観るも八卦のバトルロイヤル

映画・ドラマを独断と偏見(?)で、
斬って斬って斬りまくる。
※無断転載は一切禁止。

「新・半七捕物帳」。

2012年03月31日 | 映画・ドラマ
 真田広之の主演で、1997年にNHK金曜時代劇で放送された、神田三河町の御用聞き半七の下町人情捕り物劇。原作は岡本綺堂による「半七捕物帳」で、大正から昭和に掛けての時代小説・探偵小説草創期の傑作とされ、これまでも幾度となくドラマ化された。言うなれば日本初の捕り物時代劇。
 原作は明治になっての回顧録形式なので、物語の半七も成長(年を取る)しているので、演物の根例も様々だが、「新・半七捕物帳」は若かりし頃になる。 真田広之が粋な着流し姿で、江戸っ子気質を楽しませてくれている。
 小野武彦、牧瀬里穂、佐藤慶、阿藤海(現・阿藤快)、斉藤洋介、高知東急(現・高知東生)、伊崎充則らが出演。三木のり平が語りを担当し、冒頭現代から半七の生きた時代を振り返る。これは後に、「まっつぐ」に受け継がれた方式。
 文句なしに面白い、「いきちょん」。

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「宝引の辰捕者帳」。

2012年03月30日 | 映画・ドラマ
 泡坂妻夫の時代小説を、NHK金曜時代劇で1995年にドラマ化。幕末の江戸を舞台に、神田千両町で御用を預かる、宝引の辰(小林薫)を主人公にした下町人情劇。
 原作は読んでいないが、ナチュラルに江戸の風情が再現されている(って江戸時代を見た訳じゃないけど)と言うか、映像が(古いせいかも知れないが)、映像としてではなく、言葉で語りかけているようで、見る側の想像力をくすぐる。
 レギュラーは、父親・鉄五郎(小林桂樹)、妻・お柳(萬田久子)、北町同心・能坂要(渡辺いっけい)、岡っ引き・暮れ六つの男十郎(石倉三郎)、辰の手下・算治(西島秀俊)、同じく松吉(増田由紀夫)ほか。
 一話完結で、事件を解決するお馴染み捕り物劇だが、小林桂樹と小林薫の親子が実にいい味を出している。面白おかしく、そしてほろり。時代劇ファンが安心して楽しめるドラマ。文句なしに好きだ。
 NHKって、「天下御免」の頃から、いい時代劇作っているんだよね。
 武士・算治が急に植木屋になっちゃったり、お柳が匕首翳した夜盗から逃げられたりとか、理に合わないところもあるが、御愛嬌と言う事で。



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「さらば、わが友 ~実録大物死刑囚たち~」。

2012年03月26日 | 映画・ドラマ
 1954年に起きたカービン銃ギャング事件の主犯が、仮釈放後に、服役中に会った死刑囚について記した手記の映画化。
 彼は、別の殺人罪も加わり、死刑判決を受けたが、控訴し、東京高裁では無期懲役。さらに上告したが取り下げ服罪し、25年間の服役を経て出所。
 酒屋一家4人殺害事件、三鷹事件、帝銀事件、メッカ殺人事件などに関わった昭和史に残る犯罪者の獄中での様子も描いている。
 出演は、磯部勉、石田純一、永島敏行、市原悦子、亜湖、岡田奈々、高橋昌也、愛川欽也、室田日出男、荒井注など、懐かし顔触れだ。石田の初々しさが印象的。

