観るも八卦のバトルロイヤル

映画・ドラマを独断と偏見(?)で、
斬って斬って斬りまくる。
※無断転載は一切禁止。

日本の芸能界に布石を投じた「ウォーターボーイズ2」

2007年01月29日 | 映画・ドラマ
さすがにネタ切れ感が否めなかった2。前作からの続編ではなく、設定を新たにして、元女子高のため少数の男子生徒しかいない学校でシンクロ公演成功を目指す姿を描いている。
 が、この学校の臨時教師役に初代シンクロチームの「おかまキャラ」だった金子貴俊が同一人物の早乙女聖役で出演。男子シンクロを応援する好感教師を演じている。
 今回は市原隼人、小池徹平、斉藤慶太(双子の片方起用はどういう基準で選んでる?)、中尾明慶らが男子シンクロを目指すが、なんと水着(一口で言えば「パンツ一丁」)シーンの多いこと多いこと。出血大サービスの画面連発。
 男子と女子の角質とか、進学問題とか、訳あり教師の山口紗弥加とか、ストーリーを複雑にしないと厳しかったのだろうが、色んな話しを織り込んでも結局、最初の映画のリメイクにしかならなかった雑さが残念。
 水族館でのインチキ講習、インチキコーチの佐野史郎が、いつしか真剣になるとか…。
 人間模様を前面に出そうとした構成だったのか、シンクロシーンにも、悲喜こもごもを織り込んでいるが、ドラマを離れ、シンクロシーンに集中したい向きには、「うざい」作り。折角シンクロ観てるのに、井上和香が廊下で倒れていたり、佐野史郎と山口紗弥加が和解したりとプールサイド以外にカメラを向けているのが残念だった。
 しっかし、どこまでが吹き替えだったか分からないが、「役者」なのに、ここまでやるのか(泳ぐ)って意味では映画、1、2を通して、凄いドラマだった。
 日に焼けた肌と引き締まった肢体が、かなり強烈に眩しかったです、はい。
 市原隼人がかなりいい。
 3作を通して、「ジャニーズ」の力借り無くったって、ピチピチした威勢のいい若い俳優って「こんだけ集められるんだぞ」的意味で、日本の映画、ドラマ界へと布石を投じたと言って過言ではない。

前任者の促成を無にする唯野高校って…。「ウォーターボーイズ」

2007年01月29日 | 映画・ドラマ
 映画のヒットから産まれたドラマ編。最近、ドラマと映画が交錯するパターンが多くて、観る側も大忙しなのだが…。
 こちらのドラマは舞台の唯野高校の(映画版から)それからというお話で、教師役の谷啓、杉本哲太、眞鍋かをりは、映画と同じ配役。そして初代シンクロチームだった玉木宏やゲイバーのママ・柄本明なんかも出演し、話しに関連性をもたせている。そして初代シンクロチームのどこまでもいんちき臭いコーチの竹中直人まで出演。制作側の「このドラマ、当ててやるぜ」の意気込みが伝わってくる。 
 そして今回の主演は山田孝之。紆余曲折集まるシンクロチームには森山未來、瑛太、石垣佑磨、石井智也ほか。
 しかし、あれだけ笑いと感動を与えた男子シンクロだったはずなのに、妻夫木聡去った後、わずか2年でまた一からの出直しとはいかなるものか…。今回は新顔の教頭役の布施明がモーレツな反対をしているという設定。
 男子シンクロに憧れて水泳部に入ったという山田孝之はすでに高校3年生。「高校生活最後の思い出」と言っているが、だったら2年間は指をくわえていただけなのか? あれだけの学園祭の目玉を中止する意味は? という疑問もあるが、シンクロ自体は映画より増員効果もあってかバージョンアップ。
 だが、個人的には素朴だった映画のシンクロシーンの方が好き。ってな感じで、これといったインパクトはなしに、映画版を観終えて「もっと観たい」人向きって感じ。
 若い男の子の、肢体は堪能できたけど。

