認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

脳機能のレベルと認知症の症状とのリンク (A-03)

2012-03-09 | アルツハイマー型認知症の予防活動

  アルツハイマー型認知症発病のメカニズムについて、重度の段階でしか認知症であるか否かの判定が困難な方法である脳の萎縮を基準に考えたり、原因ではなくて結果を示しているにすぎないアミロイドベータやタウタンパクによる老人斑の生成や神経原線維変化などを対象とする世間一般のアプローチと比べて、私たちのそれは根本的に異なるものです。

エイジングライフ研究所では、独自に開発した「二段階方式」と呼ばれる脳の働き具合とそのアウトプットである症状とをリンクさせて判定する方法により、アルツハイマー型認知症の予防を目的とする17年間に及ぶ市町村での実践活動の中で、極めて多数のデータを蓄積してきました。

「脳機能と症状とのリンク・データ」が示す「アルツハイマー型認知症発病のメカニズム」を、このブログの中で、簡潔に要約して載せたいと思います。東日本大震災を被災した高齢者が他のどの地域の高齢者とも比較にならないほどの高い割合で発症すれば、「アルツハイマー型認知症は、生活習慣病である」ということの疫学的証明となり世の中の考えを変える契機ともなるでしょう。  

        

 人生60年と言われていた一昔前の時代と違って、世界に先駆けて超高齢社会に突入した現在の日本では、誰でも80歳90歳まで生きるのが当たり前となっています。

会社や役所勤めの人のように定年がある場合がもっとも典型的ですが、60歳前後の年齢を起点にして、第二の人生にはいるのが通常でしょう。

人生60年と言われ、第二の人生の期間が殆どなかった昔の人達の老後とは違って、私たちには第二の人生が20年も30年もある訳ですから、第一の人生がどうだったかだけでなく、第二の人生がどうなるかがとても重要な意味を持ってくることになります。

 第一の人生がどんなに立派でも、第二の人生ではやばやとボケてしまったのでは、人生を全うしたことにはならないでしょう。アルツハイマー型認知症は、狭義のアルツハイマー病とは症状の進行の度合いが全く異なるのです。症状が、何年もかけて、徐々に段階的にしか進行しないのが特徴です。世間でアルツハイマー型認知症を発病してから死亡するまでの期間について言及しているものを見かけますが、あの数値は、末期段階の「重度認知症」から数えた数値なのです。私たちが問題にしている、「軽度認知症」の段階と「中等度認知症」の段階を加えると、「脳はもたないのにはるかに長く身体はもつ」ところが、このタイプの認知症の特徴なのです。

 高齢化がどんどん進んでいく中で、独居老人や老夫婦のみの世帯がしだいに増加してきている現状をふまえるとき、お年寄りが、「いつまでも元気なままでいられる」、「身体が持つ限り、脳もちゃんともたせる」、或いは、「年齢相応の社会生活が送られるレベルに脳の機能を保つ」ための施策が、すべての市町村で切実に求められているのです。

注)本著作物(このブログN0-03に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 エイジングライフ研究所のHP(ここをクリックしてください)

    


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