認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

回復可能なアルツハイマー型認知症の初期の症状とその特徴-その2(中ボケ  B-33)

2015-04-01 | アルツハイマー型認知症の初期症状の正体

 

       未だ戻る やれば戻れる 脳機能

                       脳のリハビリ 家族が支え     By kinukototadao

       

 

&「アルツハイマー型認知症」は治すことが出来るのです

○ 治らないのではなくて、見つけている段階が遅すぎるだけなのです

「アルツハイマー型認知症」は治すことが出来ない(治す方法が見つかっていない)タイプの認知症とするのが世界中の認知症の専門家達の共通の認識です。

このことを言い換えると、世界中の認知症の専門家達が「アルツハイマー型認知症」の症状と捉えている/或いは考えている症状とは、世界的な権威があるとされていて、認知症の専門家達から金科玉条として信望されている「アルツハイマー型認知症」の診断基準、米国精神医学会の診断規定である「DSM-4」が規定する第一の要件を充足する症状(「記憶の障害」の症状)及び第二の要件を充足する症状(失語、失行、又は失認の症状)が確認されないと「アルツハイマー型認知症」の発病とは考えないことが「諸悪の根源」になっているということなのです。

以前このブログでも詳細に説明しましたが、「DSM-4」の「第二の要件」に規定されている「失語、失行、又は失認」の症状は、私たちの区分で言う末期の段階であり回復させることが困難な段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階の中でも更に後半にならないと発現してこない極めて重い症状なのです(「大ボケ」の症状については、ここを「クリック」してください)。 

これらの症状の発現が確認されるということは、「脳の機能面」から言うと、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」(前頭前野のことを言うものとする。以下、同じ)が殆ど働かなくなってきているその上に、脳の後半領域の「左脳」及び「右脳」の働きも僅かにしか機能しなくなってきているということなのです。「左脳」及び「右脳」の働き具合を判定する神経心理機能テストであるMMSの点数で言うと、30点満点の9点以下、一桁の点数にならないとこうした症状の発現は確認されないのです。「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、「前頭葉」を含む脳全体の働き具合、その相乗効果として発揮される機能レベルのアウト・プットそれ自体が認知症の症状として発現するのが特徴なのです。MMSの得点が、30点満点の9点以下一桁の点数になるまでに「前頭葉」を含む脳の機能全体が衰えてしまうと、もはや、回復させることは困難になってしまうと言うことなのです。

      


「アルツハイマー型認知症」は、60歳を超える年齢の高齢者だけを対象として発病する廃用症候群に属する単なる生活習慣病であって、本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階までに見つけて、脳の「リハビリ」を地道に実践すれば、「正常なレベル」に脳の機能自体を回復させることが出来る病気なのです(治すことが出来る病気)。これこそが、本当の意味での「早期発見」なのです。

「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、上述したように本当の意味での「早期の段階」で見つけると治すことが出来る病気なのに、医療現場では失語や失認や失行と言った症状(末期の段階である「重度認知症」の段階の症状の中でも更に後半にならないと発現してくることが無い症状)が確認されないと認知症とは診断しない、言い換えると回復させることが可能な早期の段階を見落としていて、回復させることが困難な末期の段階で見つけている、言わば「見つける段階が遅すぎる」、そのことが原因で「治らない病気」にされてしまっているだけなのです。

医療の現場で行われている早期と言う言葉の使用、「重度認知症」の段階で早期と言う言葉を使うのは、既に回復させることは困難な段階に入っているので、早期と言う言葉を使うべきではないのです。発病のメカニズムから見ても、症状の更なる進行を遅らせる効能がある薬など有るはずがないので、そもそも、「重度認知症」の段階を「早期と晩期」とに区分けする意味もないのです。

       

 

&「アルツハイマー型認知症」の症状と脳の機能レベル

生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続する「生活習慣」の下では、左脳も右脳も運動の脳も全てが正常な機能レベルに在ろうとも、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の働きが異常なレベルに衰えてくると、「前頭葉」の機能障害としての症状、言い換えると「軽度認知症」(小ボケ)の症状が発現してくるのです。「アルツハイマー型認知症」は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが「段階的な症状」として発現してくるのが、特徴だからです。

