認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症は、高齢者なら誰でも、発病の可能性があるのです(B-42)

2015-08-01 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

  座して脳の病死を待つのか 第二の人生

     発病するかしないか あなたの生き方脳の使い方次第  By kinukototadao  

        

&「アルツハイマー型認知症」の正体とその段階的症状

〇 高齢化率の増加に比例する「アルツハイマー型認知症」発病者数の増大と言う実態

 第二の人生を送っている人であれば男女を問わず誰でも、一番気にかかることと言えば、認知症(厳密には、「アルツハイマー型認知症」)になることでしょう。国全体での「高齢化率」が25%を超えるに至った超高齢化社会の真っ只中にある我が国では、何処に住んで居ても、「認知症」のお年寄りの姿に接する機会が多いからです。高齢化率が高い市町村や高齢化率が高い都会の地域では、そうした機会に接することが、「日常茶飯事」と言っても過言ではないでしょう。実は、「認知症」と一口に言っても、「認知症」と言う病気には、様々なタイプのものが数あるのです。

〇 「アルツハイマー型認知症」の発病原因に関する学説(全てが、「仮説」)

そうした様々なタイプのものが数ある認知症全体の90%以上を占めているのが「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症なのです。その「アルツハイマー型認知症」についてはこれまで、日本だけでなくて、世界的にも「発病の原因」が分からないし、発病を「予防」する方法が見つからないし、「治す」こともできないタイプの認知症だとされてきているのです。発病のメカニズム自体を解明できていないだけでなく、症状の外観からの観測によって「記憶の障害」が第一義的な要素となる症状だと誤解していること等が、辿るべき道を踏み間違えたそもそもの原因でもあるのです。

「アルツハイマー型認知症」を発病して、その症状が進行していき、失語や失認失行といった極めて重度の症状が確認されるに至った人達、すなわち「アルツハイマー型認知症」の末期の段階であり私たちの区分でいう「重度認知症」(大ボケ)の段階の人達、これを言い換えて「客観的な指標」で示すとMMSの得点が(このテストの満点は、30点)一桁にまで脳の機能が衰えてきた人達の死後の脳の「解剖所見」にみられる老人斑の沈着やら神経原繊維変化やら、或いは脳の委縮の進行などを唯一の観測的な根拠として、それぞれに、アミロイドベータ説、タウタンパク説及び脳の委縮説といった「仮説」が主張されていて、未だに我が国の医学会では幅を利かせているといった状況なのです。

ところが、この3つの学説、アミロイドベータ説、タウタンパク説及び脳の委縮説はともに、「アルツハイマー型認知症」発病との間の因果関係を未だに立証できていないだけでなくて(すなわち、3つの説はすべてが「仮説」の状態)、アミロイドベータの沈着、タウタンパクの蓄積、脳の委縮、それ自体についてのメカニズムさえ未だに解明できないでいるのです。私たちは、「アルツハイマー型認知症」を発病して、さらなる重症化が進行していき、末期の段階であり私たちの区分でいう「重度認知症」(大ボケ)の段階にまで症状が進行した人たち(私たちの主張の視点と理解から言えば、「前頭葉」(前頭前野を言うものとする。以下、同じ)を含む脳全体の機能レベルがそこまでに衰えていった人たち)に共通する症状重症化の副産物であり、それは発病の原因ではなくて発病の結果に過ぎないのではと考えるのです。

〇 権威だけは有るが、肝心の実力が無い

東日本大震災の被災地の60歳を超える年齢の「高齢者」たち全員の「前頭葉」を含む脳の機能レベルを、「二段階方式」のような精緻な神経心理機能テストで判定してみれば、それらの仮説が間違っていることが容易に理解されるにも拘わらず、肝心の「前頭葉」に焦点を当ててみようとしないばかりか、そもそも「前頭葉」と言う脳機能を構造的に持たないマウス(アルツハイマー・マウスを含む)の行動とやらを追いかけ続けているのです。

