証運航に向けて建造するのは、中型観光船(定員100人程度、全長約25m、幅約8m、総トン数約150トン相当、燃料電池出力約500kw相当)を予定。5社はすぐにフィージビリティスタディを開始し、21年に船舶と供給設備の設計に着手。23年から船舶の建造を開始し、24年半ばに船舶を就航させ、横浜港沿岸での実証運航を開始する予定。
5社は、今回の実証事業を通じて、将来的には500トン未満の内航船などへの転用を見込んでいる。災害時には被災地の沿岸などにFC船を接岸させ、電力供給を行うなど非常用電源としての活用方法も想定。船舶の電化が進むことで、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進や機器メンテナンスの自動化などで船員不足の緩和にも寄与すると期待を寄せている。FC船の実用化が進み、500トン未満の内航船が全てFC船に置き換わった場合は、水素消費量は約40万トンで年間約500万トンのCO2が削減できることから、5社は「水素で海を変える 未来に向けて海から地球を美しく」を合言葉に、実証事業を推進することにしている。

石油通信社

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