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「デンデラ」。

2012年03月22日 | 映画・ドラマ
 「楢山節考」の今村昌平監督の子息・天願大介監督が、父と同じ姥捨て山を題材に描いた、捨てられた老婆たちのその後の話し。
 捨てられた婆さんたち共同体を作り、己たちを捨てた村への復讐を誓う。
 タイトルのデンデラとは、エジプト中部に存在する町の名であるが、ここでは「遠野物語」に記される姥捨て地「デンデラ野」が引用されたのだろう。
 物語は、雪山に70歳を超えた斎藤カユ(浅丘ルリ子)は村の掟に従って息子に背負われ、姥捨ての場へ向かうところから始まり、雪山ならではの雪崩や野生の熊との戦いなど、デンデラでの共同生活が描かれている。
 最年少で70歳という年齢の割には結構足腰も、頭もしっかりしており(そうでもなければ話が進まないしね)、きっちりと意志と個性を持った婆さんたちに描かれている。
 主要キャストは、浅丘ルリ子、倍賞美津子、 山本陽子、草笛光子、山口果林、白川和子、山口美也子、角替和枝、田根楽子、赤座美代子。皆さんやはり巧い! これぞ日本を代表する女優。若くて美しい盛りを過ぎても押しも押されぬ大女優の地位を保っているだけあって、演技力は折り紙付きだ。
 こうして顔を揃えると、潔く甥を受け入れ年相応の美しさを保つ方と、若さへの飽くなき追求を続けている方とが一目瞭然。
 テーマが重い割りには、婆さんたちが矍鑠としているので、然程の悲壮感がないのも特徴的。 それにしても、男尊女卑の酷い村があったもんだと思わざるを得ないが、領主様は何をしているのやら。
 ラストは斎藤カユと熊との対決。図らずもデンデラの婆さんたちに成り代わり(?)村人を襲う熊に、カユは、「教えてけれ、どっちが勝った?」と問い、熊がカユに向かってもう突進するシーンで画面は暗転。
 「俺は斎藤カユ。今年七十になった」。と、浅丘ルリ子の声が入る。
 勝ったのは熊=自然。人の作った掟など自然の前には儚いものであると介錯して良いのか? 今年七十になったは、七十という年をどう解釈するべきなのかを問い掛けているのか?
 ちいとばかり難しい終わり方のような気がした。最も分かる人には分かるのかも知れないが。
 

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「忍びの者」。

2012年03月18日 | 映画・ドラマ
 1962年公開。こちらの市川雷蔵は化粧をしておらず、三十一歳とは思えない若々しさで、可愛らしい。「大殺陣 雄呂血」ではすっかりおっさんになっていたが、この4年の間に何があったのか? かつらと化粧か?
 忍びの里で育った石川村の五右衛門が、頭にはめられて織田信長暗殺任務を余儀なくされるといった話し。よくよくはめられる人だなあはさておき、雷蔵ファンには堪らない面白さ。
 忍者物は好きではないので、最期まで観る事が難儀なのだが、この作品は堪能できた。
 藤村志保、伊藤雄之助、岸田今日子、小林勝彦、若山富三郎、西村晃、加藤嘉らが出演。
 「続 忍びの者」へと続く。


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「大殺陣 雄呂血」。

2012年03月18日 | 映画・ドラマ
 1966年、市川雷蔵主演作。
 水無月藩の井阪道場に他流試合を挑んだ岩代藩の若侍が、帰路に背後から刺されて殺された。その下手人を引き渡せとの岩代藩からの要請に、水無月藩は、小布施拓馬(市川雷蔵)を代理に立て、1年後の帰参を約束し出奔させる。
 旅の途中に紙入れを盗まれた拓馬は、人足のまで身を落とすが、1年後帰参の約束を果たす為に江戸藩邸へ出向き、たばかられた事に気づき、浪々の身となるも、水無月藩からの討っ手に追い詰められる。
 ざっとこんな話なのだが、人を信じてはいけない。人は落ちるところまで落ちたら這い上がるだけだは嘘で、どこまでもついていない人っているんだといった教訓。
 そして、落ちたら寄って来るのは割り奴ばかり。だから必然的に悪循環になってしまう。
 気の毒なのは、彼に関わった元許嫁はさらわれて女郎にされるわ、命の恩人は水無月藩の侍に襲われ命を失うわ。
 ついていないだけでは済まされない、悲壮な話である。
 さてさて、ラストの大立ち回りは凄いもんで、一人で捕り方、水無月藩士、岩代藩士百名近くを斬り捨てる。これぞ、痛快偉大劇時代の醍醐味だろう。突っ込みどころは多いけど。
 雷蔵、三十五歳の作品だが、もう化粧が濃い。絶対に素の方が良いのに、どうしたのだろう。そして、この方猫背なのか姿勢のせいか、ラストの立ち回りで腰が入っていなかったのが気になるところ。
 長回しなので、さすがに後半は疲れるだろうなと観ていたが、序盤がきになった。
 出演は、市川雷蔵、八千草薫、藤村志保、中谷一郎 、五味龍太郎 、内藤武敏、内田朝雄、藤岡琢也、加藤嘉、水原浩一、伊達三郎、 荒木忍 、吉田義夫、寺島雄作、南部彰三、木村元、平泉征 、三木本賀代、毛利郁子ら。
 八千草薫、藤村志保が凄く可愛くて奇麗だ。