〇 「誤った考え方」が我が国の隅々にまで浸透している現状

私たちが活動を開始した20年も前から主張されているのにもかかわらず、主張している原因(夫々の仮説)と「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の発病との間の「因果関係」を未だに立証できていないのです。但し、主張している機関(特に、有名大学の医学部や有名な独立行政法人)に権威があるがために、「アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、治すことが出来ないタイプの認知症である」との考え方が、我が国全体に(離島の隅々に至るまで)幅広く流布し、浸透してしまっているのです。「アルツハイマー型認知症」の研究や医療行為(診察と投薬)に関わる大学の医学部も、独立行政法人も、医療機関も、学者も、医師も、その結果一般住民もそれが誤った内容であるとは考えもしないで、「アルツハイマー型認知症」は原因不明で治らない病気だと信じ込んでいるのです。発病の予防ができる病気等とは、想像することさえできないでいるのです。

      

〇 「前頭葉」を含む脳全体の働き方の具合(「脳の機能レベル」)にリンクした症状

私たちはこれまで、生きた人間の脳の「前頭葉」を含む脳全体の働き方の具合(「脳の機能レベル」)と「脳の機能レベル」に厳密に対応した「症状」(正常な状態での病的ではない症状から異常な状態での病的な症状まで)並びにテストの実施前6年間の「生活歴」(脳の使い方としての「生活習慣」)を、私たちが開発した「二段階方式」と呼称する神経心理機能テストの活用により、精緻に計測し、客観的な指標の下に評価し、判定し、認知症としての症状を「三段階に区分」してきました(ここを「クリック」してください)。その精緻な症例数は、14689例にも上るのです。

〇 「アルツハイマー型認知症」の正体

   「アルツハイマー型認知症」というタイプのこの認知症は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であり(食生活というようなものではなくて、脳の使い方という意味での「生活習慣」が直接の原因となって発病を惹き起こす病気だと考えているのです)、発病自体を「予防する」こともできるし、「早期の段階」で見つければ「脳のリハビリ」によって「治す」こともできるというのが、「脳機能データ」の解析と440を超える市町村で実践してきた「地域予防活動」の成果に基づく、私たちの結論であり、主張なのです(ここを「クリック」してください)。

  加えて、東日本大震災の被災地の60歳を超える年齢の「高齢者」達の間で起きてきていて潜に(それとは気づかれないで)進行している状況、認知症の専門家とされる人達が、末期の段階の中でも更に重度の症状しか見つけることができない規定内容となっている「DSM-4」(「アルツハイマー型認知症」と診断するための、米国精神医学会の診断規定)の規定に無批判に依拠して診断しているそのせいで、「不活発病」とかの名前を冠されるだけで、或は、単なる「老化現象」だと誤解されたままで、放置されている状況、明確に指摘すると、潜に進行している「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の発病者数の継続的な増加及びその症状の重症化の進行(発病の最初の段階である「軽度認知症」の段階から次の段階である「中等度認知症」の段階への進行並びに速い人の場合では末期の段階である「重度認知症」の段階への進行)という社会的に極めて重大で、且つセンセーショナルな問題状況があるということについて、警鐘を鳴らし続けているのです(ここを「クリック」してください)。  

     

私たちの区分で言う、「軽度認知症」(小ボケ)は「不活発病」とかのレッテルが張られるだけで放置され、或いは、「中等度認知症」(中ボケ)は「老化現象」と誤診されているのです。どちらも「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを「二段階方式」のような精緻な神経心理機能テストで計測し、判定してみれば容易に分かることなのに、CTやらMRIやらPETやらと言った機器を総動員して、肝心な「脳の機能レベル」を図らないで、判定には何の役にも立たない「脳の形や萎縮の度合い」を計測しているだけなのです。これでは、何時まで経っても、「記憶の障害」が「アルツハイマー型認知症」の第一義的な症状だとする誤解」から抜け出すことは出来ないのです(ここを「クリック」してください)。

 

    

