Peace Waveの平和な日々~行く雲、流れる水のように~

気が向いたら、ボチボチ更新しようかと・・。(笑)

古屋の妖怪 ~広島の妖怪⑩~

2011年07月19日 | 広島のオススメ!

昔、備後(広島県)鞆の津(とものつ・鞆の浦)に、金屋嘉平治という酒屋があり、大変、商売繁盛していたが、この家の一室に、広さ三間(約5.5m)四方のぜいたくな造作の部屋があり、そこで怪現象が続いたため、城下の評判になった。

主人の嘉平治は、連日の怪事を面白く思うようになったが、ついに噂は領主の耳にものぼり、侍が実地の検分を行うコトに・・。

 

座敷で侍たちが待っていると、見知らぬ老法師が現れ、見事に茶をたて、ともに現れた立派な武士にすすめるので、その武士は誰かと見てみると、領主に近侍し、その側を離れたコトのない橋本右膳であった!

侍たちは、その姿に驚き、平伏してかしこまったが、ふたたび頭をあげた時、老法師も橋本も煙のごとく消え失せていた・・。

 

いっぱい食わされた・・と帰って、そのコトを領主に報告すると、領主は同時刻、検分の侍たちが見たままの格好で、島倉了閑という法師を招き、茶の湯を行っていたという。

 

ついに領主は、金屋には替地を与えて移転させ、その家を”金屋古屋”と名づけ、人の住まわれない廃家にしたそうだ。

 

―この話に出てくる妖怪が、古屋の妖怪・・とゆーワケだが、狐や狸のように、正体は何だかハッキリしないが、人を化かしたりするだけで、頻発したという怪事も、主人が面白がった・・とゆーくらいで、実に人畜無害で、ほのぼのとしている。

 

まだ死んでいない人が、生き霊とゆーか、分身のように現れる現象、”ドッペルゲンガー”も、これに似たようなものであろうか?

 

正体は見えないが、物音を立てたり、モノを動かしたりする騒霊―いわゆる”ポルターガイスト”みたいな現象も、金屋で起こった怪事にはあったのかもしれない。

 

広島は宮島弥山にも”弥山の拍子木”という、拍子木を打ったような大きな音が聞こえてくる現象が”弥山の七不思議”にあるそうだが、こうした怪音現象はラップ現象と呼ばれる。

(カテゴリー/広島のオススメ!:「弥山山頂」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/b03105a36854fa02d84aeaed1a2a1f7c

 

こうした、似たような現象が、違う名称で呼ばれているという事実も、水木しげる「妖怪千体説」を裏付けるコトになろうか・・?

(カテゴリー/広島のオススメ!:「おいがかり ~広島の妖怪⑧~」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/dfda9b500e27222e2d9aeabaf9a6a831

 

お盆も近づき、”この世”と”あの世”の境界も、そろそろ曖昧になる季節・・。

 

まあ、ちょっとくらい、涼しくなってもらわにゃあね・・。