観るも八卦のバトルロイヤル

映画・ドラマを独断と偏見(?)で、
斬って斬って斬りまくる。
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「歌姫」。思いもかけず土佐弁堪能

2008年01月11日 | 映画・ドラマ
 このところ立て続けに脇腹にくるドラマ・映画(はずれが無いという意味)の中で、こちらも「かなりきた」。
 ジャケットは、なんだか恋愛ものみたいで、今イチ。第一話冒頭は、小泉旭 (長瀬智也) は「昭和の歌姫」 と呼ばれた大歌手であり、母親でもある 小泉さくら (ジュディ・オング) の言いつけで東京から土佐清水に赴く。そして、さくらの父がこよなく愛したという映画「歌姫」を鑑賞するため旭は閉館前の最後の上映だというオリオン座の座席に身を沈めた。
 と。ここまでは今イチ。
 だが、この後、時代は変わって昭和30年代の土佐の田舎町・土佐清水。
 土佐の海岸で倒れていたところを映画館・オリオン座の主人・岸田勝男 (高田純次)に助けられ、九死に一生を得たが、記憶を失い、流れ着いた土佐清水で暮らす喧嘩っ早いお調子者の四万十太郎 (長瀬智也=二役)と 、勝男 とその妻・浜子 (風吹ジュン)、娘・鈴 (相武紗季) との共に暮らし、と彼らを取り巻く土佐清水の人々との交流を描き、そして終盤は「歌姫」と四万十太郎 の謎に迫るってお話。
 全編、土佐弁。その迫力ったらありゃしない。いいよね! やくざ言葉にゃ、これ以上の迫力はなし! 誰もが坂本龍馬に見えちゃうから不思議ったらありゃしない。けっして、武市半平太には見えないんだけど。
 しかし、永瀬は、ちょっとバカだけど、男気あるやくざみたいな役似合うよね! 噺家やくざの時や、株で大儲けする時と同じ人だったけど、そんなのどうでもいい。とにかくはまる。
 だが今回はそれだけでは終わらなかった。記憶が戻った後の顔つき(標準語で話す時)と、土佐弁の時の顔つきが違うのだ。全くの別人。小泉旭の時もしかり。いい役者になったもんだ。
 土佐清水を後にする、バスに乗り込んだシーンなんか、とてもジャニーズの人とは思えない役者顔。絶対に二代目暴れん坊将軍だよな。と悦に入る。
 ヒロインの相武紗季って子、初めて見たけど、この子が「CMの女王」って言われてる子? 永瀬と今噂の? 知らないけど、可愛いし、演技力もあるし、いいんじゃない。
 こういうタイプって、一昔前は「癒し系」と読んでたけど、今はどうなのだろう? 会社や学校で隣に座っていても不自然でないタイプ=癒し系と私は判断するのだが。
 古くは山口智子、優香、井川遥、本上まなみなどがそう言われてたけど、こんなOLどこにでも居そうだもんね。反対に、化粧した浜崎亜由美(スッピンは判別不可能)とか、矢田亜希子なんか、一般社会には「絶対にいねー」美人さん。
 しかして、このドラマの真の立役者は、クロワッサンの松こと佐藤隆太と言っても過言ではないだろう。いい味してるキャラだった。これまでもいろんな役に取り組んできた佐藤隆太だったが、しばらくは、このキャラで食っていこうよ。かっなり私のツボにはまったな。
 「悪いやつじゃないけど頭が悪い」って劇中、美和子(小池栄子)に言われちゃってるけど、まさにその通り。
 そして、こんな役でもやるのかとびっくりもしたが、かわい子ちゃん女優からの脱皮の一端なのか? 斉藤由貴。鯖子なんてゆう、おばば役に挑戦している。ばばあの割にはこぎれいで、いけてるじゃんと思って見てたら、斉藤由貴だもん。そりゃあ、いけてるよ。
 斉藤由貴よ、若かりし頃の、樹木希林を狙えるか!
 高田純次、風吹ジュンは言うことなしの中年夫婦ぶり。
 それにしても、昭和30年代と、土佐清水という最強のバックグラウンドがタッグを組んだだけあって、観ているだけで、懐かしさがこみ上げてくるような、ずしんとくるドラマだった。
 最終話の悲しさを盛り上げるための、現代に背景を移してからのシーンも、できすぎ感やら、絶対こうなるといった核心を持ちながらも、自然と感情移入できるから不思議。
 それが、いい作品というものなのか。


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