認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

東日本大震災の被災地での高齢者の発病の実態調査を(B-95)

2017-12-01 | アルツハイマー型認知症発病の真の原因

&1 私たち(エイジングライフ研究所)の主張の概要

〇 「アルツハイマー型認知症」を発病する対象が60歳を超える年齢の高齢者に限られる理由としての「正常老化の曲線」の存在

世界中の専門家達から今なお原因不明の病気とされている「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムを解明する上で、極めて重要な要素、それは、「前頭葉」の個別認知機能の発揮度を左右し/下支えしている機能である「前頭葉」の三本柱の機能(「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能のことを、私たちがその特徴と重要性に鑑みて命名したもの)には、『20代半ばを過ぎると、年をとるにつれて100歳に向かって、緩やかではあるが徐々に働きが衰えていく』という特徴を有する老化曲線、言い換えると「正常老化の曲線」(これまた、私たち独自の命名)とも呼ぶべき加齢と共に機能が緩やかに低下していく特徴的な曲線が存在することなのです。それなりに「前頭葉」の出番がある「生活習慣」を維持していても、加齢とともに機能が緩やかにではあるが直線的に衰えて行くという性質があるのです。「左脳」の働きが核となる「仕事」とは無縁の日々となる「第二の人生」が始まったばかりの65歳頃には、「前頭葉」の「三本柱」の機能レベルが、最も高い18歳から20代の半ば過ぎ頃のほぼ半分くらいにまで衰えてきていることが注目すべき要点(ポイント)なのです。加齢に伴う脳の老化と言う問題が存在していることを示しているのです。

 私たちが独自に開発した「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例にも及ぶ精緻な「アルツハイマー型認知症」の症例群とその基礎データとしての「脳機能データ」の解析により、私たちの意識的な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしている脳機能、脳全体の司令塔の役割を担っていて、左脳、右脳及び運動の脳という三頭立ての馬車の御者としての役割を担っている「前頭葉」を含む脳の機能の加齢による老化という要因を発見し、且つこの要因に着目し、『「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であること』と言う条件を「アルツハイマー型認知症」の発病の「第一の要件」として私たちは規定しているのです。私たちが集積してきたデータによる予測では、「アルツハイマー型認知症」を発病するお年寄りの年齢別の割合は、「第二の人生」が始まる60歳代では12%となり、70歳代では30%、80歳代では二人に一人となる50%、90歳代では75%を数えていて、加齢の極まりである100歳代では97%にもなるのです。但し、この数値は、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の段階の全てを含む数値であって、医療現場が発病と診断している及び厚労省が発病者数として発表しているのは、「アルツハイマー型認知症」の末期の段階である「大ボケ」の段階の人達だけであることに注意していただきたいのです。厚労省が推定値として発表している我が国全体で500万人と言う数値には、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のお年寄りは(認知症の専門家達が見落としていて)含まれていないのです。

 &2 老化のカーブの傾き具合を左右する要素は、脳の使い方としての生活習慣

 (1)自分なりの追求すべき特定のテーマが有り、生き甲斐達成すべき目標があり、趣味や遊びや交遊や運動を楽しむ生活の機会が多くあり、地域興し等の活動にも興味があるお年寄り、日々の生活の中で、たくさんの量と質のよい情報が「前頭葉」に送られてきて処理されているような「生活習慣」が日々継続されているお年寄りは、老化の曲線は緩やかなものとなり、身体が持つ限り脳も保てる、所謂「かくしゃく老人」への道が開けてくるのです(「かくしゃく老人」である場合の特徴として言えることは、脳の使い方としての「生活習慣」が、早々とボケていく「お年寄り」のそれとは、対極の内容の「生活習慣」を送っているということなのです。両者の間には、世の中で言われているような「食生活としての生活習慣」でなく、「脳の使い方としての生活習慣」の顕著な相違が存在するのです)。「アルツハイマー型認知症」は、老年性アルツハイマー病とも別称されているように、発病する対象者は60歳を超える年齢の高齢者だけであり、60歳代よりは70歳代の方が、70歳代よりは80歳代の方が、80歳代よりは90歳代の方が、発病率が高くなっていくのです。「発病の原因」そのものが、発病の『第一の要件』である加齢と言う要素に起因した機能低下正常な老化)及び加重要因であり発病の『第二の要件』である脳の使い方としての単調な「生活習慣」の継続という要素に起因した廃用性の異常な機能低下(異常な老化)であるが故に、年齢が上がれば上がるほど、発病する割合が高くなっていくという特徴が、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の特徴なのです。

 (2)上述した年齢別の発病率からも明らかなように、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であれば(私たちが規定する発病の「第一の要件」の充足)、誰もが「アルツハイマー型認知症」を発病する訳ではないのです(即ち、加齢の延長線上に発病が有る訳ではないのです)

そこには、もう一つ別の明確な条件が存在する(第一要因に対する加重要因のです。これこそ、発病の「第二の要件」として私たち「二段階方式」が規定する条件、脳の使い方としての単調な「生活習慣」の継続(自分なりに追求する特定のテーマがなく、生き甲斐無く、趣味なく、交友なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣)という要因の存在なのです(但し、ここで言う「生活習慣」は、脳の使い方生き方の意味であり、「食生活」や糖尿病の発病とは無関係でであることに注意)。