〇 東日本大震災の被災地の60歳を超える年齢の「高齢者」達に起きてきていること

2011年3月の被災から起算して、4年以上の歳月が経過している現在では、日々、発病したばかりの人達(「軽度認知症」の段階の人達)が出てきていて、「中等度認知症」の段階に移行してきている人達が大勢いて、(症状の進行具合が速い人達の場合は)末期の段階である「重度認知症」の段階の人達がそろそろ出てきているはずなのです。認知症の専門家とされる人達は上述した「DSMー4」の規定を金科玉条として信望していて、且つその既定に依拠して診断するので、「軽度認知症」(小ボケ)の段階にある人達や「中等度認知症」(中ボケ)の段階にある人達のことを知らないで見過ごしていて、「アルツハイマー型認知症」の末期の段階の人達、私たちの区分でいう「重度認知症」(大ボケ)の段階の症状が確認されるようになって初めて、認知症の専門家とされる人達が騒ぎ出すことになるということなのです。その時期は、目前に迫ってきているのです(ここを「クリック」してください)。

日本全国の他のどの地域のケースと比較しても異次元といえる程の、そのあまりの人数の多さに驚くことになるのです(ここを「クリック」してください)。ところが、この段階、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の症状が発現してきている「アルツハイマー型認知症」の人達を見つけていたのでは、手遅れなのです(もはや治すことはできないのです)。もっと前の段階、本当の意味での早期の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階及び「中等度認知症」(中ボケ)の段階で見つければ、「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」の改善)によって治すことができるのです。認知症の専門家とされる人達は、重い症状のことしか関心がなくて(知らなくて)、こうした軽い段階(回復させることが可能な、本当の意味での「早期の段階」)があることを知らない為に見逃してしまっているだけなのです。そうした診断基準の適用による重大な過ちの結果、「発病を予防することも出来るし、早期の段階で見つければ治すことも出来る」病気、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」でしかない「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症を、「発病の原因もわからないし、予防することも治すことも出来ない病気」、モンスターにしてしまっているのです。

     

〇 家族介護ではなくて、発病自体の「予防」と早期発見による「回復」こそを国民的な課題とすべき

 「アルツハイマー型認知症」は認知症全体の90%以上を占めているので、その発病自体を「予防」し、或いは、早期の段階で見つけて「治す」ことができれば、既に年間何十兆円という天文学的な規模にまで膨れ上がっている「アルツハイマー型認知症」がらみの医療費(介護費用を含む)を大幅に削減することができるのです。本人も、家族も、自治体も、国も救われることになるのです。困るのは、医師と医療機関と効きもしない薬を販売している製薬会社だけなのです(ここを「クリック」してください)。 

どんな種類の病気であれ、先ずは「発病の予防」が最優先の課題であり、次いで、早期の段階で見つけて「治す」ことが課題であることに、皆さんは、何の異存もないと思うのです。ところが医療の現場では、「予防は愚か、治すことにも関心が無くて」、治すことが出来ない(「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常なレベルに回復させることが期待できなくなってしまう)末期の段階である「重度認知症」の段階で見つけているだけなのです。然も、「アルツハイマー型認知症」の症状が、「三つの段階」(脳のリハビリにより回復させることが容易な「軽度認知症」の段階、脳のリハビリにより回復させることが未だ可能な「中等度認知症」の段階及び回復させることが困難な「重度認知症」の段階)に区分されることも知らないで居る(気づいていない)のです。

 その結果、回復させることが困難な末期の段階で見つけていて、医療機関としての社会的任を放棄していることに何らの罪の意識も感じていないのです。司令塔の役割を担う「前頭葉」を含む脳全体の働き具合(脳の機能レベル)には無関心で、脳の形を計測し判定するだけの意味しかないCTやMRIやPET等の高価な機器を使用して、高額な診療報酬が得られることで満足しているだけなのです。肝心の回復させることが可能か否かという視点をまったく持たず、中核症状だとか周辺症状だとかの意味もない区分をして満足しているのです。

   