「小ボケ」の症状が発現してきていても、それを認知症の症状だとは気づかないで、「不活発病」などと訳の分からない名前を付けるだけで放置して、それまで続いていたナイナイ尽くしの単調な生活を継続させたままで居ると、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の更なる加速度的な機能低下を進行させていき、私たちの区分で言うところの「中等度認知症」(中ボケ)の段階に入っていくことになります。

 「中ボケ」の段階になると、「前頭葉」の働き具合が「小ボケ」の段階のときよりも更に衰えてきている状態で在る上に、「小ボケ」の段階では未だ正常な機能レベルにあった左脳や右脳の機能までもが異常なレベルに衰えてきているのです。「前頭葉」を含む脳の機能レベルがそこまで衰えてくると、「小ボケ」の段階の症状(社会生活面に支障)よりも更に進んだ重い症状(家庭生活面に支障)を発現するようになるのです。

以前にもこのブログ中で説明したことなのですが、「記憶の障害」の症状が発現してくるのは、「中等度認知症」(中ボケ)の段階からなのですが、「中ボケ」の段階(更には「大ボケ」の段階)での「記憶の障害」の症状とみられている症状の根幹にあるのは、主として、異常なレベルに機能が衰えてしまった「前頭葉」の働き具合に起因した理解力や企画計画力及び洞察力や判断力や決断する力並びに意欲、注意集中力及び注意分配力の機能の低下を基礎として発現する「記憶障害」の症状であることを理解することが、「アルツハイマー型認知症」の発現のメカニズム及びその本質並びに症状を正しく理解する上で極めて重要なことなのです。「覚えていない」というだけの単純なメカニズムとは違うのです。

       

 

&「中ボケ」の段階で発現する症状を脳の機能面から見た理解

廃用性の機能低下が「小ボケ」の段階よりも更に加速度的に進行した、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルのアウトプットとしての「中ボケ」の段階の症状を列記すると、以下に「赤字で表記」したような症状になります。

この段階になると、脳の機能としては、 「前頭葉」の機能の三本柱である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が「小ボケの段階」よりも更に加速度的に衰えてきたことによる「前頭葉」の各種個別機能の発揮度の低下に加えて、左脳や、右脳も異常なレベルに衰えてきています。「中ボケの段階での症状」は、そのトータルの脳機能レベルのアウトプットとしての「症状」を示しているのです。「記憶障害」を第一の要件とし、「失語、失行又は失認」を第二の要件と規定している『DSM-4』には根本的な理解の誤りと定義上の誤りとがあることに専門家達が早く気づいて欲しいのです。

       


○ 「記憶の障害」の症状とみられる症状発現の根底にある「前頭葉」を含む「脳の機能レベル」と言う問題そのものを見落としている

「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの直接のアウトプットとして私たちが「二段階方式」を駆使して類型化した「中ボケ」の症状を例にとりながら、以下に説明したいと思います。こうした症状は、単なる記憶障害の症状と言うのではなくて、且つそれ以前に、「前頭葉」の機能が「小ボケ」の段階のそれよりも更に異常なレベルに衰えてきていることが直接の原因となって、自分が置かれている状況の判断、状況に沿った「テーマ」の発想、テーマを実行するための計画、計画の構成内容の理解、展開を見通す力、実行した場合の結果のシミュレーション、シミュレーションの結果に基づく修正、実行の決断等の「前頭葉」の各種個別機能自体が、もはやきちんとしたレベルでは働かないことが「中ボケ」の症状(思考や動作や行動等の面に表れてくる正常なレベルのものではなくなったそれらの結果、すなわち、認知症の症状)として発現してきているのです。

「DSM-4」の規定が「アルツハイマー型認知症」の診断基準としての「第一の要件」に「記憶の障害」の症状を挙げているために、認知症の診断の医療現場では、「前頭葉」を含む脳の機能レベルを判定していない(或いは、判定できていない)だけでなくて、発現する症状を単に外観面だけから観察して、それらの症状が「記憶の障害」の症状だと早とちり(或いは、勘違い)してもいるのです。

      

