先日、NHKで「魔性の難問~リーマン予想・天才たちの闘い~」という番組がやっていた。
”魔性の難問”とは、サブタイトルにあるリーマン予想と呼ばれるものだ。
今からちょうど150年前、ドイツの数学者、ベルンハルト・リーマンが提唱し、それを証明するコトは人類史上、最大の数学の難問といわれ、今までに数々の数学者たちが挑んでは敗れ去っていった。
それは、”天才”と呼ばれる数学者の精神さえ打ち砕くもので、アカデミー賞を受賞した「ビュ-ティフル・マインド」という映画のモデルにもなったジョン・ナッシュ博士においては、このリーマン予想の証明に挑むコトで、統合失調症という精神の病に犯され、その後30年以上もこの病のために苦しんだほどだという・・。
さて、そのリーマン予想とは「素数」に関するナゾを解き明かすカギを握っているといわれている。
素数とは、1と自分自身でしか割り切れない2、3、5、7、11・・という数字で、「数の原子」ともいわれている。
一見、きまぐれで不規則にならぶ素数の背後にある法則性、その”ならびのイミ”を見出そうとするのがリーマン予想で、これが証明できれば、宇宙を支配する物理法則をも解き明かせるのではないか?・・と、今、注目されているのだそうだ。
このランダムに現れる素数が、宇宙の究極の美ともいえる「円」をあらわす円周率πと関連するというのをはじめに見出したのは、リーマンより100年前の数学者、レオンホルト・オイラーである。
そして、問題のリーマン予想とは、
「ゼータ関数の非自明なゼロ点は、すべて一直線上にあるはずである」
・・というものだ。
・・・・。
ゼータ・・?
ガンダム・・?
―まったく何のコトやらであるが、数式を書いても、さらによくわからないので省略する。
とにかく、このリーマン予想における「ゼータ関数」の数式が、オイラーが円周率との関連を見出した数式とそっくりなのであるが、このゼータ関数をグラフに表し、グラフの高さがゼロになる「ゼロ点」がどこに現れるのかをリーマンは調べようとした。
無秩序でバラバラな数列にしか見えない素数であるから、当然、ゼロ点もバラバラに現れると予想された。
しかし、実際にリーマンがまず4つ、ゼロ点の位置を求めたトコロ、すべて一直線上に現れたのである!!
これは、あきらかに素数のならびに何らかの法則性、秩序があるコトをイミするのではないか?・・と考えたリーマンが立てた予想が、「すべてのゼロ点は一直線上にあるのではないか?」
・・というコトなのである。
これを証明しようとすれば、直線上以外にゼロ点が存在する可能性を完全につぶしてしまわなければならない。
この難問に数多くの数学者たちが挑み、人生を狂わせ、精神を崩壊させ、いつしか、リーマン予想を証明しようとする挑戦は”神の領域”に踏み込む試みとされ、神の怒りにふれるとタブー視されるようになり、数学界から忘れ去られていったかに見えた。
しかし、再びこのリーマン予想が注目を集めるコトになる1つの出会いがあった!
つづきはまた・・。