観るも八卦のバトルロイヤル

映画・ドラマを独断と偏見(?)で、
斬って斬って斬りまくる。
※無断転載は一切禁止。

こうなったらば「忠臣蔵1/47」

2007年05月30日 | 映画・ドラマ
 いくら浅野内匠頭が癇癪持ちで、自ら裃の袴踏んづけてこけちゃって、側に居合わせた吉良上野介に八つ当たりしたというパロディや、「仇討ちったって、どうせ、年寄りの寝込みを襲うんでしょ」なんてドラマができたって。「やるよ、やればいいんでしょ、仇討ち」と大石内蔵助がヤケクソになったって。「忠臣蔵」は永遠に日本人の心を掴んで止まないテーマ。
 木村拓哉演じる堀部(中山)安兵衛が主演。仇討ち姿を見込まれて堀部弥兵衛(杉浦直樹)に見込まれ、娘・ホリ(深津絵里)の婿養子になるところから始まる。
 大石内蔵助(佐藤浩市)、浅野内匠頭(堤真一)、その妻・瑤泉院=あぐり( 松たか子)、大石りく(小林聡美)、大石主税(岡田准一)らが出演。
 ラストは見事本懐を遂げた47士の切腹シーンだが、この時の介錯人役。テロップに名前も出ないちょい役で顔も映らなかったけど、なんと、渡辺謙だったそう。「俺やろうか」と自らの出演でもあるらしい。
 本来見せ場の討ち入りのシーンよりも、瑤泉院に別れの挨拶に行った内蔵助が雪の降る中、傘をさして、瑤泉院を振り返る。このシーンが目に焼き付いて離れないのは、佐藤浩市の上手さかな。確か、同じようなシーンをほかの映画でも観たような気がするが、なんだったか…。
 で堀部安兵衛はどうだったのか? 女房前にタクアン食べてたっけ、確か。時代は変わっても、検事やらパイロットやら、アイスホッケー選手やらと同じ人だった。

 

踊るミックスの「座頭市」

2007年05月30日 | 映画・ドラマ
 勝新太郎主演で知られる名作時代劇も北野武が挑んだらこうなった。
 北野武が演じる盲目のマッサージ師(差別用語だかなんだか、色々面倒くせえ)、座頭市。江戸時代なのになぜだか金髪。しかも仕込み杖は朱塗り。おしゃれなんだか、歌舞伎ものなんだか、金色だ朱色だといったって目が見えないじゃん。あんた。ってなところから始まった北野「座頭市」。
 凄腕の人斬り服部源之助(浅野忠信)とおしの(夏川結衣)夫婦や、遊び人の新吉(ガダルカナルタカ)、そして美しい旅芸人姉妹(妹はは実は弟。ブラウン管を通せば最初から分かってることだけど、なぜか江戸時代の人は分からないらしい)などと市が出会い絡んでいく。
 勝新「座頭市」を知ってる世代には、「なんともまあ、市っあんもさばけたねー」ってなもんだ。薄暗い画面で瞼ぴくぴくさせながら仕込み杖を抜く、まるっこいおじさんだった市っつあんが、突然青い瞳をカッと見開き、「開いたって見えねえんだけどね」と洒落る。
 そうか、市っつあんはミックスだったんだー。
 ラストは総出演者(ビートたけし,子母沢寛,北野武,浅野忠信,夏川結衣,大楠道代 など)が一同に集ってのタップダンス。下駄を紐で括り浸けてのタップはお見事だけど、今度の市っつあん「踊りたかっただけなの?」。