私たちが規定する発病の「第二の要件」とは、脳の使い方としての生活習慣、即ち、自分なりに追求する特定の「テーマ」がなく、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が、継続されていることなのです。ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていて、量も少なく、質も劣る情報しか脳に送られてこない(左脳、右脳、運動の脳を介して、最終的には「前頭葉」に送られてくる種々の情報)「生活習慣」が継続されている高齢者は、発病の「第一の要件」(加齢に伴い生じてくる正常な老化による機能低下)と「第二の要件」(ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の異常な機能低下)とが同時に充足される相剰効果により、「前頭葉」を含む脳全体の機能廃用性加速度的異常な機能低下の曲線を描き、急速に低空飛行の状態に入っていくことになるのです(「二段階方式」の手技の活用により集積した14689例にも及ぶ「脳機能データ」が示す「加速度的な老化の曲線」のデータが、実証データなのです)。『その行きつく先に、「アルツハイマー型認知症」の発病が待っている』ということなのです。

アルツハイマー型認知症」を発病するには、上述した「第一の要件」(老化による正常な機能低下)と「第二の要件」(廃用性の異常な機能低下)とが同時に充足されること必要不可欠の条件となると言いました。どちらか一方の要件を満たすだけでは、「アルツハイマー型認知症」を発病しないということなのです。その意味で、NHKが一大キャンペーンを張った報道(『働き盛りの50歳代で、「アルツハイマー型認知症」を発病する人達が増えてきている』)の内容は、根本的な誤りを犯していると言うしかないのです。番組にもしばしば登場した人達(30歳代から50歳代までの年齢の人達)の全ての人達が、『「アルツハイマー型認知症」を発病していたのでは無くて、全く異なる性質の病気である「側頭葉性健忘症」を発病している人達なのです。誤診に基づいた、「誤った内容の報道」だということなのです。「アルツハイマー型認知症」と「側頭葉性健忘症」とを区分ける「二つの重要な相違点」が存在するということを知らないのです。一つは発病する「年齢」と言う条件なのです。「アルツハイマー型認知症」の場合は、60歳を超える年齢の高齢者が発病の対象となり、年齢が高齢になるほど発病率が高くなっていくのに対して、「側頭葉性健忘症」の場合は、50歳代以下の若い年齢層が発病の対象となるのです。もう一つの条件は、「前頭葉」の機能レベルが根本的に異なるという条件なのです。「アルツハイマー型認知症」の場合は、「前頭葉」の機能から真っ先に異常なレベルに衰えて行くものでり、末期の段階にまで症状が進行して行った結果としての『重度の物忘れの症状』が発現してくるのに対して、「側頭葉性健忘症」の場合は、「前頭葉」の機能が正常な機能レベルに在るのが特徴なのです。『「側頭葉性健忘症」の場合は、「重度の記銘力障害に起因した」「重度の記憶力障害」の症状が春減するものであり、「前頭葉」の機能レベルを精緻に判定しさえすれば、両者は容易に鑑別できるものなのです。前頭葉の機能レベルを判定することなく(精緻に判定できる手技を持たないので)外観的な重度の記憶障害の症状だけから短絡的に「アルツハイマー型認知症」の症状だと決めつけ発病者の年齢が若いことから、架空の病気「若年性アルツハイマー型認知症」だと誤診しているだけのものなのです。その誤診をそのまま受け売りして、そのまま報道したと考えられるのです。

〇「アルツハイマー型認知症」は、老化・廃用型、且つ、前頭葉機能障害型ともいうべき「廃用症候群」に属する『生活習慣病』なのです。

「アルツハイマー型認知症」の本態を特徴的に捉えて説明すると、『「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、老化廃用型、且つ前頭葉の機能障害型とも言うべき廃用症候群に属する「生活習慣病」である』ということなのです。「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」(発病の「第一の要件」)の「前頭葉」の機能について進行してきている条件、全ての「高齢者」の「前頭葉」に内在する性質としての、「加齢」に伴って進行してくる「正常老化の性質」に起因した機能低下という要因(老化)が発病の「第一の要件」であり、そのことに加えて、「キッカケ」を契機として開始されたナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した「前頭葉」を含む脳全体の廃用性異常な機能低下の進行(廃用)が発病の「第二の要件」であり、発病の第一の要件と発病の第二の要件とが同時に充足されている生活状態の下で、その相剰効果により、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性加速度的異常な機能低下を進行させていくその先にアルツハイマー型認知症」の発病及び症状の進行が待っているということなのです。

発病及び症状進行を惹起する直接的な要因は、アミロイドベータの蓄積(老人斑の沈着)とも、タウ蛋白の沈着(神経原線維変化)とも無関係のものであり、且つ、様々な程度及び態様の下で発現してくる「アルツハイマー型認知症」の諸症状は、「記憶の障害」に起因して発現してくる訳ではないのです。

 その意味で、「DSM-Ⅳ」の規定内容も、アセチルコリン説、アミロイドベータ説、タウ蛋白説及び脳の萎縮説等の全ての「仮説」の主張内容も、科学的な根拠も無く、客観的に検証可能な方法により実証されているものでもなく、言い換えると、単なる推測の類に過ぎないのです。

