観るも八卦のバトルロイヤル

映画・ドラマを独断と偏見(?)で、
斬って斬って斬りまくる。
※無断転載は一切禁止。

「必殺仕業人」、「必殺仕置屋稼業」、「必殺必中仕事屋稼業」、「必殺からくり人・富嶽百景殺し旅」。

2012年08月23日 | 映画・ドラマ
 ここ数日必殺シリーズにはまっていました。オンタイムの時は、これといってときめきのない俳優陣だった事もあり、観ていなかったシリーズです。
 ですが、大人も大人になって改めて、己の浅はかさを噛み締めました。
 素晴らしいじゃないか。それに俳優たちの演技の素晴らしさ。やはり、当時は子どもだったのだと改めて思い知りました。中学生だったからねっ。
 前置きはこのくらいで、今回観たのは、「必殺仕業人」、「必殺仕置屋稼業」、「必殺必中仕事屋稼業」、「必殺からくり人・富嶽百景殺し旅」。全話ではなく抜粋です。ああ、全話観たい。

必殺仕置屋稼業
 中村主水(藤田まこと)
 市松(沖雅也)
 印玄(新克利)
 捨三(渡辺篤史)
 亀吉(小松政夫)
 おこう(中村玉緒)

 目から鱗である。沖雅也さんってこんなに格好良く、芝居も巧かったと改めて知った。何より表情が決まる。この市松は正にはまり役。素晴らしい。クールでありながらも情に厚い。仲間は決して裏切らない。正に理想の男性像。
 「必殺仕置人」の棺桶の錠よりぐんと似合っている。
 印玄の新克利さんの殺しの業はいまいちだが、こちらも役柄上の男気。そしてホームドラマの良きお父さん的イメージの新克利さんの演技も素晴らしい。
 渡辺篤史も良い。
 何より最終回の完成度はかなり高く(中村玉緒さんの拷問シーンは子どもながらにも覚えあり)、必殺史上5本の指に入るだろう。
 やはり必殺は中村主水あって。藤田まことさんの殺陣は見応えがある。
 前に書いたが、私は山崎力さんの念仏の鉄がいっち好き。続けて緒形拳さんの梅安さんだ。少し開けて3番目が中条きよしさんの勇さん。
 この順位は何10年も不動だったが、ここにきて、1位念仏の鉄。2位同標で市松と梅安としたい。
 それにしても、沖雅也さんは惜しい俳優だ。後に京本政樹さんが組紐の竜を演じる時に、この市松をコピーしたらしいが、それも頷ける。だが、沖雅也さんは、全く違ったキャラとアクションの棺桶の錠も見事に演じていた。
 当時取り沙汰された死因のひとつは、後10十年踏ん張れば、一般人にもポピュラーな美容外科で解決出来たのに。本当に惜しい俳優さんであった。
 
必殺仕業人
 中村主水(藤田まこと)
 赤井剣之介(中村敦夫)
 やいとや又右衛門(大出俊)
 お歌(中尾ミエ)
 捨三(渡辺篤史)

 何と言っても、大出俊さんのやいとや又右衛門のひょうひょうとした気質や、大人の色気が良い。
 必殺シリーズ200回の記念回の第24話「あんたこの替玉をどう思う」には、歴代の殺し屋が、ほかの役でちょいとばかり(見逃すくらいのワンシーン)顔を出すのだが、その顔触れが豪華。
 中村玉緒、沖雅也、草笛光子、中谷一郎、大塚吾郎、野川由美子、田村高廣、緒形拳、三島ゆり子、石坂浩二が、思いも掛けない場面で思いも寄らない役所。

必殺必中仕事屋稼業
 知らぬ顔の半兵衛(緒形拳)
 侍くずれの政吉(林隆三)
 お春(中尾ミエ)
 利助(岡本信人)
 嶋屋おせい(草笛光子)

 緒形拳さんが、梅安さんとは違ったキャラで主演。以後、知らぬ顔の半兵衛は、スペシャルにも登場するが、やはり緒形拳さんは良い。
 近年、女性の殺し屋は山田五十鈴さんしかイメージにはないが、草笛光子さんも安定感があって格好良かった。

必殺からくり人・富嶽百景殺し旅
 唐十郎(沖雅也)
 宇蔵(芦屋雁之助)
 うさぎ(高橋洋子)、後に(真行寺君枝)
 虫の鈴平(江戸家小猫)
 出雲のお艶(山田五十鈴)

 沖雅也さんが再びクールな二枚目の殺し屋を演じているが、見掛けは市松と被るが、市松の鮮烈なキャラを再びといった制作側の意向で、これは致し方ないだろう。といっても唐十郎と市松を演じ分けている。
 殺しの技は変わり、これまた見事。この人、必殺中でも1、2を争う凄腕だ。一度に5、6人はやっつけるは、走りながら侍3人を叩き切る。
 仕込みの武器で喉元刺しながら、もう片方の手で、仕込み竿で相手を刺す。一度に2人やっつけちゃう。この人の殺陣シーンはかなり見応え有り。
 1位念仏の鉄。2位同標で市松と梅安が変わった。1位仏の鉄と並んで唐十郎。3位同標で市松と梅安。
 そして、後の仕事人のおりくさんを彷彿とさせる山田五十鈴さんである。
 惜しむらくは宇蔵の技がねえっ…。

 観終えて、昔は良い役者さんがいたねえ。ここ数年は大分アイドル系に押されているが、殺陣は編集や相手役で見せようもあり、台詞廻しはそれなりに巧くても、昔の役者は言葉はなくても、ここぞの顔が決まった。表情で、視聴者に表現出来たものだ。
 これって、ハリウッド俳優にも言える。見掛けはどこにでもいそうなおっさんでも、ここぞの顔が魅せる。だからスターなんだなあと感じる一場面が必ず映画にあるのだ。
 何しろ、カメラワーク、アングルが見事。今では観られない素晴らしい撮り方をしているので、それを観るだけでも価値有り。 
 衣装も華美ではなく、CGや編集技術も今と比べて劣っていた時代。それでも、重厚性は勝っているぞ。



人気ブログランキングへ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。