どんな角度から観ても文句無しの学園スポーツドラマ。「ウォーターボーイズ」

2007年01月24日 | 映画・ドラマ
 何度も何度も観ちゃった「癒し系」映画。だってシンクロシーンの音楽まだ耳に残っているもん。
 シンクロシーンは「おおおお」と思わず声を挙げてしまったくらいの完成度。「癒し系」大衆映画が突然、「スポーツ」中継に切り替わったような気さえした。
 「男のシンクロ」ってことで映画公開以前から話題だったけど、これって「川越高校」がモチーフの実話だよね。話題と言えば、シンクロチームで出演してた○○がなんか暴力事件起こしてもいたっけ。その後、この俳優消えたな。
 主演の妻夫木聡が情けない男の子を演じていて、可愛かったのと、彼女の平山綾も可愛かったので、このカップルを優しい目で見る事ができた。よかった。よかった。
 コーイだか何だかの竹中直人のインチキ臭さが、竹中らしくて正にはまり役だったのと、脱いだらシェイプアップされた肢体が、「何で鍛えてるんだ」とビックリ。
 だが、最大のビックリは、最近知ったのだが、「ちょっとした山本太郎」としか写らなかった、モジャモジャ頭のすっとこどっこいが玉木宏だっただなんて…。男も髪型一つでこうも印象が違う生き物なのか? あんなハンサムさんも髪の毛なかったらただの人。
 シンクロチーム全員の締まった身体と、日焼け振りが練習の成果を物語っていた。久し振りの学園物語の傑作。
 以後、テレビ版など後編が作られたが、第一作映画に向かうところ敵無し。続編ははっきり言って、シンクロよりもヒットさせよう意識が先走っているように思えて止まない。すがすがしさが無いんだな。

全部観れたら見応えあった筈。「少年たち」

2007年01月24日 | 映画・ドラマ
犯罪を犯した少年たちを少年院に送るかどうかを審査する部署があるとは知らなかった。その任務が家庭裁判所の調査官だということも知らなかった。第一、家庭裁判所ってところがそういったことも手がけているとは知らなかった。
 主演の家庭裁判所の調査官・広川一役の上川隆也。この人、すっかりNHKの顔だよね。NHK好みの清潔感ある好青年ってとこ。好き嫌いなく万人に愛されるが、これといった特徴がないみたいな、まあ、癖がないって感じか。
 第一話には相葉雅紀、山下智久なんかが出てたけど、「若い」。山下智久なんか「究極の美少年」だー。とそればかり観ていたけど、少女売春の母親役の岩崎弘美。とても「ロマンス」の彼女とは思えないくらいすっかりおばはんになっちゃって…老け度がもの凄いと感じたのは私だけだろうか?
 残念ながら、楽しみにしていた「親子合宿」で、ボーイスカウトゲームの途中でDVDストップ(毎度お馴染みのバッタもんだから)、なので萩原流行がいい父親になったのか、不良の子供たちは厚生したのか(したんだろうなNHKだからやはり)分からず仕舞い。
 バッタもんDVDが再回したのが第二話の最終章から。なので、こちらも鳶の父親が娘を引き取ったところしか分からなかった。
 第三話は、麻生祐未が上川隆也を「好き好き」なのと、なぜか屋上でジョギングする山崎努の前に、「少年犯罪は家庭で防げ」と結論を出した。
 さっすがNHK。いい役者が出演してます。     