今猶有力な学説の地位に在る「アミロイドベータ説」を含む様々な「仮説」が主張の根拠(基礎)にしているのは、「アルツハイマー型認知症」を発病して/更にその上に、失語や失認や失行(紛い)の症状と言った極めて重度の症状(30点が満点のMMSEの得点が、一桁になるまでに、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきた末の症状であることにさえも気づかないで居て)が確認されてから何年間も生きたお年寄りの死後の脳の解剖所見から類推しただけの物であったり、或いは、「前頭葉」という脳機能が備わっていない(注意の分配力の機能も備わっていない)「マウス」(「アルツハイマーマウス」を含む)が檻の中で餌を探してうろつきまわる行動から憶測しただけの物であったりする程度のものなのです。主張の内容自体は、科学的でも、客観的なデータに基づいたものでもないのです。

&3 「アルツハイマー型認知症」の症状は、「前頭葉」の機能レベルを基盤としている
(1)「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」(脳の使い方としての「生活習慣」)を継続させていると、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていき、その行き着く先に「アルツハイマー型認知症」の発病が待っていると言いました。そこに言う廃用性の機能低下の場合は、「前頭葉」の機能(就中、「前頭葉」の三本柱の機能)が最初に衰えを開始し進行していき、次いで、左脳、右脳、運動の脳の順に衰えが開始され、進行していくのです。廃用性の機能低下が原因で、「前頭葉」の三本柱の機能が衰えていくとき、注意の分配力、注意の集中力、意欲の機能の順に早くに衰えていく、即ち、機能がより高度で複雑なものから、より低いものへと順番に衰えていくのが「アルツハイマー型認知症」の特徴なのです。

(2)脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により異常なレベルに衰えてきたその時から(左脳も右脳も運動の脳も、その全てが未だ正常な機能レベルに在ることに注意すること)、「前頭葉」を含む脳全体としての機能レベルのアウトプットとしての症状が、「アルツハイマー型認知症」発病の症状として発現してくるのです。

以下に要点を概説するように、私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」では、「前頭葉」が「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」により構成される三頭立ての馬車の「御者」の役割を担っているのです。「前頭葉」の機能レベルこそが脳全体としての機能レベルの核心なのであり、「アルツハイマー型認知症」の症状自体も、『「前頭葉」の機能レベルを核心とした脳全体の機能レベルを直接に反映したものとなる』のであって、「DSM-Ⅳ」の第一の要件として挙げられている条件並びに「仮説」が立脚している条件である『「記憶の障害」に起因した症状』ではないのです。

(3)私たち人間だけに特有な世界である「意識的(目的的)な世界」では、全ての思考、行為、行動や言動が、或いは、感情や表情の表出が、必ず「前頭葉」の機能を介してアウトプットしてくる機構になっているのです(「前頭葉」が、脳全体の司令塔の役割を担いつつ、「意識的(目的的)な世界」を構築し、統括し、支配し、コントロールしている=三頭立ての馬車の御者が「前頭葉」)。もう少し詳しく説明すると、私達の「意識的な世界」では、「前頭葉」が、脳全体の司令塔の役割を担っていて、左脳、右脳及び運動の脳と協働し、且つそれらを統括し、支配し、コントロールしながら、状況の理解と判断、状況の判断に沿った「テーマ」の発想、比較と選択、選択した「テーマ」についての実行すべき内容の企画や計画、実行結果に対する考察、洞察、推理やシミュ・レーション、シミュ・レーションに基づいた実行内容の修正、実行手順の組み立て、実行の程度及び態様の考察と選択、更には、実行の決断、決断に基づく脳の各部への実行の指令等を行っているのです(Executive Function)。

異なる複数の意識が並存し、異なる複数のテーマの同時並行処理が必要な状況下で、『注意の分配力』が、「評価の物差し=意識の首座=自我)」による評価、注意、関心、観方に基づいて、「実行機能」を行使して、先行するメタ認知及び随伴し連動する実体験認知しているのが、意識が覚醒された(覚醒の度合いは様々に異なる)世界(意識的で、目的的な世界)なのです。

こうした過程での個別認知機能の機能の発揮度を左右し/下支えしているのが「前頭葉」の三本柱の機能と私たちが名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能であり、就中、「注意の分配力」の機能の働きが極めて重要なものとなっているのです。この「注意の分配力」の機能が殆ど働かなくなる大ボケ」の後期になると、『挨拶程度の日常会話さえ困難となり、夜中に騒いだり、徘徊したり、ズボンを頭から被ったりするようになる』のです。

(4)上述したメカニズムの下で、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、「キッカケ」を契機として開始されたナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続の下で、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により異常なレベルに衰えてきたことに起因して(リンクして)、それを直接反映したアウトプットとしての症状、「アルツハイマー型認知症」の「段階的な症状」が発現してくることになるのです。そして、脳の機能が「小ボケ」の段階では、「前頭葉」の機能だけが異常なレベルに在るその総体としての脳機能レベルのアウトプットそれ自体が「小ボケ」の症状として発現するのです。脳の機能が「中ボケ」の段階では、「小ボケ」の段階よりも更に加速度的に機能が低下してきた「前頭葉」の機能に加えて、「左脳」及び「右脳」の機能も異常なレベルに衰えてきて、その総体としての脳機能レベルのアウトプットそれ自体が「中ボケ」の症状として発現するのです。末期の段階である「大ボケ」の段階では、「中ボケ」の段階よりも更に加速度的に機能が低下してきた「前頭葉」の機能に加えて、「左脳」及び「右脳」の機能も「中ボケ」の段階よりも更に異常なレベルにあって、更には「運動の脳」の機能も異常なレベルに衰えてきて、その総体としての脳機能レベルのアウトプットそれ自体が「大ボケ」の段階の症状として発現するのです。認知症の専門家達は、小ボケ及び中ボケの段階の症状が存在していることを知らないで、見落としているのです。