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「濃姫 ~信長に嫁いだ女」。

2012年03月18日 | 映画・ドラマ
 ドラマとしては、濃姫と信長の愛を描いていて、それもひとつの物語だとは思う。実際とは違うけれど、手法のひとつだ。
 だがだがだが、宣伝の煽りが、これまで描かれなかった濃姫の半生とか、謎に包まれた濃姫とかだったので、正直がっかり。
 何故なら、濃姫が歴史上から姿を消すのは、父の斎藤道三が死んだ後で、その後の消息がぷっつり、なので、それからが観たかった。
 このドラマまでは分かっているじゃないかい。まあ、ほとんど創作だけれど。
 特に、あれれっと感じたのは、濃姫が信長に名を尋ねられて、「濃です」。って、あんたの名前は帰蝶だから。嫁いだ後に、濃から来た姫で、濃姫と呼ばれたんでしょう。これは視聴者の混乱を防ぐ為か? だとしても、せめて、「帰蝶です」。「濃から嫁いだ姫じゃ。濃姫としよう」。とのやり取りが欲しかった。
 道三ももの凄く良い人に描かれているが、斎藤義龍 の為を思って、実子ではなく美濃国守護の土岐頼芸の庶子だと噂を流したとか。どうなっちゃっているのやら。
 また、主役が信長だから仕方ないが、織田信行が悪くなっていますねぇ。一般的に信長がこんなに物わかりの良い善人ではなかったと思うのだが!
 濃姫も政情に関わり過ぎているし。
 まあ、これはけちを付けているだけかも知れませんが、夫に顧みられずに寂しい生涯を送った、女の生涯を観たかった。女心の葛藤とかね。道三死後の、生活を知りたかったので、ちょっと制作側の意図とは思いが違ってしまったと言う事です。
 最近になって一説には、信長の七男信高の庇護を受けたとされるけど。そこいらを描いたドラマを観たかった。


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「闇の狩人」。

2012年03月17日 | 映画・ドラマ
 登場人物が多くて、またこれが複雑に絡み合っていて良く分からないのだけれど、闇の狩人と呼ばれる殺し屋集団があった。五名清右衛門(仲代達矢)と記憶を失った谷川弥太郎/笹塚平三郎(原田芳雄)の男同士の信頼と友情を軸に、谷川弥太郎の妻と五名清右衛門の愛誦が同じ人、おりは/萩野(いしだあゆみ)で、松前藩の秘密固持の為に最期は皆命を落とすって話し。
 ラストの仲代と千葉真一の一騎打ちが、何故か鶏小屋で行われ、羽が舞い散る舞い散る。鳥嫌いの時分には堪らない恐怖シーンでもあったが、五社英雄が狙った効果は分からず仕舞い。
 暫くの間、この鶏たち卵を産まなくなったのだろうなあと、ぼんやり考えた。
 ざっとこれだけの俳優が出演しています。
 仲代達矢、役所広司、梅宮辰夫、ハナ肇、松尾嘉代、いしだあゆみ、岸恵子、室田日出男、原田芳雄、丹波哲郎、神崎愛、千葉真一、隆大介、藤田まこと、大滝秀治、東野英治郎、夏木勲、成田三樹夫、東八郎。
 今では考えられない顔触れですね。

