Peace Waveの平和な日々~行く雲、流れる水のように~

気が向いたら、ボチボチ更新しようかと・・。(笑)

ヒッグス粒子を探せ!

2010年07月05日 | サイエンス

我々が住むこの世界―宇宙を構成する、これ以上分割するコトの出来ない単位、究極の素粒子は何か?

物質を小さく分けていくと、分子原子の集まりであり、原子は中心に原子核があり、そのまわりを電子が回っている。

原子核は電気を帯びている陽子と、電気的に中性な中性子が結合して出来ており、さらに、陽子や中性子は3つのクォークから成る。

現在の素粒子物理の理解では、物質の最も小さな単位は、クォークと電子などのレプトンで、それぞれ重さの違った粒子が6種類ずつある。

 

このクォークは「発見された」とはいえ、クォーク自体を見た者は誰もなく、陽子や中性子の中に永遠に閉じ込められており、その存在の証拠は、あくまでも”間接的”なもの。

ただ、状況証拠が完璧なので、誰もその存在を疑うものはなく、クォークこそ、構造をもたない物質の究極の単位と考えられている。(今のトコロ・・

 

誰も見たコトもない物質で宇宙が出来てる・・とゆーのも不思議な話であるが、最新の科学を知れば知るほど、こうした話が多いのに驚かされる・・。


 

ちなみに、クォークやレプトンの間に働く基本的な力としては4種類の力が知られている。

それは、我々がよく知る「重力」「電磁気力」と、素粒子や原子核の世界で働く強い相互作用と弱い相互作用・・という2つの力で、それぞれ「強い力」「弱い力」と呼ばれている。

「強い力」は、陽子や中性子から原子核を作ったり、クォークを陽子や中性子の中に閉じ込めたりする力で、「弱い力」は中性子が陽子と電子とニュートリノへ崩壊することを引き起こしたりする力。

これらの力に対応して、それぞれの力を媒介するゲージ粒子と呼ばれる素粒子が存在し、「重力」は重力子(グラビトン)によって、「電磁気力」は光子(フォトン)、「強い力」はグルーオン、「弱い力」はW粒子Z粒子と呼ばれる2種類の粒子によって媒介されるという。

 

ビッグバンの高エネルギー状態では、この4つの力は1つの力としてまとまっていたと考えられており、現在の物理学は、「電磁気力」と「弱い力」の関係は明らかになったとされ、そこに、さらに「強い力」までも含めて説明する「大統一理論」の解明に物理学者は挑戦している。

当然、さらにその先には「重力」をも含めた「”超”大統一理論」とも言うべき理論があるはず・・と考えられている。

かのアインシュタインも生涯、その完成を目指しながら、ついぞ果たせなかった夢の理論である。

 

この「大統一理論」の解明の重要なカギとなる・・と考えられているのが、ヒッグス粒子である。

もちろん、まだ理論上、その存在が予想される未発見の粒子であるが、スイス-フランス国境間にあるCERN(ヨーロッパ素粒子研究所)のLHC(ラージ・ハドロン・コライダー)という円周27km(!)にもなる巨大な粒子加速器は、加速した陽子と陽子を衝突させ、このヒッグス粒子を見つける為に建造されたものである。

この巨大加速器を使って、高エネルギー状態における素粒子を研究するコトで、宇宙のはじまりを研究できるとゆーワケだ。

 

―さて、それでは、そのヒッグス粒子とは何か?

 

光子とW粒子、Z粒子は、いずれも理論的には質量が0であるが、実験により、W粒子、Z粒子の質量が非常に大きいコトが分かっている。

この質量とは、物体の加速のされにくさをいい、同じ力を加えた時、加速度が大きいものほど質量が小さく、加速度が小さいものほど質量が大きいとする。

 

この矛盾を解決する為に、イギリスの理論物理学者ヒッグスが1964年に提案したのがヒッグス粒子で、真空が何もない空間ではなく、何か粒子(ヒッグス粒子)が凝縮した状態であるとし、それを「ヒッグス場」という。

温度が下がると水が氷になるのと同じように、宇宙全体のエネルギーが下がるコトで相転移し、ヒッグス粒子が凝縮する。

すると、もともと質量がなかったW粒子、Z粒子は、ヒッグス粒子と衝突する確率が高く(加速しにくく)なり、質量をもつようになった・・と考えられているとゆーワケだ。

 

このヒッグス粒子の質量が、予想されている値より大きい場合、ヒッグス粒子やW粒子、Z粒子に内部構造がある可能性があり、さらに、現在、最も基本的な粒子と考えられているクォークなどに、さらに内部構造がある可能性も否定できなくなる・・。

つまり、今まで最も小さいと思われてきたクォークなどより、さらに小さい未知の粒子が、大量に発見されるかもしれないのだ!

 

現在、実験結果からヒッグス粒子の質量は、陽子の110~200倍だと考えられているそう。

理論的には、質量0から陽子の1000倍までの可能性があり、その中では比較的”軽い”ヒッグス粒子だといえるそうだが、さて、どーなるコトやら・・。