〇 アルツハイマー病とアルツハイマー型認知症とは発病のメカニズムも性質も全く異なるもの

「 第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」の皆さん。未だ発病のリスク自体についての知識も懸念さえも無い現状では、他人事のようであっても、やがては、わが身自体に降りかかってくるのが、このブログで取り上げ、様々な視点から皆さんに問題提起してきている「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症なのです。但し、ここで注意していただきたいのは、一部の学者やマスコミが混同しているような、「アルツハイマー型認知症」と「アルツハイマー病」とを混同することがあってはならないということなのです。両者は、発病のメカニズム自体が全く異なるうえに、発病後の症状の進行の度合いと速さとが全く異次元であるし、予防の可能性という面でも或いは治せる可能性という面でも全く異なるものであり、且つ発病の対象年齢も全く異なるし、発病数自体も全く異なるものだからです。 

「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が日々継続される「生活習慣」(脳の使い方としての「生活習慣」のことを言います。食生活とは無関係なのです)の下で、廃用性の加速度的で異常な脳機能低下が進行していくことにより、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルのアウトプットそれ自体が認知症の症状(三段階に区分される段階的な症状)となるのであり、それ故にこそ、発病する対象は60歳を超える年齢の「高齢者」が対象となり(50歳代の年齢の人で「アルツハイマー型認知症」を発病する人は、皆無とは言わないまでも、極めてまれなのです)、発病後の症状の進行は極めて緩やかにしか進行していかないのです(誤解から、発病のメカニズムが同一視されることがある「アルツハイマー病」は、特定の遺伝子に生まれつき異常がある人のみが対象となり、且つ30歳代から50歳代までの若い人のみが対象となって発病し、発病後の症状の進行も極めて急激なのが特徴なのです。

 両者を混同している人たちは、両者の発病のメカニズムが全く異なるものであることを知らないのです)。「アルツハイマー病」は、発病の対象となる年齢が30代から50代までの若い年齢を対象とし、且つ、生まれつき特定の「遺伝子」に異常がある者しか発病しないし、発病後の症状の進行が極めて急激であるし、現代の医学技術では、発病の予防も治すことも、全く不可能なタイプの認知症だからなのです。但し、「アルツハイマー病」が認知症全体に占める割合は、幸いなことに1%程度にすぎないのです。

「アルツハイマー病」を発病した人達の死後の「脳の解剖所見」と「アルツハイマー型認知症」を発病して重度認知症の後半になって発現してくるような症状(「DSM-4」が第二の要件として規定している失語や失認失行等の症状)が確認されるまでに症状の重症化が進行していた人達の死後の「脳の解剖所見」とが似ているというだけの理由で並びに(「アルツハイマー型認知症」の第一義的な症状が「記憶の障害」の症状であるとの誤解に基づいた)重度の「記憶障害」の症状の発現の確認をその根拠として、この人達は、両者をまとめて「アルツハイマー病」と呼んでいるのです。誤解も甚だしいだけでなくて、その誤解による社会的な悪影響を考えるべきなのです。あー、嘆かわしや。

 

 

     

 & 「アルツハイマー型認知症」は、日々の「脳の使い方」が発病並びに進行の度合いを左右するのです

〇 「前頭葉」の機能に内在する「正常老化の性質」

私たちが「意識的」に何かを実行しようとするとき、自分が置かれている「状況の判断」も、状況の判断に沿ったテーマの「発想」や「選択」も、発想したテーマを実行する内容の「計画」や実行の仕方も、内容通りに実行した場合の結果の「洞察」や「推理」(ケース・シミュレーション)も、ケース・シミュレーションに基づく実行内容及び実行の仕方の「修正」も、最終的に行われる実行の「決定」も、脳全体の司令塔の役割を担っていて私たち人間だけに備わっている「前頭葉」と言う脳機能の働きによるのです。そうした「前頭葉」の機能には、それなりに生き甲斐や、目標があり、趣味や遊びや人付き合いを楽しむ生活習慣の下で日々の生活を継続している状況下であっても、働き方が加齢とともに緩やかながらも衰えていくという性質があるのです(この性質のことを私たちは、「正常老化の性質」と名付けています)。