脱力感のみでした。「アナザヘヴン」

2007年01月23日 | 映画・ドラマ
まったく意味が分からなかったのは私だけ? 登場人物が多すぎておい切れなかった。だって後から後から似たようなちょっときれいなお姉ちゃんが出てきては消える。
 失踪中の婚約者を探してほしいって依頼がきて、室井滋と大沢たかおが動き出して、なぜか柴咲コウが行方不明になって…ってところまでしか分からなかった。
 なんで柴咲コウがレズなのか? 相手の女が一昔前の整形顔なのか? 最終回で、なんで泣いているのか? わからない。
 警察官に化けた犯人が(すげー強いのこれがさ)、戦うシーンのバックにはなぜか能天気な音楽が流れてて、それはそれで面白かったけどさ。
 江口洋介だの原田芳雄なんかちっとも目に入らないうちにいなくなってるし…、大沢たかおはブラウスとしか言いようのないへーんなシャツ毎回着ちゃって、靴なんか素足にワニ皮だよ。スタイリストの趣味疑うよなー。って言うか大沢も断ればいいじゃん、あんな服。
 無理やり室井滋を殺して、話しを盛り上げようとしたラストもなんだか空振りっぽいし、美輪明宏のニセモノみたいなおっちゃんの存在も良く分からないし。あの親父、最後になって「時を戻す力がある」なんて大沢に言ってたけど、もっと早く教えてやれよ。
 要するに本上まなみと大沢がやれて良かった良かったの最終回もバカっぽい。その前置きシーンで、シャワー浴びて腰にバスタオル姿のやる気満々大沢たかお。また大開で座っちゃったから、「あんたパンツ見えてました」。
 ただ1人、加藤晴彦だけは良かった。演技がいいのか、役がいいのかは分からないが、「結構いい役」押さえてる。
 しかしマスコミの宣伝力って凄いよね。(大昔だけど)話題になってたから思わず見ちゃったけど、「やっと終わった」ってのが本音。

頭脳派弁護士の「最後の弁護人」

2007年01月21日 | 映画・ドラマ
 頭使っちゃう弁護士ドラマだよね。観ている側も。画面に集中していないとすぐに展開についていけなくなるから、これはかなりテレビに集中しないといけない。
 「ここまで深読みするか」ってところがズバリと適中する弁護士(阿部寛)。「こんな展開なの」ってとこも押さえる阿部寛。
 「トリック」といい頭使う番組には阿部寛なのか。
 事件そのものというか、番組が短く感じるのは阿部寛に時間を割いたためなのか?
 お決まりの「喧嘩するほど仲がいい」アシスタントの須藤理沙。子供みたいな阿部ちゃんとのやり取りが、まあこの2人だから許せるけど、もし瀬戸朝香とかだったら厭味だろうななどといらぬ心配をしてしまった。
 それにしても最近の阿部ちゃんの活躍ぶりはどうだ。この分では阿部ちゃんがカバーしていらなくなる俳優も多いのでは…。
 うわさ話だけで存在が希薄な阿部ちゃんの無き妻と忘れ形見の娘。ほんのちょい役に甘んじている妻の姉役の浅野ゆう子。ここいら辺りを掘り下げてもらいたい(観たのは最初だけなのでシリーズは続くみたいだから今後の展開に期待)。
 なぜキャスティングされたのか意味不明な、元暴走族で高校中退の前科持ちも割には品のいい今井翼。大滝修二よりも居る意味あったのか? タイトルバックでダンスしてるけど。
 
 

全ての男は消耗品。ね、村上サン「女の一代記」

2007年01月17日 | 映画・ドラマ
瀬戸内寂聴 出家とは行きながら死ぬこと

 瀬戸内晴美(寂聴)さんがただ者ではないとは知っていたが、ここまで激しい恋を繰り返したお方だったとは知らなかった。現在のにこやかな表情からは察することも出来ないような情念だ。宮沢りえが頑張って演じていた。理恵ちゃんは頑張った…が、最後に瀬戸内さんの説法が流れたもんだから、「違い」が露になってしまって可哀想だった。
 瀬戸内さんの半生を知らなかったものだから、すんなりストーリーのめり込めたが、実話なんだよね。そんな人が剃髪して出家。
 このあたりの心理描写が分かりずらかった。
 ほかの出演者はどうでもいいや、もう。