(5)「脳のリハビリ」により回復させることが可能である(「アルツハイマー型認知症」の症状を治すことが可能である)本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う小ボケ及び中ボケの段階)の症状は、「アルツハイマー型認知症」としての症状であることが気付かれないで居て(見落とされている)、「アルツハイマー型認知症」の発病としての認知症の症状であることが見落とされているのです。その内の一部の症状が、MCI(Mild Cognitive Impairment=軽度認知障害)とか言う極めて杜撰で粗雑な概念であり、基準である考え方の下に、「アルツハイマー型認知症」を発病するリスクが高い状態(発病の前駆的状態)と説明されているのです。

これらの場合に注意すべきことは、「アルツハイマー型認知症」の症状は、① ①「器質的な病変」が発病の原因となっているのではなくて及び②「記憶の障害」に起因して症状が発現してくるものでもなくて、③ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が発病の直接の原因だと私たち「二段階方式」は主張しているのです。そうであるが故に、極めて微量のアミロイドベータの蓄積、或いは、タウ蛋白の蓄積を、どれ程早い段階で検出しようとも、「アルツハイマー型認知症」の発現を検知することにはならない、「早期発見」には繋がらないのです。

&4 廃用性の機能低下が原因であるからこそ、本当の意味での早期の段階で見つければ、回復させる(治す)ことが可能なのです

(1)発病の最初の段階となるのが、「軽度認知症」(小ボケ)の段階で、次いで、「中等度認知症」(中ボケ)の段階があって、最後に、「重度認知症」(大ボケ)の段階があるのです(小ボケに始まり、中ボケの段階を必ず経由して、大ボケの段階に至るという経路が「アルツハイマー型認知症」に特有な症状重症化の過程の特徴なのです)。 医療現場では、誤りだらけの内容が規定されていることにも気づかないで居て、あの「DSM-Ⅳ」の規定の基準に依拠して診断が行われているのです。第二の要件で確認が要求されている失語や失認や失行(紛い)の症状が確認される高齢者とは、末期の段階である「大ボケ」の段階の枠の中でも更に後期にならないと発現が確認されない極めて重度の症状が発現している高齢者なのです。

(2)医療現場では早期診断と銘打った診察が横行しているのですが、それは、「脳のリハビリ」により正常なレベルに「前頭葉」を含む脳全体の機能を回復させることが出来る(認知症の症状を治すことが出来る)本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)ではなくて、「失語や失認や失行(紛い)の症状」の発現が未だ確認されない段階とはいえ、あくまで、末期の段階であり、「脳のリハビリ」により回復させることが困難となる「大ボケ」の段階で見つけて居るにすぎないのです。『早期診断とは名ばかり』なのです。末期の段階であり、回復させることが困難となる「大ボケ」の段階で見つけることに何の意味があるのかと問いたいのです。その上、効きもしない「薬」を処方してもいるのです(『症状を治す効能は有しないが、ケースにより、半年から1年程症状の進行が遅くなることが有るかも知れない』等と、製薬会社の受け売りのままに処方しているのです。医師が気にするのは、副作用の有無とその程度だけなのです。

(3)「脳のリハビリ」により正常なレベルに回復させること(厳密にいうと、前段階の中ボケの段階にさえも)が困難となるという意味での末期の段階である「大ボケ」の段階は、症状の重さの幅が大河の川幅のように極めて広いのです。「大ボケ」の枠組みの中で、何等かの他の病気(老衰を含む)が原因で死を迎えることになるその時まで、症状の更なる重症化が進行していくことになるのです(「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」なのであり、「アルツハイマー型認知症」が直接の原因で死亡するということは起こり得ないことなのです。「アルツハイマー型認知症」が直接の原因で死亡したとの診断は、診断した医師自身が、『「アルツハイマー型認知症」の本態について無知』と言うだけのこと)。

(4)上述した意味、回復させることは困難であり、「大ボケ」の枠の中で更なる重症化が進行していくだけという意味からも、「大ボケ」の段階の症状の発現が確認されている高齢者の「家族介護」は、介護する家族側に精神的、肉体的、経済的な負担を強いるだけでなく、介護する側の社会生活自体を奪うものであり、「老老介護や認認介護や介護離職」を生むこととなり、我が国の採るべき政策としては、絶対に避けるべきものであると言うことを強調しておきたいのです。住民参加型の「地域予防活動」を全国展開し、「介護関連総費用」の増加に歯止めをかけ、更には、絶対額自体を大幅に減少させ、何等かの理由で「大ボケ」の段階にまで症状が進行してしまった「高齢者」の介護にこそ、「介護保険」を全面的に適用すべきものと考えるのです。介護保険制度導入の本旨は、「家族による介護」の負担を軽減することにあったはずなのです。

  