「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、この「正常老化」が進んできた年齢のお年寄り、60歳を超える年齢の「高齢者」を対象として(発病の「第一の要件」)、且つ、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもないナイナイ尽くしの「単調な生活」が日々継続される「生活習慣」の下で日々を暮らしているだけのお年寄り(発病の「第二の要件」)のみを対象として、「前頭葉」の働きが廃用性の異常な機能低下を起こしてくることにより発症してくるのです。

脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たちが意識的に何かをしようとする際になくてはならない働きをしている「前頭葉」を含む脳全体の機能が、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない「単調な生活」の継続、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の下で、使われる機会が極端に減ったことに起因した加速度的で異常な廃用性の機能低下の進行により【情報を伝達する神経細胞が、器質的な病態を発現してくること又は廃用性の萎縮を起こすことにより、「記憶機能」が低下することが発病の原因なのではなくて、1つの要因としては加齢による機能の劣化がもう1つの要因としては使われる機会が極端に少ない生活習慣の下で神経細胞の再生が弱まってしまい、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能からなる「前頭葉」の三本柱の機能を中心として、各種の認知機能自体が廃用性の機能低下を起こしてくることの2つの要因が同時に充足される相乗効果により、「前頭葉」を含む脳全体の加速度的で異常な機能の衰えが進むことが発病の原因であると私たちは考えているのです】、60歳を超える年齢の「高齢者」のみを対象として発病するのが、老年性のアルツハイマー型認知症」なのです。

そもそも、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能(私たちは、これを「前頭葉」の三本柱の機能と名付けています)には、上述したように、加齢とともに機能が衰えていくという生来的な性質が内包されているのです(ここを「クリック」してください)。その上、「前頭葉」の三本柱の機能が、上記に列挙したような「前頭葉」の個別機能の機能発揮度を左右する構造になっているために(私たちは、これを「前頭葉」の「二重構造」と呼んでいます)、60歳を超える年齢の「高齢者」が、ナイナイ尽くしの「単調な生活」(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない生活のことを、私たちはナイナイ尽くしの「単調な生活」と呼んでいます)を日々継続していると、使われる機会が極端に少ないことに起因して、「前頭葉」の機能が異常で加速度的な機能低下、すなわち、廃用性の異常な機能低下を起こして来ることになり、認知症の症状が発現してくることになるのです。

 これこそが、世間で(日本を含めて世界中で)、原因不明で治らないと誤解され続けてきている「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の症状発現の「メカニズム」なのです。


      

〇 同じテーマでも、「捉え方」次第で、こんなに「前頭葉」の活性化に影響するのです

そう。実は、Tadが抱え込んでいて、脇に追いやられていた「テーマ」があったのです。このところ、南箱根のダイヤランド(新規に立ち上げた、「脳活性化研究所」)に行くことが多くなって、且つ、そこに滞在する期間も長くなっていて、伊豆高原の家の庭が置き去りにされたままになっていたのです。梅雨が経過した後の本格的な夏の到来による日光の受容量が多くなったせいで、庭の草や樹木がみるみる成長してしまったのです。このままでは、まるで幽霊屋敷になりかねないと、私は潜に心配していたのです。でもこの私、幼いころからの体験と言えば、鉛筆を握ること、包丁を使うこと、それに車のハンドルを操ることくらいしか体験していないのです。それ以外については、私の運動の脳が未発達なのです。そこで、庭の草や樹木の刈り取りや切り落としと言った肉体作業は、Tadの登板と言うことになるのです。それにも拘わらず、Tadが取り掛かろうとする気配さえも示さないまま、この数週間放置されたままで居たのです。