越路吹雪 愛の生涯~この命燃えつきるまで私は歌う
 やはり越路吹雪を演じるのは今の芸能界では、この人しかいないよね。天海祐希。宝塚の後輩で歌える役者。コーちゃん(越路吹雪)が男役のトップスターだったから黒木瞳では物足りないし。
 似てた。唄の場面とかも研究したのだろう。かなり越路吹雪を意識してたが、惜しむらくはやはり天海祐希のキャラが強すぎた。「もはや天海が越路を抜いた」なんて言うとかなり、本気で怒られそうだが、オンタイムで越路吹雪を知らない世代にとっては天海祐希が演じた昔の大スターとしか映らないのだから仕方ないだろう。
 越路のマネジャー兼作詞家・岩谷時子役の松下由樹との2人芝居でいいと思う。ほかの出演者は目に入らず。

杉村春子 悪女の一生~芝居と結婚した女優・杉村春子の生涯
 以外や以外、何でこんなキャスティング? と思われた杉村春子役の米倉涼子が、シリーズ中一番本人に似ていたのでビックリ。言い回しなんか、往年の杉村春子そのまんまだった。特に太地喜和子(ソニン )とのシーンはビックリするほどだった。こちらも「女の一代記」だからそれでいいのだろうが、女優以外はもう誰が誰役でもいいじゃんってな感じ。

 

決して「闘魂」にはあらず。「役者魂」

2007年01月16日 | 映画・ドラマ
 堅苦しいタイトルだが、出演者の顔ぶれを見て観ることにした。といっても藤田まことと香川輝之なんだけど。まあ、この2人が出てるなら、ラブストーリではあるまいと…。
 内容は、日本を代表するシャークスピア役者の本能寺海造(藤田まこと)とその付き人の烏山瞳美( 松たか子)を中心に繰り広げられるギャグコメディ。初回に舞台メイクの藤田まこと登場、だが、全く誰だか分からず、市村正樹風? しっかし「婿殿(藤田)」も歳取ったもんだ。舞台メイクを近くで見ると、皺に埋め込まれたどうらんが余計に皺を目立たせて、年齢を強調しちゃう、
 久し振りの松たか子、そうだなー私的には「いつも二人で」と、「鬼の爪」以来か…。相変わらずきれいというか、以前よりずっときれい。心無しか、顔の歪みが治っていたような気がしないでもない。
 本能寺海造 の隠し子が現れて、瞳美の生活も変わり、が、家族というものを改めて知るみたいな話しも含められている。
 昔のように恋愛ものなら恋一筋。スポコンものなら根性一筋。家族ものなら、家族とは? だけのテーマでは昨今のドラマは成り立たないらしく、いくつかの伏線が絡み合っているのだ。
 烏山瞳美の同僚の相川護(森山未來)が出演。この人、最近よく見かけるけど、なんで? 人気あるのか、まったく分からないけど、カンがいいんだろう。多分。ギャグや台詞回しが生きていた。
 オカマのアントーニオ役の富岡晃一郎はまんまオカマだったけど、この人、本当にそっちの人? 
 しかし、私の中での最優秀演技賞は、やはりこの人。芸能プロダクション社長・柳沢光春役の香川照之。アングラ劇団時代の回想シーンなんか、「やっぱりやってくれた」と思わず拍手。脇役でも、準主役でも、画面に出ているだけで、主役を食っちゃう存在感。ただ、年を取って、段々竹中直人と被りがちなので注意注意。
 第一回目から最終回までずっと思い出そうとしていたが思い出せなかったシェークスピアの四代悲劇。「ハムレット」、「マクベス」、「リア王」と後一つ…ずっとずっと考えて、「オセロ」だったー。こういう思い出せそうで出せないっての苦しいよね。
 私の好きなコメディドラマだった。