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「大菩薩峠」。

2012年03月17日 | 映画・ドラマ
 膨大な回数映画化されている中里介山作の長編時代小説。虚無に取り憑かれた剣士・机竜之助の甲州大菩薩峠から始まる流浪の旅と、関わる人々の生き様を描いている。 
 今回観賞したのは、1960年度の市川雷蔵版。何が驚いたかって、初っ端から主人公の机竜之助の無益な辻斬りに始まり、人妻を手込めにするわ、殺生を厭わないわの大悪人なのだ。
 最終的には善悪の思いに苦悩するって事になるのだろうが…。
 そして女心。旦那との御前試合を辞退して欲しいと机竜之助に頼みに来たお浜(中村玉緒)が、手込めにされ、旦那を殺された挙げ句に、なぜか竜之助と出奔し、江戸で所帯を持って子どもを産んで、なお、暮らしが芳しくないとなると、前の亭主が良かったとほざいて、竜之助に手討ちにされる。
 どうしちゃったの? って感じだ。この人のエピソード必要だった?
 それはともかくとして、玉緒さんとお松(山本富士子)はかなり奇麗。昔の女優さんはどこから観ても奇麗だと実感。お松さん、これでもかってくらいにどんどん不幸になっていくあたりは、昔のヒロインの定めか?
 そして、俳優もくっきりと分かり易い男前だった。残念なのは、市川雷蔵の化粧が濃過ぎて、真っ白な顔に、これでもかの吊り上がったくっきり眉がいただけない。
 そしてラストは、二昔前の終わり方。抜き身を構え対峙する二人のシーンで結末を観せずにカット! この手法は昭和世代の代表的映画だよね。
 三部作らしいので、残り二本も観ますとも。




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「必殺剣劇人」。

2012年03月16日 | 映画・ドラマ
 これは始めて観ました。カルタの綾太郎(近藤正臣)、早縄の清次(田中健)、すたすたの松坊主(あおい輝彦)、そして最終回のみ中村主水(藤田まこと)が絡みます。
 このメンバーで再放送がないのは何故か?
 個人的に歴代の色気のある時代劇役者は、市川雷蔵、近藤正臣、堀内雅美、あおい輝彦、中条きよしだと思っております。
 その二人が参加ですよ。
 さてさて、仕置人世代には唖然です。殺し方が、カルタの綾太郎は三味線屋の勇次(中条きよし)、早縄の清次は飾り職人の秀と類似どころか、まんま同じ。武器まで一緒。秀の簪も使い回しだったようです。
 しかもこの殺し屋たち、殺した後でひと言(多分アドリブ)を呟きます。
 勇次と秀の方が後なので、必殺剣劇人が元祖になりますが、それを超えた勇次と秀の人気を讃えるべきでしょうか。
 中村主水を初回からのレギュラーにしておけば、ヒットしたと思います。
 やはり大刀の武士がいた方が、面白いし絵になる。



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「必殺仕置人 最終回」。

2012年03月13日 | 映画・ドラマ
 仕置人 中村主水(藤田まこと)、念仏の鉄(山崎努)、棺桶の錠(沖雅也)、鉄砲玉のおきん(野川由美子)、 おひろめの半次(津坂匡章/現・秋野太作)。
 名作です。
 やっぱ良いなあ、念仏の鉄。この頃は念仏の鉄が主役で、中村主水はサブでした。さすがに皆さん若いですが、主水の技は多様あります。仕事人になると、大刀でばっさり。東山の時代になると、脇差しで刺すにほとんど限られますが。
 そして、この回から二枚目の若手を起用。沖雅也が後の秀=三田村邦彦に繋がっていきます。村上弘明も後々登場しますが、秀のキャラは強かったですねぇ。
 関ジャニの大倉忠義も似たような設定でも及びませんでした。
 おっと話が逸れた。
 後にも先にも、同キャラが産まれなかったのが、やはり念仏の鉄。これはもう山崎さん以外無理でしょう。津坂、野川は江戸時代の粋を現すのに相応しいキャラです。
 この回のキャスティングは、必殺史上最高でしょう。ラストも悲壮感が未だありません。次に繋がる終わり方になっています。
 余談ですが、中村主水は南町奉行所のお荷物ですが(知れ渡っている設定はこれ)、最初の頃は北町奉行所で5本の指に入る剣豪で、5つの流派の剣術の目録を受けています(強い筈だ)。それが南町に栄転になってから、あんな人になってしまいました。
 北と南では情報交換がなかったのでしょうか?