死神博士登場か?「必殺! 5 黄金の血」

2007年05月30日 | 映画・ドラマ
 出世のために罪のない人々を殺し、金相場をつり上げてぼろ儲けしようとする勘定奉行の横暴ぶりを見かね立ち上がる仕事人たちに、謎の惨殺集団「地獄組」が襲いかかる。この「地獄組」ってのが、コウモリを操った死神博士もどきが首領のわけ分かんない集団。映画だから、大作を意識してコウモリ特撮でもしようか。とか、もう敵も出尽くしたから、違った方面から攻めてみようか。の意図だろうが、コウモリとちょっとした死神博士のお陰で、すっかり「ちゃちぃく」なってしまった感が否めない。
 そういえば、政(村上弘明)は打ち物師だった模様。じゃあ、ほかの回で、真田広之を殺しに行く時、ホオッカムリやどてらみたいな半纏着てたけど、あれと打ち物師がどう関連性があるのかってな疑問が増えた。
 そんな政の恋人役に、ちょっと頭の足りない(?)ような酒井法子。そして「必殺」お決まり、「好いた女子は死ぬ」。そしてまたお決まりの、復讐をする。だが、政もこの回で死亡。これといった見せ場もないまま…。
 実は秀(三田村邦彦)とはタメ(同格)で、友情もあったことが判明。
 さてさて、今回の殺し屋は、お馴染み中村主水(藤田まこと)に先の2人。そして、ゲスト仕事人には名取裕子、光本幸子、大沢樹生。
 大沢樹生の持ち技は、こんなちっぽけなノミみたいなんが、なんで日本刀より強いんだの扇子に隠し剣。学芸会の紙吹雪みたいなんでなんでみんな「わー」とか倒れるんだの扇子で紙吹雪。しかもこの技、関西の仕事人役で片岡孝雄が使ってたものと全く同じ。片岡の弟子って解釈でいいのだろうか。
 光本幸子のお面投げて顔に貼付けちゃうって技も、「それがどうした」ものだが、多分にぎわし的な意味合いだろうから、いいや。
 「やっぱりこうでなくちゃ」は名取裕子。カマイタチのなんとかって名前で櫛をブーメランみたいに使って相手を倒す。衣装から、何から、久し振りにいけてる名取さんを観た感じ。でも、あんだけ人様の血を吸った櫛をそのまま髪にさすのは勇気いるよな。
 で、映画評には、「ラストが話題を呼んだ娯楽時代劇」とあるが、これがよく分からない。ラストは名取裕子が主水に軽くキスしてたけどそれか? それとも、政の死体を花で被い小舟に乗せて海に流してたけどあれ? 主水の家で銭の亡者と化した母上と女房がいぎたなく眠りこけてたけどこれ?
 ということで、今回4作品を鑑賞。
 主水始め、みんなかなりお年を召してきたので(ほかの番組で中条清観る度に、「もう三味線屋は苦しいか」と思っちゃうもんな)、続編は苦しいだろうが、キャスト入れ替えでもいいので、是非ともシリーズを続けてほしい。

青春スポーツドラマでいいでしょう「ピンポン」

2007年05月29日 | 映画・ドラマ
 窪塚洋介が、松本大洋原作の主人公ペコに挑戦。ARATA、中村獅堂、大倉孝ニ、李燦森が出演し、みんなで卓球をするって話し。
 原作なんか知らないから「窪塚の髪型が変だ」とか、中国のチャンピオンの筈なのに、「李燦森が広東語しゃべってる」とか、そんなことばかり考えてたけど、この時、まだ窪塚は光ってた。

アクションはこれに尽きる「必殺4 恨みはらします」

2007年05月29日 | 映画・ドラマ
 「必殺!」シリーズのTV放映開始15周年を記念して製作された劇場版第4作。
 TVシリーズ第1作「必殺仕掛人」の第1話を演出した深作欣二を監督に抜擢し、極彩色のアクションが矢継ぎ早に繰り広げられていく。
 中村主水(藤田まこと)が属する南町奉行所に美しい奉行・奥田右京亮(真田広之)が着任。と同時に貧しい長屋で殺人事件が起き、やがて将軍家をも巻き込む大事件へと発展していく。
 今回は、主水のほかは、秀(三田村邦彦)、政(村上弘明)と二枚目の刺し系殺し屋。立ち回りがいささか物足りないのでは…。といった面は、子連れ殺し屋の千葉真一やら、悪役代官の真田広之がキッチリとカバー。どころか、藤田まことがほかの同シリーズよりも断然冴えているのだ。
 が、秀と政。この2人の中ではやはり秀の方が格上なのだろうか? 衣装やら見せ場など、なぜか「おい、政いいのかこれで?」といった感じだった。そうそう、政が花屋だったとは知らなかった。このシリーズで初めて知った。
 それと、主水さん。ドラマでは恐妻家のふぬけ亭主だけれど、映画版ではそこそこ(こそこそ?)浮気なんぞも楽しんでいる模様。
 