そのTadの行動に突然異変が起きたのです。裏話をするとこういうことなのです。先月、「臨時掲載」で、皆さんにご報告したあの軽食&喫茶「ビブラ ビブレ」のことを覚えていますか。「もう忘れてしまったよ!!なんておっしゃってる方、日々の生活大丈夫ですか?」。ビブラ・ビブレに通うようになって、世間話をしている内に、私たちが「伊豆高原」からダイヤランドの家に通ってきていることが知れて、親しくお話しするようになったのです。皆さんには関心がないかもしれないのですが、この辺りでは、伊豆高原と言うと一端の別荘地なのです。それで、ビブラ・ビブレの人達(Tadの関心は、若い美女たちかな?)が伊豆高原の我が家に見えることになったのです。具体的な日時は、両方の都合を見て決めることにして、8月に入ってから訪問と言うことになったのです。

それが、先々週の木曜日のことだったのです。Tadが急に、伊豆高原に帰ると言い出したのです。勿論私は大賛成。お友達たちが私の帰りを待ってくれているから。Tadが急に帰ろうと言い出したその理由は、放置されたままになっている庭の掃除と言う「テーマ」の為だったのです。ビブラ・ビブレの人達を迎える為には、伸び放題の状態で放置されたままになっている伊豆高原の我が家の庭の草や樹木を刈り取り切り落とすことが「必須の命題」と、Tadの「前頭葉」が考えたということなのです。

   

それからの5日間、毎日30度を超す炎天下の下で、冷やしたお茶を飲み時には水をかぶりながら、Tadが一人で猛然と働いたのです。皆さん想像してみてください。下の玄関から上の玄関まで25段もある階段の両脇はサツキの植え込みになっているのです。それを全部刈り取って処分しました。上下二つある庭の下の庭には、大きなプールがあって、その周囲は花壇になっています。プールの清掃は、高圧の洗浄機を使って、タイルの一目毎に洗ってやるのです。プールの底の面、擁壁面、それに、テーブルや椅子を並べている広い通路面の全部のタイルを、一枚一枚、丁寧に洗浄機を使って洗ってやるのです。それが終わると今度は上の庭。中央には大型のピザ釜があり、その周囲、更には露天風呂の周りにも、樹木やら果樹やらがたくさん植えてあるのです。それらを全部剪定してから、庭一面に生えている草の刈り取り。そして最後は、最も難物である、巨木になっている3本のカナリーヤシの枝の切り落とし作業が待っているのです。これらを切り落として(トータルして、150本もの枝の数になりました)、それを1メートルの長さに切り分け、束にしてから処分するのです。カナリーヤシの枝は、長さが4メートルもあります。根元から1.5メートルくらいは、葉の先の部分がすべて針状になっているのです。長靴を突き抜いてしまうほど鋭利で強靭な代物なのです。どんなに気を付けていても、手や足に何度か突き刺さってしまうのです(幸いなことに、私ではなくて、Tadの手や足に、なのですが)。

そうした炎天下での大変な作業を、その上重労働でもあるのですが、私に対して不平や不満を並べるどころか、Tadはまるで嬉々としてやっていたのです。滝のように汗を流しながら。Tadに何が起きていたのか。これこそが、「前頭葉」の関与、其の在り方の問題なのです。私たちの意識的な世界を支配し、コントロールしている「前頭葉」と言う機能、脳全体のコントロール・タワーには、実は、私たち人間だけに特有な機能なのですが、「評価の物差し」と私たちが名付けている機能が備わっているのです。伊豆高原の我が家の庭の掃除、伸び放題になっている庭の草の刈り取りと樹木の枝の切り落としと言う「テーマ」を、どのような「目的」の下に、どのように実行するのかを設定し、決めるのが「前頭葉」の働きであり、且つその「目的」の評価の在り方次第で、その「テーマ」の実行が、楽しいものとなり(ケースによっては、「生き甲斐」につながる)、或いは、嫌で辛いものとなる(ケースによっては、「意欲」を引き下げることにつながる)のです。