以下、「中ボケ」の段階で発現してくる症状の発現のメカニズムについて、「前頭葉」を含む脳の機能レベルと言う物差しを基礎として、具体的に解説します。

☆ 何度教えても日付けがあいまいになる

「二段階方式」を活用して私たちが集積したデータによると、「時の見当識」については、日、年、月、季節、昼夜の順番に見当識が衰えていく(正解できなくなっていく)のです。これは、単に思い出せない順番なのではなくて、思い出すことが難しい順番がそうなのだということなのです。思い出すことが難しい順番の原因は、何か。

 「今日は何日?」と問われた時、あなたはどのようにして今日の日にちを思い出そうとしますか?日は毎日変化するので、第二の人生を暮しているお年寄りにとって、何か特別な出来事とか行事とかが無いと、今日が何日かを思い出せないものなのです。「12日」が、木曜日で太極拳がある日だとすると、それを起点にして「今日は、13日だ」ということにたどり着けるのですが、来る日も来る日も判で押したように単調な毎日だと、日にちが生活上の特別な意味を持たなくなり「記銘」されにくいので、「想起」できないのです。昨日は木曜日で、習い事の太極拳があって、その時お友達と、「明日は13日の金曜日ね、何か嫌なことが起きないと良いけどねって」話したから、今日は、13日よねと言う風に、生活上の出来事をきっかけにして日にちを思い出すことが出来るものなのです。但し、この作業には正常な機能レベルを有する強力な「前頭葉」の働きが必要となるのです。「今日の日にち」にたどり着くには、あれこれと手掛かりになりそうな出来事の記憶をたどっていくのに、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の継続的な発揮が不可欠となるからです。

「前頭葉」が異常なレベルに衰えてくると、何かの出来事や行事を手掛かりとして、「日にち」にたどり着くことが出来なくなってしまうのです。単に、「覚えているかいないか」と言うのではなくて、この作業ができる脳の機能レベル(「前頭葉」の働き具合)が確保されているか否かが分岐点となるのです。

日にちにたどり着くことがどうしても出来なくなっているとき、その脳の機能レベルは、「中ボケ」のレベルに入ってきているということになるのです。

そして、「年と月」とでは、日常生活上、年よりは月の方が使われる機会に接することが多いということなのです。そのため、月の方が「記銘度」が高くてたどり着き易いということなのです。従って、年、月、日については、たどり着きにくい順番(「想起」しにくい順番)が日、年、月となるということなのです。

季節と昼夜の場合では、「今の季節が何時なのか」を考えるよりは、たどり着くための判断要素が少なくて簡単な「今が昼なのか夜なのか」を考える方が容易(要求される「前頭葉」を含む脳の機能レベルが低くて済む)と言うことになるのです。

今の季節が何なのか(春なのか、夏なのか、秋なのか、冬なのか)が分からないとき、その人の脳はすでに末期の段階であって回復させることが困難な「重度認知症」(大ボケ)の機能レベルを示しているのです。「覚えているか、いないか」と言うことではないことに注意していただきたいのです。

       


☆ 簡単な計算ができない(お札ばかりで買い物をし、やたらと小銭がたまる)

私たちの「二段階方式」で採用している「MMS」では、計算の項目の様式が、長谷川式とは明確に異なっていて、「100引く7」の計算の項目については、「前頭葉」が関与した計算の仕方を要求しているのです。「100から7を引いて、次に、その答えからまた7を引いて、その答えから更に7を引くというのを繰り返す」ことを被験者自身の「前頭葉」を含む脳の働きに要求しているのです。つまり、長谷川式のような単純な引き算ではなくて、「前頭葉」が関与した計算、言い換えると、「注意と計算」と言う作業を要求しているのです。

その結果、「前頭葉」を含む脳の機能レベルが「中ボケ」の段階になって来ている人たちは、5点満点で1点の人達が大半を占めることになるのです。つまり、「前頭葉」を含む脳の機能レベルが「中ボケ」のレベルに衰えてきている人達は、買い物に行った時、簡単な計算さえも(自分でする上で必要となるレベルの意欲も注意の集中力も注意の分配力も持ち合わせていないので)できないのです(お札ばかりで買い物をし、やたらと小銭がたまる結果になるのです)。こうした症状は、単なる「記憶障害」の症状の問題ではないということに気づいていただきたいのです。

