Peace Waveの平和な日々~行く雲、流れる水のように~

気が向いたら、ボチボチ更新しようかと・・。(笑)

紅の豚

2010年07月03日 | 映画・ドラマ

この夏、またジブリの新作が公開されるとゆーコトで、今月の金曜ロードショーは4週連続ジブリアニメ特集だそう。

昨日の1発目は1992年の作品、「紅の豚」

自分も大好きな映画だ。

 

第一次世界大戦後、大恐慌の波がヨーロッパにも波及しようとする混乱の只中にあった当時のイタリア、アドリア海を舞台に、空賊相手に賞金稼ぎで生きる魔法?でブタになった飛行艇乗り、マルコ・パゴットが主人公の物語。

マルコの通称、ポルコ・ロッソ(Porco Rosso)が、イタリア語で「紅い豚」のイミ。

彼の愛機である飛行艇、サボイアS21が真っ赤に塗られているコトから、その名で呼ばれている。

元イタリア空軍のエース・パイロット。

 

やはり、エースに赤はよく似合う・・。

 

時の政権下の秘密警察に狙われている、一見、ニヒルでクールなアウトローだが、死んだ戦友をいつまでも大事に思う人間味溢れる一面もある、”シブい”大人の男(豚)である。

 

この作品の時代背景はムッソリーニファシスト党の独裁政権下の世相が反映されており作品タイトルの「紅」に、共産主義を象徴する「赤」のニュアンスが含まれているという。

豚の主人公は、思想的には、ちょっと左よりな宮崎駿監督の姿そのものであり、「俺は1人でも”赤”でやっていくぜ」・・とゆーイミ合いがあるのだとか・・。

 

ただし、作品そのものには、そんな左よりな匂いはない・・。

 

トレンチコートに帽子とゆーマルコの格好が「カサブランカ」ボギーを思わせるが、実際には監督がファンだった「刑事コジャック」からだとか・・。

そのテオ・コジャック警部補を演じたテリー・サラバスの吹き替えをした森山周一郎は、そのままポルコ役に抜擢された。

「飛ばねぇブタはただのブタだ」は名セリフ!

 

飛行機好きで、幼い頃から空を飛ぶコトに憧れていた宮崎が、自らの趣味を反映し、自分の夢として描いた作品で、珍しく同世代の中年オヤジに向けた作品となっている。 

子供向けにアニメ作品を作り続けてきた宮崎は、「道楽でくだらない物を作ってしまった」・・と、当初は悩んだというが、実にいい映画で、本当に自分が楽しんで創った作品は、やっぱり、いーものなんだなあ・・と思わず納得してしまう。

 

見てくれはカッコ悪い豚が、実にカッコイイ男の生き様を見せてくれ、作品のコピーどおり、 

「カッコイイとは、こういうことさ。」 

・・と思わせてくれる。

 

公開当時はまだ自分も学生だったが、この歳になってあらためて見ると、感慨もひとしおである・・。 

見終わった後に、さわやかな気持ちにしてくれる映画である。