&5 アルツハイマー型認知症の発病原因に関する「仮説」に、屋上屋を架すべきでない

様々な種類が数ある認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めている「アルツハイマー型認知症」については、世界中の認知症の専門家とされる人達(学者、研究者、医師)から、発病の原因(メカニズム、機序)が全く分からないし、症状を治すことも/症状の進行を抑制することも/進行を止めることも出来ないし、発病自体を予防する方法も皆目見当がつかないとされてきているのです。その一方で、発病の原因(メカニズム、機序)に関しては、様々な「仮説」が主張されてきているのです。「仮説」とされているその意味は、それぞれの仮説が発病の原因(メカニズム、機序)として主張しているその内容と「アルツハイマー型認知症」の発病との間に存在するべき「因果関係」の立証が、未だに為されていないということを意味するのです。その結果として、それらの「仮説」の存在自体が、『アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病を予防することも出来ない』タイプの認知症であるとする誤ったメッセージを発信し続けている源となっているのです(あの世界的な権威が有るだけで内容が重大な誤りの規定である「DSM-Ⅳ」の規定と同じく、これまた、諸悪の根源と言うしかないのです)それらの仮説」の提示者には「発病との間の因果関係の存在」を実証すべき重大な社会的責任があると思うのです。

注1)「アルツハイマー型認知症」の発病の予防や治療に対して活用できる可能性が有るとするこの発表の内容もまた、単なる「仮説」に過ぎないことに注意する必要があるのです。この内容を言い換えると、『この薬の服用により、アミロイドベータの蓄積が阻害され/或いは蓄積したアミロイドベータが脳内で解消され/或いは脳の外に排出されたからと言って、そのこと自体が、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防/或いは症状の治療に役立つ(効能が確認される)ことに直結することを意味している訳のものではない』のです。

何故なら、この新たな「仮説」自体が、『「アルツハイマー型認知症」の発病は、アミロイドベータの蓄積が直接の原因である』との前提に立脚した主張に過ぎないのです。従来唱えられてきて未だに仮説でしかない状態に在る「アミロイドベータ説」の主張内容が正しいものとの前提に立脚した新たな「仮説」に過ぎないということが、実は、極めて重要な問題を含んでいるということなのです。アミロイドベータの蓄積と「アルツハイマー型認知症」の発病(或いは、症状の重症化の進行)との間の因果関係が未だに立証されてはいないという重大な未解決の問題が存在しているからなのです。問題点を単刀直入に、或いは分かり易い言葉で表現すれば、諺に言いう、『屋上屋を架す』ということに過ぎないのです。そもそも「アミロイドベータ説」が主張され始めてから数十年が経過しているというのに未だに因果関係が立証されていない「仮説」のままで居る真の理由はというと、『仮説の内容自体が誤りである』からなのです。それ故に、時間がどれだけ経過しようとも、或いはどれだけ有能な人材を投入しようとも、「アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係の存在を立証できないで居るということなのです。その主張内容が重大な誤りであることを、私たちが「二段階方式」の手技を活用して、生きた人間の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状として集積した14689例に上る「アルツハイマー型認知症」の症例に関わる精緻な「脳機能データ」の解析結果を基礎として、反論してみることにしましょう。

注2) アミロイドベータ説は、その主張内容の概要を此処に示すと、『「アミロイドベータ」という蛋白質が何等かの機序で脳内の神経細胞に大量に蓄積することにより「老人斑」が生成され、沈着した「老人斑」の持つ毒性が、脳内で情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量の細胞死を惹き起こすことにより、様々な情報の連絡の不具合が起きてくることが原因で「記憶の障害」が惹起されることとなり、その「記憶の障害」に直接起因した「アルツハイマー型認知症」の様々な症状が発現してくる』と主張している「仮説」なのです。このことを言い換えると、この考え方は、米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断基準である「DSM-Ⅳ」の規定と同じ考え方、発病と診断する為の第一の要件として確認を要求している「記憶の障害」(或いは、「記憶障害」に起因した機序)が、第二の要件で確認を要求している「失語、失認又は失行」(紛い)の症状が発現する直接の原因であるとする考え方と同一のものに過ぎないのです。

注3 そもそも「記憶」は、記銘して、保持され、そして想起されるという行程を辿るものなのです。私たちが集積した脳機能データの解析結果に基づいて説明すると、『記憶の対象となった情報についての「記銘度」が高いものであればある程、よく保持され、よく想起されるものなのです。その「記銘度」を決定づけ/左右する要素はと言うと、「前頭葉」の三本柱の機能と私たちが名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の関わり方次第ということなのです。意欲及び注意の集中力の機能が高度に発揮されていて、逆に、注意の分配力の機能の働きが抑制された状態に在る程、「記銘度」が高くなるのです。意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が高度に発揮されている状態下では、且つ、三者の中で最も高度な機能である「注意の分配力」の機能が高度に発揮された状態に在る程、よく「想起される」ことになるのです。14689例もの「かなひろいテスト」の解析結果が実証しているのです。加えて問題を提示し指摘すると、3点が満点の「記銘」は、30点が満点のMMSEの総得点が4点以下になって初めて0点となる事例が最も多くなるのに対し、3点が満点の「想起」は、MMSEの総得点が26点になった段階で既に0点となる事例が最も多くなるのです。上述したように、「想起」は、「前頭葉」の個別認知機能の発揮度を左右し/下支えしている「前頭葉」の三本柱の機能の内で最も高度な機能である注意の分配力の機能が高度に発揮されることを要する機能であることが、『「記銘」と「想起」の困難度の差異となって現われて来る』ことを意味しているのです。このデータ解析の意味するところは、『「アルツハイマー型認知症」の症状が発現して来ている人達の「脳機能データ」を基礎として「記憶の障害」が確認されるメカニズムを子細に検討してみた結果として、そこで確認される「記憶の障害」は、アミロイドベータの蓄積とか老人斑の生成とか、老人斑の持つ毒性とか、老人斑の持つ毒性が神経細胞の大量死を招いているとか、老人斑の蓄積により神経細胞が大量死しているとか、神経細胞の大量死が記憶の障害をもたらしているとか、そうした原因で惹起された記憶の障害に起因して「アルツハイマー型認知症」の症状が発現してきているとか言った、アミロイドベータ説が主張している様々な要因が全て単なる憶測に過ぎないことを示しているのです』。