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「雷桜」。

2012年03月12日 | 映画・ドラマ
 以前観賞し、なんじゃこりゃの酷評を書きました、サブタイトルは、「側室にすればなんら問題無しなのだけれど」。でした。ですが、原作では、斉道は盛んに側室を要望しますが、遊が納得しません。それも、山を離れたくないといった、山で育った遊にとってはごく自然な考えです。
 こういった何気ないやり取りにも、女性の切ない思いが込められていると思います。愛する重いとと現実の対比に苦しむせつなさ。またリアリティなど宇江佐さんの良さが映画では現されていなかった。
 それが、昨年末からはまりにはまった宇江佐真理さん原作だと知り、宇江佐さんに限ってこんあ安直なストーリはないと思い、原作を読んでみました。
 といっても宇江佐さんの作品を50冊近く読むまでは手を出しませんでしたが、いよいよ読む本がなくなったので仕方なくです。
 そうしたら、何と何と。やはりと言うべきか、「映画になるとこうなっちゃうんだ」と、まるで原作とは別物でした。決められた時間内に収めるのだから、多少は仕方ないと思いますが、原作では主人公の遊と家族の絆がメインでした。それが、単なるラブストーリに置き換えられています。
 何より、宇江佐さんの切ない表現や、美しい日本語が生かされていないのにはがっかりです。そして、最期の見せ場であるシーンがカットされています。
 それで今一度映画鑑賞しましたが、視覚的には文字の方が訴えるものが大きかったように感じました。一度原作を読んでみてください。頭の中に一面の桜の花びらが浮かび上がります。
 



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「海は見ていた」。

2012年03月06日 | 映画・ドラマ
 清水美砂がいつの間にか、こんな役を演じていたんだねぇ。遠野凪子が若い! っうか顔がさらっとしてる。永瀬正敏って、イケメンか? 微妙。吉岡秀隆、むむむ。役が役だけに。つみきみほ、印象なし。
 猫じゃ猫じゃが聞けて良かった。小説での文字でしかしらなかったから。石橋蓮司の身体が皺々で痛かった。年だから仕方ないけど、無理に脱がせなくても。奥田瑛二もかつらのせいか、印象薄し。
 結局の所、直ぐに岡惚れする馬鹿な女郎が、幸せになりそうだぜってな話し。深川風情がコンパクトに味わえます。
 元々黒澤明監督により撮影される予定であったが、ラストの洪水のシーンで莫大なコストがかかることが原因で、製作に至らなかった作品だそうですが、実にコンパクトに低予算で出来上がっていました。スタジオ感有り有りです。ですが、それでも情景は伝わるものです。東宝の砧撮影所の撮影用大型プールを使った撮影だそうです。直ぐにロケではないと分かりますが、それでも大雨の様子は分かります。お金を掛けるだけが映画じゃないと知らしめしたのではないでしょうか。
 黒澤明は宮沢りえ、原田美枝子のキャスティングで撮影するつもりだったそうですが、これがかなりコストが掛りそうですね。そんで遠野凪子と清水美砂か。ひと回り小さくなりました。吉岡秀隆は黒澤明の意向通りの配役だそうです。こういった骨のない役は巧いよね。
 原作、山本周五郎。脚本、黒澤明と、大家の作品でした。観るのが遅かった。2002年公開って事は、やく10年前だものね。この10年の間にCGやら何やら派手になっちゃったから。
 でも、実際はこれくらいでも映画って出来るんだよ。ラストの星空とか青空とかさ。天幕みたいだけど、これでいいじゃないかと、猫じゃ猫じゃとおっしゃいますが…。
 

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