kintyre's Diary 新館

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映画『アジャストメント』を観て

2011-06-06 10:41:03 | アメリカ映画 2011

11-39.アジャストメント
■原題:The Adjustment Bureau
■製作年・国:2011
年、アメリカ
■上映時間:106分
■鑑賞日:6月4日、TOHOシネマズ・六本木ヒルズ(六本木)
■料金:1,800円


□監督・脚本・製作:ジョージ・ノルフィ
□原作:フィリップ・K・ディック
□撮影監督:ジョン・トール
□編集:ジェイ・ラビノウィッツ
□音楽:トーマス・ニューマン
◆マット・デイモン(デヴィッド・ノリス)
◆エミリー・ブラント
(エリース・セラス)
◆アンソニー・マッキー(ハリー)
◆ジョン・スラッテリー(リチャードソン)

◆マイケル・ケリー(チャーリー・トレイナー)
◆テレンス・スタンプ(トンプソン)
【この映画について】
『ブレードランナー』『トータル・リコール』『マイノリティ・リポート』『ペイ・チェック消された記憶』などの原作者フィリップ・K・ディックの短編小説を、『ボーン』シリーズのマット・デイモン主演で映画化したサスペンスアクション。
第三者によって運命を支配された現実を舞台に、巨大な陰謀に立ち向かう男の奮闘を描く。監督は『ボーン・アルティメイタム』などの脚本家ジョージ・ノルフィ。主人公と愛し合うヒロインを『プラダを着た悪魔』のエミリー・ブラントが演じる。独創的かつ衝撃的な設定と予測が困難な展開に注目だ。(この項、シネマトゥデイより一部転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
ブルックリンのスラム街で育ったデヴィッド・ノリスは幼いころに家族全員を亡くした経歴と型破りなキャラで人気を博していたが、そのキャラに注目していたマスコミに、ある日、不注意からスキャンダルを起こしてしまいライバルに逆転され上院議員選挙に敗れた。

敗戦会見のスピーチの準備をトイレでしていた彼は、何故か男子トイレに潜んでいた見知らぬ女性エリースと出会い、たちまち意気投合する。従来の自分のイメージを覆す会見で無事に切り抜けたデヴィッドは、選挙参謀でもあったチャーリーから全米一のベンチャー企業に役員として迎えられ、次回上院選の有力候補として再浮上する。

だが、そんな彼の行動を逐一モニターする謎の集団があった。社会の裏で超人的な能力を駆使して、人間の運命を操作する運命調整局のエージェントたちだった。その1人、ハリーは、出勤するデヴィッドがバスを乗り過ごすように操作を試みるが、目を離したすきから失敗。バスに乗り込んだデヴィッドは車内で偶然にもエリースと再会し、彼女の携帯番号が書かれたメモを手に入れる。

出社したデヴィッドは、調整局から派遣された干渉班が社員の意識改変を実施する現場に遭遇し、捕えられてしまう。エリースとは2度と会わないようデヴィッドに忠告したエージェントたちは、携帯番号のメモを燃やす。さらに、調整局の背後にはすべての運命を司る“チェアマン”の存在が……。
それから3年。デヴィッドはエリースとの再会を願って、毎日出会った時と同じ時間の同じバスに乗っていたが、偶然の再会を果たした。エリースはシーダーレイク舞踊団のバレーダンサーだったのをデヴィッドは初めて知り、エリースのリハーサルを観にいく約束を交わすが、再会を知ったエージェントは2人を引き離そうと様々な策を講じる調整局。繰り返し再会する彼らに疑問を持ったリチャードソンは、2人を調査。
過去に2度も結ばれる運命にあった2人が、その運命に引きずられて互いに呼び合っていたことが明らかになる。一方、デヴィッドの元には調整局が派遣した“ハンマー”の異名を持つトンプソンが現れ、彼が政治家になった理由は真のリーダーとして人類を統率させるためだったと説明。さらに、これ以上エリースと接触すると、彼女のダンサーとしての夢も消えると告げる。選択を迫られたデヴィッド。果たして彼はどのような決断を下すのか……?
 

この二人の運命を左右する「調整局」のエージェントですが、劇中では歴史の彼方から存続しているそうなのですが、一体その謎の存在は何の為に存続しているかが鍵なのですが、調整局には地球上の重要人物になるだろう一人の人間の運命を「正しい方向に導く」のが仕事らしいのは台詞の中で語られ、過去に過ちがあって人類が存亡の危機に陥ったそうなので、将来のアメリカ大統領であるデヴィッドの運命にエージェントからすれば「邪魔な存在」であるエリースをデヴィッドから引き離すのが仕事となった。
エージェントの書いたシナリオ通りに進む上で、彼が彼女に恋愛感情を持ったのは「想定外」であり、タクシーを止めなかったり携帯電話を圏外にして邪魔するなどあらゆる手段を用い、遂には、エリースに別の男性が求婚すると言う設定にまで及んだが、惹かれあう二人の心を操ることは最後まで出来なかった。
エージェントの謎のトップである「チェアマン」によって人類を統率させる為の地位(アメリカ大統領)へ導かれる筈だったデヴィッド、しかし、彼をNYの高層ビルの屋上にまで追いかけ運命に従うように強制したが、二人の意思は変わらずチェアマンも諦めるしか無かったと言うのがオチでした。

調整局なる謎の組織が遥か歴史の彼方から続いているとの設定は「ダヴィンチ・コード」を感じさせ、運命を左右する存在というのが「運命のボタン」のようでもありました。
しかし調整局のエージェント達には街中の扉を使って自由にあらゆる場所を行き来できると言う能力を与えられているけど、所々、チョンボもあってデヴィッドの運命を自由に操るのに苦労します。この辺はマット・デイモンとエミリー・ブラントが調整局から逃がれるというストーリーと合致するのですが、エミリー・ブラント演じるエリースの職業がバレーダンサーなのだがこれ自体には余り大きな意味は無い。
ストーリー的にはデヴィッドがそんなに大きな器なのかに疑問を感じるのですが、それはマット・デイモンのキャラが上手く作用していたと私は思う。これがジョージ・クルーニーやブラピやトム・クルーズだとどうだったか? 

一人の人間の将来を謎の組織が追いかけるものの、男女の恋愛感情は何者の干渉があっても自由に操ることは出来なかったというのがテーマ。その後、調整局は第二のデヴィッドを捜すのかな?それとも、そんな人物が現れるまで活動は闇に葬られるのか?でも、あの本部ビルの中の様子では、組織が扱っている人物の数はかなりの数がありそうで...。


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