加えて、重要な問題点を指摘すると、私たちの区分で言う、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状の発現が確認される高齢者であれば、『「脳のリハビリ」により「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを、正常な機能レベルにまで改善させることが出来る、言い換えると、「アルツハイマー型認知症」の症状を治すことが出来る』という、厳然たる事実が存在しているということなのです。『「アミロイドベータ」の蓄積により「老人斑」が形成されて、情報を連絡する役割を担っている神経細胞に老人斑が沈着し、絡みつくことによって、神経細胞の大量死という器質的な病変が惹き起こされてきているのだとしたら、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状が発現していたお年寄り達の脳に起きた現象、「脳のリハビリ」により症状が改善し治るという現象(事実)をどのように説明することが出来るのでしょうか。「前頭葉」の個別認知機能の発揮度を左右し/下支えしている機能であり、私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名付ける意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能は、最も高度な機能から順番に、注意の分配力の機能、注意の集中力の機能、意欲の機能の順番に、廃用性の機能低下により機能が衰えて行くのです(アミロイドベータの蓄積とか老人斑の沈着とか、更には、神経細胞の大量の細胞死とかとは無関係に起きてくるものなのです)。「二段階方式」の手技を活用して集積された14689例にも及ぶ「アルツハイマー型認知症」の発病者の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル、更には、「前頭葉」の三本柱の機能に関わる精緻な「脳機能データ」の解析結果は、『三段階に区分される「アルツハイマー型認知症」の症状の様々なレベルの症状の発現と「記憶の障害」とは無関係である』ことを示しているのです。言い換えると、『「アルツハイマー型認知症」の三段階に区分される様々な症状は、「前頭葉」の機能障害{ cognitive disturbance in executive functioning }、就中、「前頭葉」の三本柱の機能障害を基底にして/に起因して発現してくるものである』ということを示しているのです。

注4) 「二段階方式」の手技を活用して、判定し集積した14689例にも及ぶ「アルツハイマー型認知症」の発病と判定された典型的な症状のうち、私たちの言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階で確認される典型的で、且つ、「小ボケ」の段階に特有な症状を8例、既にこの建白書中で開示しました。そこに見られる様々な症状は、「キッカケ」を契機として開始され、生活習慣化して継続された脳の使い方としての「生活習慣」、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因して惹き起こされた廃用性の機能低下がもたらした「前頭葉」の機能障害に起因した症状だけであって、「記憶の障害」に起因した症状はその欠片さえも確認されないのです。更に付言すると、「末期の段階」の症状であり、私たちの区分で言う「重度認知症」(大ボケ)の段階で発現してくる典型的で、且つ、「大ボケ」の段階に特有な症状であり、例示した症状の内で、例えば、『服を正しく着られず、ズボンを頭から被ったり、上着に足を通したりする』とか、『同居している家族の顔も名前も分からなくて、配偶者を娘と間違えたりする』とか、『自宅に居ても落ち着かず、外に出ていきたがる』等の症状は、「記憶の障害」が基底にある訳ではなくて、「注意の分配力」の機能が殆ど働かないという「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを直接に、且つ、そのままに反映した症状に過ぎないのです。それらの症状を「記憶の障害」に起因した症状だとする主張は、単に外観から眺めて推測した主観に基づくだけのもので、客観性に欠けるというしか無いのです。

注5) 「アルツハイマー型認知症」の場合は、「前頭葉」を含む脳全体の機能について、機能が衰えていく厳格な順番があるということを既に提示しました。そして、MMSEで判定している脳の後半領域の機能、「左脳」及び「右脳」の機能についても、衰えて行く厳密な順番が有り、「MMSE下位項目の項目困難度の指標」と名付けているこの指標は、「アルツハイマー型認知症」であるか否かの判定に際して、極めて重要で、且つ、客観的な指標としての役割を担ってくれるのです。その厳密な順番とは、『想起、注意と計算、三段階口頭命令、時の見当識、所の見当識、図形の模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名』と言う項目の順番に極めて厳密に衰えて行くのです(出来なくなっていくのです)。更に下位項目の一つである「時の見当識」について示すと、日、年、月、季節、昼夜の順番に、厳格にこの順番に出来なくなっていく(機能が衰えて行く)のです。「MMSE下位項目の項目困難度」と命名するこのデータは、14689例もの「アルツハイマー型認知症」を発病していると判定されたお年寄り達の脳機能データであり、然も、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の段階の全てを含んだデータでもあるのです。厳格な事実として存在するこの特徴を、「アミロイドベータ説」を主張する人達は、どのように説明することが出来るのでしょうか。