       


☆ 電気やガスの消し忘れ、水道の蛇口の閉め忘れなどが目立つ

私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名付けている、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能には、加齢とともにその働き具合が衰えていくという性質があります。私たちは、この性質を、「正常老化の性質」と呼んでいます。(ここを「クリック」してください)。

「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であって、何かを「キッカケ」として(「キッカケ」の類型については、ここを「クリック」してください)、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標もない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されていると、60歳を超える年齢の「高齢者」である場合は、最盛期の半分以下のレベルにまで衰えてきた正常老化による機能の低下とナイナイ尽くしの単調な生活の継続による廃用性の機能低下との相乗効果により、「前頭葉」を含む脳の機能が加速度的な機能低下を起こしてきて、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症を発病することになるというのが私たちの主張なのです(ここを「クリック」してください)。

発病して最初の段階が「小ボケ」の段階であり、ナイナイ尽くしの単調な生活が継続されていると、「前頭葉」を含む脳の機能が更なる機能低下を加速させていき、「中ボケ」の段階に入っていくことになるのです。「前頭葉」を含む脳の機能が、「中ボケ」の段階にまで衰えてきているとすると、「記銘」する機能自体が極めて低いレベルにしかないことになるのです。

      

そもそも記憶は、「記銘」したものを「保持」して、それを「想起」してくると言う経路をたどります。「はっきりと記憶している」とか「すっかり忘れてしまった」とかいうことは、どの程度に記銘され、保持されていて、想起されたのかという、個々の要素の機能レベルが相乗的に影響している(個々の要素の相乗効果による)と私たちは考えています。

中でも、「記銘」するときの記銘の度合い(「記銘度」)が最も重要だと考えています。海馬に集められた認知内容の情報を記銘するとき、(記銘度が高いもの)であったなら、その記銘度に応じて「長期」に保存されるし、(記銘度が低いもの)であったなら、その記銘度に応じて「短期」にしか保存されないと考えるのです。

従って、「記銘」する(覚える)ときの「記銘度」が高い(よく記銘される)情報は、よく「保持」され、よく「想起」される(思い出される)のです。このことは、「記銘」した5分後に「想起」できる程度をチェックしてみれば、直ぐに分かります。「記銘度」が高い情報ほど、想起することが容易なのです。更に、よく「記銘」された(「記銘度」が高い)情報は、長期に記憶されるのです。

更には、保持/想起されやすいか否かを左右している「記銘度」は、「記銘」するときの状況(三本柱の働きの度合い)に直接左右されます。記憶の対象となる認知情報を記銘する時、「意欲」が強く作用する内容であり、「注意の集中力」が深く作用する内容であり、「注意の分配力」(いくつかの異なったテーマを同時並行して処理する機能のこと)が大きく作用する内容であれば、「記銘度」が高くなるので、長期に保存され、想起しやすく、結果的に「長期記憶」となるのです。逆の場合は、記銘度が低くなるので、短期にしか保存されず、想起しにくく、結果的に「短期記憶」となるのです。もちろん、繰り返し海馬に送り込まれた同じような内容は、繰り返された回数が多いほど「記銘度」が高くなるので、其の分、より長期に記憶されることになるということなのです。

私たちのデータによれば、MMSの下位項目中、「想起」の機能が最も早く加齢により衰えていく項目なのです。「記銘」自体が「意欲」、「注意の集中力」、「注意の分配力」という「前頭葉」の三本柱の働き具合に直接的に大きな影響を受けるからです。そして、この「三本柱」の各々の機能もまた、上述したように「加齢と共に衰えていく」と言う性質を持っているのです。そのため、年をとるにつれて、「覚える」こと(記銘)自体が難しくなっていき、「思い出す」こと(想起)も難しくなっていくのです。そうした正常老化の下で見られる機能低下に加えて、廃用性の機能低下が中ボケの段階にまで進んできた結果としての前頭葉の機能レベルの直接の発現が、此処に取り上げたような症状を示していると私たちは考えているのです。