現代に蘇ったレッドバイオリンは脇役です。「のだめ カンタービレ」

2007年01月14日 | 映画・ドラマ
 こいつは春から面白れー。
 音大を舞台に繰り広げられるギャグコメディ。駄目駄目ピアノ科の学生である野田めぐみ(上野樹里)こと、のだめと天才エリート学生千秋信一(玉木宏)の成長と恋がテーマ。
 なんだけど、どこからどう見てもベタな日本人だが、なぜかドイツ人の音楽家役で竹中直人が縦ロールのヅラ。音大教授役で西村雅人がヅラ。現在の面白二代コッパゲ役者にヅラかぶせちゃったあたりが凄い。打楽器のゲイがアフロのヅラ。と、まずはヅラで笑わせてくれる。中華屋の親父役の伊部雅刀も是非ともズラをカブってほしかったところ。
 のだめを演じた上野樹里って知らなかったけど、あるシーンでは「普通」なのに、別のシーンでは「めちゃめちゃ可愛」かったりと、魅力的な女の子。こんな思い込みの強い女の子ってうざいはずなのに、厭味が無く可愛く演じられていた。
 それにしても学生音楽家を演じた皆さん。元々楽器が扱えたわけでもあるまいに、ポーズだけでも様になっている様子に、溜飲が下がる思いだ。
 主演の玉木宏。「トップキャスター」ではただうるさい、うざい。「こいつ戦隊ものの、ママさんアイドル」出身か…と思わせただけだったが、千秋信一はかっこ良かった。いい表情してる。若手注目株。ちょっとオダギリと被るけどね。
 瑛太もこれまでのどの役よりもいきいき見えたのは、地に近かったのか?
 ストーリの中で家業が傾き貧乏になってしまった学生桜の父の秘蔵バイオリンの中に「呪のバイオリン」が混じっており、それを売る払った瞬間、事業が上手く行き出したっておち。その秘蔵バイオリンが映し出された時、ありましたよ「レッドバイオリン」が…。これは映画「レッドバイオリン」の項でも取り上げているが、とにかく世代と国境を越えて不幸を振りまいた伝説のバイオリン。文革の中国から姿を消して、日本にあったということか。
 このおち分かる人は何人居たかな?
 クラシックなんて興味なかった人にも「ちょっと聴いてみたい」とという感情を持たせたのではないかな。かなりいいでき。面白かった。
 

文句無しの癒し系ドラマ「Dr.コトー診療所2006」

2007年01月12日 | 映画・ドラマ
 待ってましたとばかりに飛び付いた第二弾。癒し系ドラマの決定版だ。主演の吉岡秀隆が癒し系ということもあるけど。
 しっかし、それにしても怪我とか病人の多い島だよね。コトー先生こと五島健助(吉岡秀隆)大忙し。
 前作はコトー先生の医師としての葛藤と、島民との関係がクローズアップされていたが、今回は島の問題でもある進学にも焦点を当てたり、話題が広がっていた。
 息子・原剛洋(富岡涼)を東京の私立中学に進学させるために本土で出稼ぎをする原剛利(時任三郎)が前半の主役。建築現場で事故を起こした慰謝料400万円に加え、騙し取られた全財産。弱り目に祟り目とはこのことだ。
 結局、息子は島の奨学金で学業を続けられることになり、剛利は島で漁師に戻って一件落着。だけど、400万円の借金はどうなったんだー。
 次は島民の坂野ゆかり(桜井幸子)の末期癌。小さな子供を残して余命3カ月だった筈…が、「生きようとする生命力」で治っちゃったんだって。希望のある話しでよかったよかった。けど、いくら名医でもあんな診療所で末期癌のオペするかな?
 そしてお次は、新任看護士・仲依ミナ( 蒼井優)の旦那のDV問題。突然島にやって来た旦那まで病気でコトー先生のお世話になっちゃうって…。
 序盤から最後まで引っ張ったのは、星野彩佳(柴咲コウ)の乳癌。こちらも、コトー先生の執刀で転移もなく完治。しっかし、「彩佳さんが治るまで何度でも僕が手術します」とか言われちゃったら、これは嬉しいよね。百人力だ。
 これには目頭が熱くなった。本質的に、登場人物に感情移入して、疑似恋愛みたいな気持ちは抱かない質なのだが、この時は、「言われてみてー」と思ったほどだった。
 最終回、コトー先生のご母堂が初めてそのシルエットを現した。そう言えば、コトー先生って家族の絆薄いな。今まで気づかなかったけど。
 コトー先生不在時に島に来た臨時医師との別れが「熱すぎるぜ」と思ったが、よくよく思い出すと、彼は、コトー先生が大学病院を去ったあたりの訳ありインターンだったんだね。
 出番は少なかったが、「さっすが」のいい演技をしていたのが鳴海慧医師( 堺雅人)。実際こんな先生が担当医だったらどうだろうか? と考えた。腕はいいし、間違ったことは言っていない。医者としては最高の部類に入るだろう。が、病気で気が弱くなっている時ってのは、普段以上に「情」ってものを求めるからねー。意味も無く優しくされただけで、感激しちゃうくらい。
 ただ、植物人間になってしまった奥さんを5年間も自宅介護って…これってあり?
 一気に観終わって、「やっぱり沖縄っていい」。「あんなきれいな海の側に住んでみたい」。「素朴な人々の優しさがいい」とは思っているが、実際は台風だの、垣根のないご近所付き合いだの大変なんだろうな。
 ということで第三弾を待つ。