 

この戦争は日本にとっても…「出口のない海」

2007年05月29日 | 映画・ドラマ
 タイトルが示すように「出口のない海」。そうとしか言いようのない「回天特別攻撃隊」の話しである。
 特攻と聞けば、まず思い浮かぶのが、零戦。要するに空の人間爆弾ね。しかし、もっと悲壮感漂うのが、「回天特別攻撃隊」。こちらは称して人間魚雷。
 漆黒の海の中、死ぬために自らを発射させるなんて、堪え難い恐怖感との闘いでもあったろう。
 同じ死ぬなら(突撃するなら)、まだ空を見ながら死にたいと思うのが人情というものだろう。
 この恐怖感をどう伝えるのか? 画面で伝えきれるのか? ということを思い描きながらの鑑賞と相成った。
 敗戦が色濃くなった日本は、最後の秘密兵器 「回天」に戦況挽回の望みをつないでいた。定員1名、脱出装置なしの小型潜水艦。そこに大量の爆薬とともに乗員が乗り込み自ら操縦、敵艦への自爆攻撃を仕掛けるというもの。1945年4月、1隻の潜水艦に極秘任務を帯びた「回天特別攻撃隊」の4人の若者が乗り込んでいた。
 この設定がまた怖い。と言っても実話なのだが、ほかの乗組員とか別格の特攻隊員。彼らだけが、間違いなく死に向かって発進する運命なのだから。
 同じ船に乗り合わせながらの運命の違いを互いにどう受け止めていたのだろう。
 「男たちのYAMATO」のような派手な戦闘シーンもなく、「回天特別攻撃隊」に志願した若者たちの思いを追ったストーリーなので、戦争の怖さよりむしろ家族や友人に対する「情」がもの悲しさを伝える中盤まで。
 終盤はいよいよの特攻作戦。
 3人の若者が小型潜水艦に乗り込むのだが、乗り込むまでと乗り込んでからの発射までのそれぞれの感情をつぶさに表していたように思える。
 「突撃」命令。恐怖を押し殺して、発進レバーを引く。引くまでの恐怖。あるいは、引いても艦の故障で発進できない(何度も何度もレバーを引く)恐怖。
 敵艦発見の度に、小型潜水艦に乗り込む「回天特別攻撃隊」。こんな思いを何ども繰り返すなら、いっそのこと早く終わりにしたいとは思わなかったのだろうか。
 現代だからこそ言えることだが、こんな作戦しかなくなった時点で、闘いには負けている。武士道だか大和魂だか何だか知らないが、どう考えても、「こんな悪あがき」が武士道だとは思えない。負けを認める潔さを持つことも大切なのだ。
 最後の最後で主人公の並木浩二(市川海老蔵)が演習中の事故で小型潜水艦の中で息絶えていたことが明らかになる。
 彼と心を通わせた元整備兵が、中に遺体があることを承知でためらいながら小型潜水艦を開けるシーンには込み上げる物があった。
 もう出演者なんか、どうでもいいやの物語。
 が、惜しむらくは、私の中では「男たちのYAMATO」は超えられなかった。