『アミロイドベータが蓄積して老人斑が生成され、その「老人斑」の持つ毒性が情報を連絡する役割を担っている「神経細胞」の大量の細胞死を惹き起こさせるに際して、対象となる特定の脳の機能(様々な機能部位が相互に連絡され、統括されながら複雑に構築されている所定の機能を発揮する機能部位の合目的的ともいうべき働きの発揮により構築され、創出される機能)を正確にピンポイントで直撃し、私たちが集積し解析して確認している上述の機能の順に(言い換えると、より高度で複雑な機能から/順次、其れより機能が低いものへと言う順番に/極めて厳格に)、その働きを奪っていくことが有り得る』等と、憶測に基づいた強弁を張るのでしょうか。

 

&6 警鐘(東日本大震災の被災地での高齢者の発病の早急な実態調査の実施を)

マウス等の動物実験によるメカニズムの解明や、臨床経験は、人の疾患原因についての仮説の構築に役立つものであり、重要な手法であることを否定するつもりは有りませんが、それ自体は、人の疾患原因の直接的な証拠となるものではないことを軽視すべきではないと考えるのです。「アルツハイマー型認知症」は、私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行しようとする世界で、社会生活面や家庭生活面やセルフケアの面で重大な支障が起きてくる病気だからです。その意識的な世界を構築し統括し支配しコントロールしているのが「前頭葉」という脳機能であり、「前頭葉」の機能障害を基底(核心)として「アルツハイマー型認知症」の様々な症状が発現してくるものなのです。私達のような小さな研究機関でさえ、「二段階方式」という神経心理機能テストの開発と活用により、14689例に上る精緻な「脳機能データ」の集積とその解析、更には、450を超える市町村で実施してきた住民参加型の「地域予防活動」の展開という方法により疫学的に実証してきてもいるのです

私達には権威もないし、発信力にも乏しいのですが、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する生活習慣病、脳の使い方としての「生活習慣」に基づいて「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことに直接起因して、且つ、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを反映した「認知症の症状」が発現してくるものであり、建白書中の&7で詳述したように、「前頭葉」を含む脳全体の機能が活性化する「生活習慣」の構築とその実践により「アルツハイマー型認知症」の発病自体を予防することが出来る事並びに「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」の改善の工夫とその実践)という方法により「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常な機能レベルに回復させることが出来る(「アルツハイマ-型認知症」の症状を治すことが出来る)こと、加えて「脳のリハビリ」による回復の可能性の有無及びその程度により、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の「三段階」の症状に区分される』と主張しているのです。更には、北海道から九州までの広域に亘る452の市町村で、私たちが独自に開発した精緻な神経心理機能テストである「二段階方式」の手技を活用した活動として並びに「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の展開により、私達の上記の考え方及びその主張内容が正しいことを実証してきてもいるのです。

1) 私たちが電話での状況の聞き取りを行った結果によると、東日本大震災の被災地の市町村では、道路や港湾などのインフラや建物や住居といった、ハードの復興に人的な資源も取り込まれてしまっている状況に在り、役場の人手自体が不足している状況に在るのです。そのため、被災以前には、「二段階方式」を導入して「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復と発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」を展開していた市町村のほぼ全数が、『有償の期間が満了したことにより、使用料は、無償』の時期に在りながらも、活動が休止された状態に在るのです。私たちに十分な発信力(権威)が有りさえすれば、震災後に保健師さんの人手とボランティアの人手の両者が足りない状況に在ろうとも、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状が重症化していく状況に対し、手をこまねいて傍観するような状況は生まれてこなかったはずと考えるのです。『権威ある機関が闇夜に鉄砲を打つかのような研究方法と憶測だらけで人間の意識構造に無関心でマウスばかりを追い掛け回した結果としての的外れの内容の仮説を流し続けている』ことにも重大な悪影響を受けているのです。

その中の何人かの保健師さんからの情報によれば、大震災の被災後「大ボケ」の段階の症状が確認されるお年寄り達(末期の段階であり、「脳のリハビリ」により認知症の症状を治すことが最早困難なレベルにあるお年寄り達)の数が大幅に増えてきていて、大ボケの段階に在るお年寄りへの対応だけで手いっぱいの状況にあるという現実の状況下では、早期診断による回復にも/更には、発病自体の予防を目的とした活動である予防教室の運営にも手が回らないとのことなのです。「大ボケ」の段階の症状が確認されるお年寄り達の数が大幅に増えてきているということは、裏返して言うと、重度の記憶障害の症状を判断の目安としつつ、末期の段階の症状の確認を「アルツハイマー型認知症」の発病と診断する医療現場の医師からは見落とされたままで居る本当の意味での早期の段階のお年寄り(「脳のリハビリ」により症状を改善させ/症状を治すことが可能である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のお年寄り)の為の「脳のリハビリ」の指導にも、発病自体を予防する上での効果が確認されている住民参加型の「地域予防活動」としての予防教室の運営にも手が回らない状態で居て、放置されたままになっているということなのです。