人は愛するためのみに在らず。「14才の母 ~愛するために 生まれてきた~」

2007年01月10日 | 映画・ドラマ
 14歳での妊娠出産というテーマと子供(ってか子供産んだから大人なんんだけど)たちを取り巻く社会や親たちの葛藤ドラマ。
 14歳、中学生でねー。っていうのが本音。まあ、最近休業宣言したトップアイドルのご両親も15歳で子供(そのアイドル)を産んで、育ててるから、あり得ない話しではないが、実際に今の14歳とか15歳ってこうなの?
 我々(最も田舎もんだからかも知れないが)中学生の頃って、カンジュースを回しのみしちゃって「間接キッス」なんてはやしてたり、自転車並べて帰ってほっぺた赤くしてたくらいのものだったけど、今の子は進んでるもんだ。もし、自分が親だったら対応できたか否か…。
 それにしても、産んじゃうわ、結婚宣言するわ、中学出て働いて、子育て一段落して、それから学校行くわ、とか、「甘い」よ。一ノ瀬未希(志田未来)と桐野智志(三浦春馬)。子育てなんて一生終わらないんだよ。
 彼らの保護者である、一ノ瀬加奈子(田中美佐子)、一ノ瀬忠彦(生瀬勝久)、桐野静香(室井滋)のそれぞれの意見がご最も。特に桐野静香が正しい。
 そして未希があまりにも小さくて、子供子供しているからかも知れないが、やっぱり、どう観てもノンフィクションで「お話」の世界的イメージが拭えなかった。
 一ノ瀬の近所のおばはん。いるいるこういう人って言うか、田舎のおばはんってみーんなこうだから。世間の目はやはり意地悪なのだ。
 そして未希の担任の香子先生(山口紗弥加)。「勉強は教えるけど、後は家庭の問題」と初っ端に断言。そう、教師だって所詮はサラリーマンなのだから、このくらいの考え方の方が潔くていい。下手に「先生は師」だなんて思うから、問題が多いのだ。教師は勉強を教えてくれるだけの人。それ以上を望むべからずなのである。
 そしてこの問題に絡むというか、事をデカくしてくれただけのジャーナリストの波多野(北村一輝)。いい迷惑だけど、これも浮き世の常で仕方ない。
 最後に「このテーマで出版する」とか言いながら原稿書いてるけど、これがジャーナリストの正しい姿勢であって、そこに彼の人間性を現そうとして、自分のスクープを反省するような心の葛藤を挟む必要はない。
 なぜなら、死傷者数百人の事故が起きた場合、「やったー」と喜べるのが週刊誌記者で、「万歳」三唱をできる人が編集長になれるってなくらいの世界なのだから。
 そのタイトルを「14歳の母」(これもださいけど)から「14才の母」へと書き換えた意味が分からない。当用漢字的意味合いか? 
 それからもっと分からないと言うか、意味ないじゃんって言うのが未希のクラスメート柳沢真由那(谷村美月)の自殺未遂事件。彼女は妊娠中絶を経験し、自殺未遂の過去がある中学生なのだけれど、このストーリー展開にこんな話しを織り込む必然性が感じられなかった。
 ゲストだか、友情出演(誰の友達なんだ)だか知らないけど、産科の医師役で反町隆史が最後2話だけ顔を見せている。なんで? なんで反町、こんなちょい役に出てるの? この役、反町使う意味あるの?
 と???の最終回は結局途中でぶった切れ(これまた、バッタもんだから)で、結末が分からず仕舞いなのだけど、総じて言えるのは「甘いよ」。14(歳)やそこらでやってるんじゃねーよ。
 ということで、「こんな話しに感動したり、衝撃的なテーマ」だと言う大人の皆さん。こうなる前に、「米一粒、下着一枚、親の金を当てにしているくせに、やることだけは一人前っていうやつは許せない! 第一、お前らパンツ1枚自分で洗っていねーだろーが」という子育てをしてくださいな。
 最後に、テーマ曲のタイトルバックで出演者が白いシルクの布にそれぞれ胎児みたいな姿勢でくるまっているけど、これおっちゃん、おばはんは痛いから…。特に室井滋は怖かった。