同じ「テーマ」であっても、「評価の物差し」がその実行目的と状況をプラスに評価すれば、それを実行する意欲が湧いてくるし(今回のTadのケースで言うと、意欲が湧き出てきたみたい )、「評価の物差し」がその実行目的と状況をマイナスに評価すれば、それを実行する意欲が湧いてこなくなるということなのです。Tadがどのような「目的意識」でこのテーマを遂行したのか、Tadの行動を観察すれば明らかでしょう。

時が到来してビブラ・ビブレの人達が伊豆高原の我が家を訪ねてみえたとき、その人達がこの庭を見て、Tadの奮闘ぶりを高く評価しほめたたえた時、その評価が高ければ高い程、Tadは達成感や喜びを覚えることとなり(場合によっては、「生き甲斐」さえも覚えて!)、且つそのことが、「前頭葉」の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の機能アップと言う結果(効果)へと直結することになるのです。更に言うと、この三本柱の機能の機能アップそれ自体が、「前頭葉」の活性化の現われである「前頭葉」の個別機能の発揮能力のアップ(状況の判断、テーマの発想、テーマを実行する内容の企画、考察及び計画、洞察や推理と言ったシミュレーション能力、或いは関心や感動などの個別機能の発揮能力のアップ)にも直結することになるのです。脳を活性化させる生活、なかんずく、「前頭葉」を活性化させる生活の在り方(「テーマ」を遂行する上での目標の設定の仕方及びその捉え方)についての参考となる具体例として、今回のTadのケースを取り上げた意味を理解していただけたでしょうか(ここを「クリック」してください)。  

注)前回既にこのテーマは取り上げたのですが、脳(Tad)のことが分かり易いので、此処に再度取り上げました。


    

第二の人生を送っている、60歳を超える年齢の「高齢者」の皆さん、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、どこかの独立行政法人がかたくなに信じ込んでいるアミロイドベータが脳内に蓄積することが原因で発病するものではないのです。アミロイドベータの蓄積量が増えていくことによって症状が重症化していく訳でもないのです。脳全体の司令塔の役割を担っていて、意識的な世界を支配しコントロールしている「前頭葉」と言う脳機能が、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が日々継続されることにより廃用性の異常で加速度的な機能低下を起こしてくることが直接の原因となり、且つそれが異常なレベル(一定の客観的な閾値)に衰えてくることにより、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症を発症することになるのです(最初の段階であり、私たちの区分でいう「軽度認知症」の段階では、司令塔の「前頭葉」のみが異常な機能レベルに衰えてきているのです。

 この「小ボケ」の段階では、左脳も右脳も運動の脳も未だ正常な機能レベルにあるのですが、思考や行為や言動を含めて私たちのすべての意識的な活動は、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」がそれらの脳を主導し、それらの脳と協働し、且つそれらの脳をコントロールする機能構造となっているが為に、「前頭葉」を含む脳全体としてのアウトプットそれ自体は、異常なものとなってしまうことに注意してください。「小ボケ」の症状は、正常下限での症状なのではなくて、認知症の症状だということなのです。)。

廃用症候群に属する生活習慣病である「アルツハイマー型認知症」と言う病気は、「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてきたとき発症するのです(その最初の段階が「軽度認知症」、「小ボケ」の段階)。このことを逆に言えば、「前頭葉」の機能レベルが「正常域」にある限り、「アルツハイマー型認知症」を発病する事態は絶対に起きてこないのです。したがって、あなたの日々の脳の使い方、生活習慣(食生活ではなくて、脳の使い方としての生活習慣であることに注意)を今日すぐにでも見直して、あなたの「前頭葉」が活性化する生活習慣を構築し、明日と言わず今日から実践するのです。あなたの「前頭葉」の機能レベルが高いところにあればあるほど発病のリスクは小さくなる、「アルツハイマー型認知症」を発病するその日は遠ざかっていくことになるのですから(ここを「クリック」してください)。

 注) 本著作物(このブログ「B-42」に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。   

   エイジングライフ研究所のHP左の部分を「クリック」してください)

    脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)




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