2)新聞報道によると、東日本大震災の被災者の大多数は、今なお、経済的に極めて苦しい状況に置かれているようなのです。そうした状況下にありながら、その上に、末期の段階であり、「脳のリハビリ」により回復させることが最早困難となっている脳機能レベルに在って、「大ボケ」の段階の症状が発現してきている「お年寄り」の介護の負担(家族による介護)まで背負わせてもいるのです。今こそ、何事にも最優先の課題として、東日本大震災の被災地の市町村でこそ、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」を出来るだけ小さな地区単位で、且つ(交流の駅舎を建設し、常設して、「予防教室」の開催頻度を増やして)、出来るだけ密に活動を展開すべきだと考えるのです。

まず最初に実施すべきは、実態調査なのです。東日本大震災の被災地で『「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」を対象として(私たちが定義する「アルツハイマー型認知症」発病の第一の要件)、「二段階方式」の手技を活用して、且つ、当該市町村の保健師さんの協力を得て、「アルツハイマー型認知症」の発病の有無及び症状の区分(私たちの区分で言う「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の三段階の区分)を判定するとともに、早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階にあると判定されたお年寄りに対しては、「小ボケ」の段階にあるお年寄り(「かなひろいテスト」が不合格で、且つ、MMSEテストの総得点が24点以上)、「中ボケ」の前半の段階にあるお年寄り(「かなひろいテスト」が不合格で、且つ、MMSEテストの総得点が23点以下20点以上)及び「中ボケ」の後半の段階にあるお年寄り(「かなひろいテスト」が不合格で、且つ、MMSEテストの総得点が19点以下15点以上)の区分毎に、それぞれの段階に合ったレベル及び内容の「脳のリハビリ」を実施すべきなのです。

3)その活動により、一つには、東日本大震災の被災地で第二の人生を送っている60歳を超える年齢の高齢者たちの間で起きてきている現象、他のどの地域の同じ高齢者達と比較した場合に、異次元と言える程の割合で「アルツハイマー型認知症」を発病していることを確認し並びに更なる問題提起として、もう一つの問題の提起、それらのお年寄りに対する「脳のリハビリ」の実践指導(「前頭葉」の活性化を核心とした脳全体の活性化、脳の使い方としての「生活習慣」の改善及び工夫とその実践)により、それらのお年寄りの「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常な機能レベルに引き戻して見せる(「アルツハイマー型認知症」の症状を治して見せる)ことにより、世界中の認知症の専門家達から原因不明で治らないものとされてきた「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、早期診断(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の判定)及び「脳のリハビリ」の実践により治すことが出来ることを実証してみせるのです。加えて、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」を出来るだけ小さな地区単位で、且つ、出来るだけ密な活動の展開を指導していくことにより、発病自体を予防することも出来ることを疫学的に実証してみせるのです

4)その成果についての情報を我が国の他の市町村に対して発信し、更には、超高齢化社会を迎えて「アルツハイマー型認知症」の発病者の増大が大きな社会問題となっている諸外国に対しても情報発信し、広報することにより、ハード面での復興をアピールするだけでなくて、『「アルツハイマー型認知症」の本態が老化廃用型の「生活習慣病」、脳の使い方としての「生活習慣」に起因した廃用症候群に属する「生活習慣病」であることを疫学的に解明し、実証してみせた、更には、発病自体の予防と早期診断による回復とが脳の使い方としての「生活習慣」の改善と工夫により可能であることを疫学的に実証してみせた広域に亘る地域として、加えて、世界的にも稀な規模の大震災を被災し驚異的な復興を成し遂げた地域として、被災地のお年寄り達だけでなくて、老若男女の全てにとっても、生活面だけでなく心の面からの復興に大きな貢献をしてくれることになると考えるのです。同時に、そうした情報の発信が、世界中から賞賛を獲得することにもなると考えるのです。

5)世界中の認知症の専門家達(学者、研究者、医師達)から、『発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病を予防することも出来ない』タイプの認知症として放置されたままで居る結果、我が国や米国などの超高齢化社会に突入した先進国に特有な社会現象として、発病者数自体も天文学的な規模に増えてきている(末期の段階である「大ボケ」の症状が発現してきているお年寄りの人数で言うと、我が国で500万人超、米国で1000万人超)超大型の認知症である「アルツハイマー型認知症」が、『老化廃用型の「生活習慣病」、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であり、早期の段階で見つけて「脳のリハビリ」を実施することにより治すことが出来るものであるし、「前頭葉」を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の構築と実践により発病自体を予防することが出来るものである』ことを東日本大震災の被災地で疫学的に実証してみせ(できれば、30の市町村を対象とする)、我が国だけでなくて世界に向けて発信する事の意義は極めて大きなものとなると確信するのです。我が国の全ての市町村で、その隅々にまで、発信された情報が浸透することにより、これまで『発病を予防することも治すことも出来ないタイプの認知症である』という重大な誤った内容でありながら、権威が有る人達や機関から情報発信されることにより、発病及び症状の重症化の進行が放置されてきた「アルツハイマー型認知症」に対する考えを根本的に大変革させることとなるのです。「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」が急速に全国の市町村に浸透していくことになる、その起爆剤となることが期待できるのです。

6)東日本大震災の被災地では、今日も新たな発病者が多数出現してきていて、「小ボケ」の段階から「中ボケ」の段階へ、「中ボケ」の段階から「大ボケ」の段階へと症状の重症化が進行しているのです。『待ったなし!』の状況に在るのです。再度問いかけたいのです。『いいのですか? このままにしておいて!』。

注)本著作物「Bー95」に記載され表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

  エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)

  脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)


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