通夜とはこんなものでしょう「寝ずの番」

2007年05月28日 | 映画・ドラマ
 上方落語の一門で師匠、一番弟子、おかみさんが次々と亡くなり、それぞれのお通夜の席で「寝ずの番」をする弟子や故人ゆかりの人々が、思い出話に花を咲かせる人情物語だ。
 ちょっと危ない爆笑エピソードの連続のなかに垣間見える人間関係や絆が描かれている。
 それほど悲しくもなく、淡々と過ごす時間。実際に、「通夜ってこんなもんかも知れない」といった感が感じられる。
 出演は、中井貴一、木村佳乃、堺正章、笹野高史、岸部一徳、長門裕之、富司純子の面々。コメディではあるが玄人好みの仕上がり。
 しかし、ここまでやったら故人が生き返ったり、故人が天井辺りで自分の通夜を眺めていたり…やっちゃってほしかった。

仕事人美形三人集そろい踏み「必殺!III 裏か表か」

2007年05月28日 | 映画・ドラマ
 江戸に存在する地下金脈を巡って、闇の金融集団と仕事人が対決。中村主水(藤田まこと)のほかに、飾り職人の秀(三田村邦彦)、何屋か忘れたけど政(村上弘明)、組紐屋の竜(京本政樹)が唯一揃い踏みで見応え有り。
 こちらもどす黒い陰謀やら何やらが絡んで、仕事人の登場となるのだが、立ち回りに長い時間を取り、時代劇ファン、必殺ファンにはたまらない構成。
 途中、竜を始め仲間が次々と死んでいくのも初期「必殺」シリーズ、「仕置き人」や「仕掛人」の最終回では当たり前だったが、徐々にコメディタッチになっていき、悲惨な最後は無くなっていただけに新鮮でもあった。
 そして、鮮やかなブルーの裏地の着流し姿の主水さん。大股広げて、滅多斬り。はお馴染みとして、ここでは秀までもが刀を持った。これは珍しい。
 「仕掛人」で梅庵さんが(いつもは針)カミソリで、相手の喉を斬って殺し、実は血が苦手だったってなオチの話しもあったが、秀は、刀でも見事な立ち回りだ。
 ゲストの松坂慶子さんの女っぷりも見物。

秀が着替えた主水死の瞬間「必殺!主水死す」

2007年05月28日 | 映画・ドラマ
 やっとこさ、書くときが回ってきたって感じの「必殺」シリーズ。元々はこれをメインに考案したブログタイトル「必殺が斬る」だったんだよね。
 ということで、観たのが「必殺!主水死す」。
 20年前ってのがいつだかわ分からないが、とにかく主水(藤田まこと)と大道芸のお夢・お千代(名取裕子)が恋仲で子供まで成していたってなことが…。ふーん。
 で、お千代さん、額の傷をかなり気にして、手ぬぐい被ったりしてるけど、「ぜーんぜん、大した事無いじゃん。全く屁みたいなもんだ」。しかし、美人さんには気になるものなのかね?
 しかも設定では四十代でしょ。江戸時代でこの年なら、大年増。気になるもんかね。
 将軍・家定(なぜか細川ふみえ)を巻き込んだお家騒動ご発端となって、「仕事人」が動き出すのだが、面子は主水、三味線屋の勇次(中条きよし)、飾り職人の秀(三田村邦彦)の後期「必殺」のゴールデントリオ。
 どう考えても三味線の弦で、しかも片手だけで、人1人を持ち上げるのは無理でしょうが、中条きよしの憂いを秘めた仕事人ぷりはいつ観てもいい。
 年と共に、脚出して走るのが苦しくはなってきたものの、「まだまだいいけてた」三田村邦彦もこの頃は良かったなー。あの、プライベートでの離婚問題とか「渡る世間」とかが秀のイメージを狂わせちゃったんだよ。
 ところで、最後なぜにお千代が主水を刺したかも意味不明なのだが、爆破して木っ端微塵になっちゃったという終わり方。主水は本当に死んじゃったの? ねえ、この後のシリーズって本当にもうないの? それはみんなが歳取っちゃったから?
 で、殺しのシーンでは、和服ともチャイナとも不良が改良した学生服ともおぼつかない、黒のサテン(ぽい)衣装で登場してた秀が、どう考えても同日、それほど時間が経過したとも思えないのに、主水の死を悟った時には、思いっきり、和服(昔の仕事の衣装)に着替えてたけど、殺しに行く時に着替えを持ち歩いてたのか? 一体どこに?
 こんな不思議はあるものの、やはり「必殺」シリーズはいつ観てもいい。時代劇フリークわたくしの中で、「三匹が斬る」シリーズと双璧なのである。
 

ハテナ?の「パビリオン山椒魚」

2007年05月27日 | 映画・ドラマ
 「パビリオン山椒魚」を観ることは、新しい体験である。
 この映画は観る者のハートによって、サラマンドル、いや、カメレオンのように変化する映画だ。
 新しい映画。
 とか何とか評論家は語っているが、オダギリ・ジョーが妙ちくりんな格好してウロチョロしてるだけで、全く集中出来なかったため、ストーリーも意味も分からず仕舞い。
 きっとわたくしが「新しさ」に追い付かなかったのだろう。
 ということで、万が一、再度鑑賞することがあったら、また書かせてもらいます。

大河市場に輝くのはやはり「黄金の日々」

2007年05月27日 | 映画・ドラマ
  NHK大河ドラマが初めて民間人を主役に選んだって話題にもなった「黄金の日々」。個人的には、オンエア時、1話も見逃さなかったくらいに力が入った作品だった。
 戦国時代末期・自由都市堺から海外へ雄飛する呂宋助左衛門を若き日の市川染五郎(現・松本幸四郎)が演じ、その思い人に栗原小巻。石川五右衛門(根津甚八)、五右衛門の恋人役は故・夏目雅子さんだ。これはかなりきれいだった。そして、杉谷善住坊(故・川谷拓三さん)、豊臣秀吉(緒形拳)らが主軸に構成されているのだが、声を大にして言いたい。
 言いたいんだから聞いてほしい。この時の織田信長を演じたのは高橋幸治。この信長は「本物だ」(会ったことないけどね)。どこから見ても信長だった。後にも先にも。高橋幸治ほど、信長だった俳優は見たことが無い。この信長を見るだけでも十分に価値ありなのだ。
 緒方拳の秀吉もこの時点では、ナンバーワンだったが、今時点では、「利家とまつ」の香川輝之に軍配。
 さて、主役の呂宋助左衛門。名前が示すように呂宋(フィリピン)に渡り、呂宋壷などの焼き物を持ち帰り豪商へとなっていく様を描いている。
 が、そこはたかが庶民の貿易商。1年間の連続ドラマで主役はれるほどのエピソードもなかったのだろうよ。秀吉や五右衛門なんかと友達付き合いってな感じで、彼らの持ち技(出来事)に絡んでいくいく。
 例えば、鳥取城の兵糧攻めの折にはなぜか城内にいるし、叡山焼き討ちの折も、叡山にいるのだ。そして「ひーひー」言いながら逃げまどう。五右衛門の釜茹でだって見に行っちゃう。
 へなちょこ振りで逃げまどいながらもなんとなく成功しちゃった市川染五郎(現・松本幸四郎)。息子の現・市川染五郎が最終回に左衛門の息子役でデビューも飾っちゃった。息子よりも親父の方が格段男前。
 一番印象的だったシーンは、信長狙撃犯として追われる善住坊が助左衛門と共に呂宋に渡り、その地で生涯を閉じることを決心するものの、やはり「日本に帰りたい」と、処刑されることを覚悟して帰国する。そして、のこぎり引きの刑という重刑にかけられる。
 かなり怖いシーンであると共に、望郷の念を感じて胸を打たれたものだった。
 次第に常軌を逸して行く秀吉に対する助左衛門。
 実話の部分と、歴史的背景をよくマッチさせただけでも脚本家の手腕が買われる。
 ほかに故・丹波哲郎さん、林隆三 故・鶴田浩二さん、李礼仙、竹下景子などが脇を固めている。
 わたくしの評価はNHK大河ドラマ史上No.1。

竹野内、皇女に破れる「ヤンキー母校に帰る」

2007年05月27日 | 映画・ドラマ
 自分の更生に尽力してくれた恩師・岩崎達(原田芳雄)を尊敬する、元ヤンキーの教師・吉森真也を竹野内豊が演じる。
 問題ある生徒を集めた市原隼人、小池撤平、永井大、SAYAKAらが生徒役で出演。SAYAKAって今はもう懐かしい名前だよね。
 型破りな教師ものとしては「GTO」がその王座に君臨しているが、竹野内の熱血振りもかなりのものだった。大声張り上げて叱咤。身を持って生徒を守る。不良だったからこそ分かる不良の気持ち。が、当代きってのハンサム俳優の竹野内にこの役は似合わなかったよね。正直なところ。
 吉森真也氏原作の実話。実際の教師は、学生時代真面目な優等生だったって人が多いから、分からない落ちこぼれの気持ちというのが気になっていたところに、こういう先生が実存するのは嬉しい限りである。
 いじめから、社会問題など色々な問題をクリアにしていきながら物語は進行するが、何せ気になったのが、マラソン大会の話の時に主役になった女子生徒が、先だって民間に嫁いだ皇室のお嬢様によく似ていたこと。
 そればかりが気になって気になって…。竹野内の唾飛ばしながらの熱演も、皇室のお嬢様の前に色あせてしまった次第。
 

あたしゃ、欲しくも何ともない「DEATH NOTE デスノート」

2007年05月23日 | 映画・ドラマ
 1、2という括りでいいのか? それとも連続ものなのか? 1、2のストーリーが完全に連動していたので、続けて観るべし。今分かった。前項編でした。
 最初、なぜか画面に集中できなくて、何度か冒頭からの鑑賞を繰り返したのだが、意味が分かった。「だって死神が猫背なんだもん」。
 と言うわけで、名前を記入したらその人が死ぬという他人の生き死にを手にした本人ってどういう気持ちなんだろう。
 しかし、偉いのは、犯罪者のみを抹消すること。ライト(月と書いてライトだって。変な名前。登場人物みんな変な名前だったけど)は中々志しの高い青年だったのだが、保身のために婚約者まで殺っちゃったのはやり過ぎ。
 で第2話。いかにも売れなさそうなアイドルってのが第2のデス・ノートを手にする。今度の死神は1話よりちょびっといい男。てったって、骨だけの猫背なんだけどさ。誰がキャラ考えたか知らないけど、なんで猫背? そればっかり気になって気になって…。
 そして、デスノートの秘密が暴かれ、ライトが危機に陥る。この男、さすが東大生(でしょ?)だけあって、頭の回転が早い早い。悪知恵バンバン、全開だ。
 そのアイドル崩れが警察に監禁されるシーンにはなぜか笑いと共に、悲壮感が…。だって、日本の警察が被疑者監禁なんてするかな? しかも、黒い袋を頭から被せて拉致して来ちゃって、椅子に拘束するんだけど、その時なぜか拉致された時と服装違うじゃん。しかもなんでわざわざ、あんなエッチな服に着替えて、かつ、手を縛り上げられ、しかも目隠しのソフトSM状態。これは、取調官の単なる趣味と受け止めればいいのか? 自ら監禁を希望したライトは拘束服でベッドの上で芋虫状態。この差はやはり趣味ということなのだろう。ううーむむむ。分からない世界だ。
 それとICPO(インターポール)が、日本の警察庁に送り込んだ天才。世界中の迷宮入り事件を解決してきた謎の名探偵とも言うべき天才・L(松山ケンイチ)ってのがさ、どこからどう見ても日本人なのだけど、なぜに逆上陸? しかも、なぜにアイラインバッチリの目張り男(しかし、これはまだ許せる)。許せないのが、こいつまで猫背ってこと。お菓子食べたり、おかしな行動で、「天才」ってのを強調してるんだろうけど、もっとまともな「天才」でもいいじゃん。
 しかし、大ラスで、こいつが魅せてくれました。
 自分の命を掛けて事件解決。こんな猫背男のどこに男気があったのかは不明だが、気味悪キャラから、私的には一気に、男ってもんになっていった。
 「もう(死への時間が)そろそろなので1人にしてもらえませんか」。肝が据わってるぜ。まったく。そこで敬礼をする鹿賀丈史。おっちゃんになって増々強面だけど、「ジーザースクライスト・スーパースター」は良かった。
 藤原竜也って何を観ても「芝居掛かった芝居」って気がするのは私だけだろうか? ところで、おひょいさんは何だったの?
 さてさて、こんなノートあったら、あなたはほしいですか?

「トキオ 父への伝言」

2007年05月19日 | 映画・ドラマ
 人気作家・東野圭吾原作のドラマ化で、時を超えた親子の絆を描いた感動の物語。ということだったのだが…。不治の病で危篤状態の息子・時男(櫻井翔)が25年前の父親・拓実(国分太一)に会いに行く。そしてある事件に遭遇し、2人で旅をする。旅を通し、息子と触れ合い、次第に人間として成長して行く拓実。友情と父子愛を描いている。
 あら筋によれば、大感動の筈なのだが、なぜか完観できなかったというか集中できなかったのは、脚本のせいなのか、俳優のせいなのか…。
 トキオだじゃらTOKIOってシャレではないだろうが主演の国分太一と嵐の櫻井翔は頑張った。特に太一はかなり頑張っていたのだ、なのに、にも拘らず、なぜか面白味がない。
 脇だって富田靖子、山村紅葉、片岡鶴太郎、風吹ジュン、高橋ひとみ、伊武雅刀なんかが固めているにも関わらず。
 これは原作読んだ方が良かったような気がする。時間枠で収めようとした脚本ミスだ。絶対。
 それから、太一の恋人役に富田靖子ってのはいいの? 25年前の富田靖子はもう年齢的にかなり厳しくなってる、錦糸町あたりのキャバ嬢の若作りみたいで、現在の富田靖子は自慢の若々しい美人母。どっちを演じるにも中途半端な感じで、成り切れていなかった。
 



そうそう涙も出なかったけど「涙そうそう」

2007年05月13日 | 映画・ドラマ
 2001年の沖縄を舞台に繰り広げられる「血のつながらないふたりの兄妹」の話。
 洋太郎(妻夫木聡)が8歳の頃、母の再婚によって妹になったカオル(長澤まさみ)。だが、義父は姿を消し、母も他界してしまう。
 要するに、身寄りの無い2人の兄ちゃん愛がテーマで、やっと一緒に暮らせるようになったら、兄ちゃん騙されて、身ぐるみはがれる(店を出す夢が実現したと思ったら詐欺だった)は、熱出して死んじゃうわってストーリー。騙されても、小栗旬だったら、ホストクラブやって稼ぐぞ (by「ウォーターボーイズ」だったっけ?)。
 ということなのだが、キャッチコピーの「泣いても泣いても溢れ出す君への思い」というのが分からないまま終了。これは、わたくしの心が曇っているからなのでしょうか?
 そもそも「涙そうそう」プロジェクトってえのは、第二次世界大戦とかをテーマにした映画とドラマの競作だったように記憶しているのだが…。「サトウキビ畑」とか「広島」とか。
 そんな面持ちで鑑賞していたので、大失敗だったのは、私のせいもある。しかし、今さらこんだけの話では「涙は溢れない」と思うのだが…。
 が、沖縄の景色というのは、あれだけカーンと青い空が広がり、真っ白なパウダーサンドに加え、透明感のある海と言うコト無しなのに、物悲しさを誘うのはなぜであろうか。