認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症の早期診断(判定)と「二段階方式」(A-40)

2012-05-17 | アルツハイマー型認知症の早期診断

私達の「二段階方式」の手技においては、「アルツハイマー型認知症」を三つの側面から診断(判定)及び評価します。やるべき内容とその手順がパターン化されているのが特徴です。従って、資格も特別の能力も必要とされません。必要で大切なのは、予防活動に対する「意欲」と人に対する「親和性」なのです。「アルツハイマー型認知症」の症状は、個人ごとに発現する程度と態様が異なります。そうした症状は脳の機能レベルとリンクさせ三段階に分類された「30項目問診表」によりパターン化されているので、「マニュアル」と「使用の手引き」の手順どおりに手技を実施することで、診断(判定)と評価については、あらゆるケースを画一的に処理することが出来る(それでいて、内容はとても深い)のです。なお、このブログで診断(判定)という用語を使っているのは、診断は医師が(判定)は医師の資格を持たない人がこの手技を使うことを想定したものです。

       

○  二種類の神経心理機能テストによる「脳機能テスト」の実施と判定(以下、「A」)

○  30項目問診票による生活実態の確認と「生活自立度」の判定(以下、「B」)

○ 「キッカケ」の確認とキッカケ後の過去数年間における脳の使い方という視点からの「生活歴」の聴き取り(以下、「C」)

という3つの面を相互にリンクさせて、総合的に判定し鑑別することが、他に例のないこの手技の特徴です。

「A」の脳機能レベルと「B」の生活自立度とが一致して、更にそれを裏付け説明できる単調な生活の継続「C」という生活歴の確認ができた場合にのみ、「アルツハイマー型認知症」と診断(判定)することになります。(「A」の脳機能レベルの判定に際しては、同時に、脳機能が衰えていく場合のパターンとその項目の組み合わせという「規則性」の確認の作業が行われることは言うまでもありません。)そして、「アルツハイマー型認知症」であると診断(判定)された場合にのみ、個別の「生活改善」指導の対象となります。

「アルツハイマー型認知症」は、廃用性の機能低下により脳機能が加速度的に衰えていくことが原因で発病する「生活習慣病」なので、早期の段階であれば脳を活性化させる「生活改善」により正常レベルに回復させることが出来るからです。なお、認知症を疑われる症状を示す被検査者のうち、「アルツハイマー型認知症」と診断(判定)されるケースの割合は、症例が集積され多数になるにつれて90%を超えることになります。

          

「二段階方式」の手技を活用して「アルツハイマー型認知症」を他の種類の認知症と鑑別し、或いは認知症と紛らわしい病気と鑑別するということは、多数の症例により集積された「脳機能データ」の分析に基づいて手技がパターン化されている「A」、「B」、「C」のおのおのの意味するところが、相互に一致するかどうかを確認していく作業を実施していくことといえます。その結果、「アルツハイマー型認知症」である場合には、必ずA=B=Cが成立することになるのです。

「二段階方式」の手技により「アルツハイマー型認知症」であることが確認されたケースでは、「軽度認知症」(小ボケ)及び「中等度認知症」(中ボケ)と診断(判定)された場合は、正常レベルへの脳機能の回復を目的とした個別の「生活改善」指導が実施されます。「重度認知症」(大ボケ)と診断(判定)された場合は、症状の進行を抑えることを目的とした個別の「生活改善」指導が実施されます。

       

脳の働き具合(脳の機能レベル「A」)のアウトプットが症状(三段階に分類される症状の程度「B」)として発現してきます。「二段階方式」では、ベースとなるのは脳機能なのです。手技に慣れるにつれて、二種類の神経心理機能テストを実施して脳の機能レベルを計測し判定していく間に、「この脳機能レベルならば、生活実態は~だろう」という予測をたてられるようになります。「アルツハイマー型認知症」の場合には、必ず「A」=「B」が成立します。従って、生活の自立度を確認した時点で、脳の機能レベル(「A」)が生活の自立度(「B」)と一致するかどうかを確認していく作業が必要となるのです。

A=Bが確認されると、減点を構成しているMMSの下位項目が、「アルツハイマー型認知症」の場合の「落ちて行くパターンとその項目」通りであるか否かの確認作業を行います。「否」の場合は、その時点で、被検査者は「アルツハイマー型認知症」ではないことが確定します。

 脳の機能レベルのアウトプットが「生活自立度」として三段階に分類された「症状」に現れる訳なので、「A」が「B」と一致しない場合は何故その状況が起きているのか(防衛的なためか、家族関係の悪さか、或いは他の種類の病気のせいか等)推理を働かせ、確認しておくことが大切になります。背景にある家族関係等の事情も、「生活改善」指導の大切な要素になるからです。A=Bが成立しない、つまりA≠Bとなることが確認されるとその時点で、「アルツハイマー型認知症」ではないことが確定します。

そして最後に、現在の脳機能レベル(「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」)をもたらす原因となっているナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続という事実の存在について、この数年間の「生活歴」の聴き取り(単調な生活の継続「C」)で確認することになるのです。「アルツハイマー型認知症」であれば、必ず、「A」=「B」=「C」が成立します。生活歴の聞き取りの過程で明らかとなった被験者の脳の使い方の特徴及び問題点を考慮に入れて、脳を活性化させるためのより適切な「生活習慣」の改善を指導していくことが大切なのです。

      

(コーヒー・ブレイク) 平成の大合併では、多い場合には二桁の数の市町村が合併して一つの市や町になりました。この合併により、市や町単位での高齢化率は大幅に低下しました。高齢化率が大幅に低下したことで、認知症に対する関心が低下してきています。ところが、合併後の市や町単位での高齢化率は大幅に低下している一方で、地域単位での高齢化率に目を向けると逆に高齢化が進行しているのです。地域単位でみれば、高齢化率が30%を超えるところはざらにあります。手遅れにならないうちに、「地域予防」に関心を向け、活動を再開し或いは活動を開始して欲しいと願うのです。

 注)本著作物(このブログA-40に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

  エイジングライフ研究所のHP(ここをクリックしてください)




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする