「じょうたん」とゆー言葉を聞いたコトがあるだろうか?
最近TVのバラエティなどでよく見かける「ギザカワユス」とかゆーあれではない。
「じょうたん」―漢字で書くと「情短」で、正式名称「情緒障害児短期治療施設」の略で、児童福祉施設の一種である。
虐待や育児放棄の疑いがある場合、児童相談所がその家庭の調査を行なう。
そして、そのまま放っておくと子どもに危険が及ぶ可能性が高く、家族を分離するのが望ましい・・となった場合、子どもは主に次の4つの場所のいずれかで暮らすことになる。
「里親」、「児童養護施設」、「児童自立支援施設」、そして、とりわけ心に深い傷を負った子どもたちが暮らすのが「情緒障害児短期治療施設」、すなわち「情短」なのだ。
情短は原則として18歳まで入所でき、児童精神科医や心理セラピストといった医療の専門スタッフと、子どもたちの生活全般を支える児童指導員がチームを組んで心のケアにあたり、子どもたちが社会で安定した生活が送れるよう治療を行なう。
心を閉ざしてしまったり、暴力が抑えられないなど、情緒に重い混乱をきたした子どもたちが、人と普通に関係が結べるようになるコトを目指し、共同生活を送りながら治療を受ける施設で、現在全国に33ヵ所あるという。
入所しているのは、虐待や育児放棄をくりかえす親元から保護された子どもたちがほとんどだ。
実は自分も先日やってたNHKの特集ではじめて知ったものだ。http://diamond.jp/series/tsuiseki/10008/
自閉症、ADHD( Attention Deficit / Hyperactivity Disorder 注意欠陥・多動性障害)、LD(Learning Disorders,Learning Disabilities 学習障害)、不登校という、この4つが特別支援教育における主な対象であるが、情短では定期的に医師の診察やセラピストの面接があり、24時間体制でスタッフが親代わりとなって、真剣に子どもたちと向き合う姿が番組では取り上げられていた。
今や、暴力や育児放棄といった「虐待」によって子どもの命が奪われる痛ましい事件が激増している。
虐待の中味は殴る、蹴る、物を投げる、タバコの火を押しつける・・といったものから食事を与えない、言葉の暴力、性的暴行・・と、実にさまざまなケースがある。
それも、本来自分を守り、保護してくれるはずの、他ならぬ我が親からの虐待によってである。
これぞ、人間不信の極致である。
虐待を受けてきた子どもの中には、自らの自然治癒力では心の傷を乗り越えられないため、治療を必要とするケースが存在する。
ある子どもは夜になると、親が自分をほったらかして夜遊びに出て行った不安な記憶がよみがえり、怖くて眠れずに夜ごと暴れだし、徘徊する。
ある子どもはちょっと手があったったコトに切れて、 相手を殴りつけ、首を絞める。
またある子どもは父の再婚後、継母から虐待を受け、弟が生まれてから「お父さんはあんたのお父さんじゃなくて、弟のお父さん!」と言われたコトが殴られたコトより深い心の傷となり、「反応性愛着障害」と診断された。
その子は自分が必要ない存在と心を閉ざしてしまい、1番情が近いスタッフが他の子と話しているのを見るだけで切れて、暴力をふるってしまう・・。
親からされたコトを、そのまましてしまうのだ。
これは程度の差こそあれ、誰しも同じであろう。
本来、もっとも心安らぐ安全な場であるはずの家庭が、今や命の危険にさらされる戦場と化し、子どもたちを不安と恐怖と暴力へと駆り立てる。
何より”自分”という存在の根拠である親から受ける虐待は、「自分は必要ない存在なんだ」という大きな心の傷となって、自殺やリストカット、あるいは自分という存在を誇示するための殺人へとつながっていく。
秋葉原での無差別殺人事件など、その典型であろう。
国力強化のためには人口増加が不可欠である。
出産の支援や子どもの教育など、国が政策として力を注ぐのはよく分かる。
しかし、今、「家庭の再建」こそ、急務ではなかろうか?
このまま崩壊した家庭を放置すれば、心に傷をもち、まともに人間関係が築けないで育つ子どもたちが増えるコトは間違いない。
そんな日本の未来が明るいはずはない。
そうした中、あろうコトか、ただでさえ崩壊している家庭を、わざわざ、さらに解体する方向に導く「夫婦別姓」導入を議論するなど、愚の骨頂であろう。
それこそ、”冗談”ではない、だ。(いや、マジで・・)