       


☆ 家庭内の簡単な用事程度のこともきちんとできない(部屋や洗濯物の整理、食後の片付け、畑や庭仕事などがきちんとできなくなる)

説明するまでもなく、これは、「前頭葉」を含む脳の機能レベルの直接のアウトプットとしての症状そのものなのです。これを「記憶障害」の症状だと勘違いするような人は、認知症の専門家とされる人達の中には居ないと思うのですが。

 ☆ お金や持ち物のしまい場所をすっかり忘れてしまい、一日中探している

如何にも「記憶障害」の症状のように見えますが、実は、この症状の原因は、「時の見当識」のところで説明した構造と前述した「ガスや電気の消し忘れ・・・」のところで説明した構造とが重複した原因構造と考えられる問題、症状の発現なのです。

 ☆ 自分が飲む2~3種類の服薬管理ができない

これもまた、「記憶障害」が中核の症状ではないのです。薬を飲むこと自体/或いは飲み方を忘れているという以前に、「中ボケ」の機能レベルにまで衰えてしまった「前頭葉」の機能レベルの問題が中核の症状なのです。「物忘れ、反省と工夫が効けば、年のせい」(ここを「クリック」してください)と言うようなレベルの話では、もはやないのです。 薬を飲むことの意味も目的も理解自体もが不十分な「脳の機能レベル」の下で、服薬管理を自分がしているという状況なのです。飲むことの意味も飲んだことも「記銘度」は低いのです。 

 ☆ 服の着方に無頓着で、重ね着が目立つ(セーターの上からシャツを着る。裏表や前後ろに着る。入浴後、着ていた下着の上に新しい下着を着る)

上述したケースと同じように、これを「記憶障害」の症状だと勘違いするような人は、認知症の専門家とされる人達の中には居ないと思うのですが。服の着方を忘れたということではないのです。「前頭葉」を含む脳の機能レベル自体が、服を着ることの意味や目的自体を理解できないレベルにまで衰えてきているということの反映なのです。

       

 

以下の項目についても同じことが言えるのです。

☆ 入浴時の温度管理が出来ず、体を洗わないとか石鹸がついたままとかする

☆ 周りを汚したり流してないなど、トイレの後始末がきちんとできない

☆ 料理の味付けが変になる(特に、塩加減が極端に変になる。塩辛すぎて、周りが食べられないようなものを作り、本人だけが平気で食べる)

☆ 季節が分からなくなる(夏にセーターなど、季節違いの服を平気で着る)

  これら「中ボケ」の段階で発現してきている症状は全て、「第一次的」には異常なレベルに機能が低下した「前頭葉」の機能障害が及び「第二次的」には異常なレベルに機能が低下した「前頭葉」の三本柱の機能障害に起因する記銘障害が並びに「第三次的」には異常なレベルに機能が低下した「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」の機能障害が、相互に且つ相乗効果的に発現してきているものと考えられるのです。

 意識的に何かの「テーマ」を実行する場面では、自発性、観察、分析、考察、洞察、推理、批判、想像、理解、了解、興味、関心、執着、発想、連想、空想、妄想、企画、計画、創意、工夫、予測、具象化、抽象化、シミュレーション、予見、比較、修正、整理、機転、抑制、忍耐、感動及び判断等の機能からなる「前頭葉」の認知機能が正常なレベルで機能していることが不可欠なのです。「小ボケ」を通り越して更に「中ボケ」の段階にまで「前頭葉」を含む脳の機能が衰えてきているその直接の反映が「中ボケ」の段階の認知症の症状として発現してきていることに認知症の専門家とされる人達が早く気づくべきなのです。単に、「前頭葉」の三本柱の機能障害に起因する記銘障害のみを原因とした「記憶障害」の症状という訳のものではないことを知るべきなのです。

あー、嘆かわしや!何時になったら、私たち人間だけに特有で脳全体の司令塔の役割を担っているこの「前頭葉」と言う機能に、世界中の認知症の専門家とされる人達の目が向くようになるのかしら?

 注)本著作物(このブログB-33に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 エイジングライフ研究所のHP左の部分を「クリック」してください)

  脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)


 

 

 


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