やっぱりツヨポンは上手かった。「僕の歩く道」

2007年01月07日 | 映画・ドラマ
 それぞれに活躍する「SMAP」だけど、各々の容姿は、それほどでもないよね。しかし、芸能界に圧倒的な存在感を示していることは周知の通り。かく言う私も彼らの主演ドラマは堪能している。
 その1人、草薙剛が今度は自閉症に挑戦。先天的な障害により、10歳児程度の知能までしか発達しなかった31歳の自閉症の青年・大竹輝明を表情なくたんたんと上手く演じている。
 ドラマの中で、兄役の佐々木蔵之介が、「輝明はできることと、できないことの差が大きいんだ」というようなことを言っており、この言葉に家族としての愛情を感じられた。
 また、自分のことしか気付かない、周りが見えないという症状は、障害ではなくても(その度合いはあるが)普通の社会でもあること。特に最近こういった人って増えてるような気がする。
 と、話は反れたが、突然の雨に自分だけ傘を広げた輝明だったが、左手に傘の柄、右手に焼き芋を握る手を持ち変えて、幼なじみのみやこ(香里奈)に傘を差し掛けるシーン。輝明の手元だけをアップにしたりと、印象的に病気を追っているシーンが目立った。
 小日向文世、大杉漣、長山藍子らの巧みな役者が脇を固めていることもあるが、台詞回し、撮影、ストーリー展開と完成度の高い傑作。
 結構な見応えと、視聴者に生きることを投げかけるドラマだった気がする。
 しあkし、なぜ、輝明はあれほどまでに黄色が好きなんだ。

ひよこになっちゃしょうがない「トリック 劇場版2 超完全版」

2007年01月06日 | 映画・ドラマ
いよいよ最後の「トリック」なんだ。タイトルバックが気持ち悪い卵の黄身(色がね)から、とうとう、ついに、ひよこになっちゃって、だめ押し的にひよこに「これで最後」っておしえられちゃった。
 ゲストの片平なぎさが頑張った。往年の「スチュワーデス物語」の迷場面まで披露してくれて。しかし、これ観て、分かる人も少なくなっただろうけど。なんか変な歌まで歌ってたよね。
 それと、「今までどこで何してた?」の「ユートピア」。思ったほど老けて無く、面影もあったけど、やっぱあの頃のギャグはいたたたたた。「ユートピア」をオンタイムで知ってる人も少なくなっただろうね。
 堀北真希って今のアイドル? 女優? が出てたけど、このメンバーの中ではキャラが薄かった。残念。
 仲間由紀恵 と 阿部寛の絡みは毎回通り面白く拝見させていただいて、「やはりまだまだ続けてほしいよな」と思ったけれど、生瀬勝久の出番がググググッと少なかったのがもの凄く残念。残念無念だよ。

か・い・か・んじゃなかった?「セーラー服と機関銃」

2007年01月06日 | 映画・ドラマ
 薬師丸ひろ子が「かいかん」って言ってるイメージしかなく、全く期待していなかったのだが、予想を遥かに上回る面白さだった。
 ぶっちゃけ、「目高組」の組員にいまいちときめきがなかったのが悔やまれるが、そういったドラマでは断じてないのである。
 舞台が浅草ってのもいいねー。下町って背景を観てるだけでワクワクしちゃうのは、私だけかも知れないが…。
 主演の星泉(長澤まさみ)って名前も知らなかったけど、ちょっと広末涼子とかぶるこの女の子も可愛いしね。最終回で機関銃をぶっ放し、「ああ、こういうシーンだったのか」って改めて知った次第。今回のヒロインは「か・い・か・ん」は無しだったのは、あまりにも薬師丸のイメージが強いからだろうか?
 組員の1人・西野武(田口浩正)が死んじゃったあたりで、「こりゃあ、みんな死ぬな」って大方の予想はついて、終結後にその後的なストーリーが始まったので、「こりゃあ、佐久間真(堤真一)もか」って思ってはいたが、佐久間、予想通りの展開。
 しかし、よくよく考えると、自分でも言っていたように、星泉が下げマンだったって話しじゃん。
 ドラマ進行とは別に毎回気になったのが、真由美(小泉今日子)も歳取ったなー。奇麗なんだけど、やっぱりおばさんになった。キョンキョンが大映しになる度に、お付き合いしてるトップアイドルのあの人の顔が脳裏に蘇って、結構迷惑だった。
 それと、堤真一って、パイロット(グッドラック)の時から気になっていたのだが、「スゲーなで肩」だよね。ショルダーバッグ肩に掛けられないよね。となると、パイロットとか極道って適職かもね。
 悪徳刑事役の白髪マッシュルーム男は誰? 何者? 皇室の二男の方のニセモノみたいなんだけど。

「夫婦」ってそりゃあそれで大変だー

2007年01月03日 | 映画・ドラマ
 田村正和のお父さんもの第何段だのだろうか? 奥様は再びの黒木瞳。しかし、今度のこの「夫婦」は、旦那・山口太一(田村正和)は自社製品をテレビショッピングで自ら宣伝しちゃうビジュアル社長。美人妻・華(黒木瞳)と、長女・菜穂(加藤あい)、長男・順(塚本高史)の幸せ家族なのだ。
 しかし、やっちゃった、この親父。
 待田幸子(羽田美智子)との浮気。まあね、こんな美人さんに迫られたら男としては仕方ないとは思うけど、黒木瞳クラスの美人妻を持っていても浮気するものなのか…男って悲し過ぎる。
 娘の結婚と、息子の進路、そして先の親父の浮気がテーマになり、家族がひっくり返るが、最後はハッピーエンドで締め括り。このハッピーエンドが取って着けたようなエンディングでなく必然性を感じられるところに、このドラマの良さがあったと思われる。
 中年の小母さんと化した黒木瞳がいくら独立して何かを始めようとしても、世の中そんなに甘くないってのを劇中台詞で語るが、「正にその通り」。
 手に職もないのに、ヒロインがすぐにマスコミに就職しちゃういろんなドラマがあったが、その時点でどんなに優れた本でもリアリティってもんがなくなるのだ。視聴者をばかにすんなって感じ。
 しっかし、内田有紀、広末涼子、加藤あいって(これまでのドラマの娘役)って、誰一人として家事ができない設定なのはジェネレーション・ギャップなのか? みんな美人さんだからそれでも許されるとは思うけどね。