観るも八卦のバトルロイヤル

映画・ドラマを独断と偏見(?)で、
斬って斬って斬りまくる。
※無断転載は一切禁止。

帰って来たコトー先生。「Dr.コトー診療所2004」

2007年02月22日 | 映画・ドラマ
 「Dr.コトー診療所2006」を先に観ちゃったせいか、感激いま一つってところ。可もなく不可もなく無難にまとめて「Dr.コトー診療所2006」につなげました。「こうして2006の話があったわけだ」ってな解説ビデオみたいだったけど、コトー先生の人柄は伝わって来たぞ。
 まあ、それにしても外科から内科から整形外科とか…一人何役もこなし、どの科でも一流の腕前っていうんだから、こんな先生いたらどんなに心強いか知れない。
 

アクション映画は全て挽歌に訳される「明月照尖東」

2007年02月22日 | 映画・ドラマ
 邦題「新・愛と復讐の挽歌」ってのがとほほな感じ。色気も素っ気もありゃしない。香港の大御所・周潤發が「愛と復讐の挽歌」シリーズを樹立させたからなのだろうが、やくざ絡みのアクション物って言えばみんなこれだ。
 明日はよくなるチムサーチョイの東ってのが直訳か?「明月照尖東」。「明日があるさ」ってところかね。それもなんだかね。
 で、このお話はホステスのロザムンド・クアンに恋しちゃった新米刑事の黎明と、そのホステスの元情夫で、クレイジーなマフィアの張学友の三角関係の挙げ句…。というだけの話。
 なのだが、張学友がクレイジー振り全開の演技でかなり笑わせてくれる。なんたって、彼女の誕生日を祝った男は叩きのめすし、花は食っちゃうし、彼女奪回のためには爆弾まで身体に巻き付けたり、銃は連発するは、車にはねられるは…てな奴。こんな男を最初から好きになるとは思えないのだが、彼女は大好きだったんだよね。まあ、「いい女」とか「きれい」とか賞賛されてはいるが、この当時ですでに頬のたるみが気になるロザムンド・クアンだから、まあ、いいか。
 銃を構え合った男2人の間で、指輪らしいプレゼントを渡されて、しかもそれを開けて中を確認しちゃう女ってどうよ? 肝が座ってると言えばいいのか、うーん、やっぱり下品だろうな。
 彼女の勤める店にやって来ては嫌がらせするやくざの親分、観ていて息苦しいほどの下品なことったらないのだけれど、映画全体の作りが下品って気もする。
 しかし、これだけの話で映画1本作っちゃう香港映画界のエネルギーたるや凄いもんだ。
 それにしても黎明若っ。刈り上げ頭で走り回る青年姿には好感は持てたけどさ。今だったら黎明も学友もやらないだろうなこんな役。
 まあ、こちとら香港から戻った翌日に観たものだから、懐かしくって、背景を観てるだけで満足だったけど。




芽生えもいまやおっかさん「地獄少女」

2007年02月17日 | 映画・ドラマ
 くだおもろい(下らないけど面白い)テレビドラマの原点のような作品だった。「一度死んでみる」って閻魔あい(岩田さゆり)の決め台詞の語尾が尻上がりになんるのか? なんで和服に着替えるのか? いっつも同じ着物だぜとか、婆ちゃんはなんで四六時中糸を紡いでいるのか? とか制服着てる割には学校に通っていないとか、突っ込みどころ満載。
 現在はメールで依頼を受けてるけど、ちょっと前までは手紙をポストに投函。その手紙はどうやって閻魔あいの元に届くんだー。
 杉本彩、加藤和樹、小倉久寛ってのがへんてこりんなんだけど、原作に合わせたんだろう。「杉本、胸出し過ぎだから」って毎回気になって気になって仕方なかったけど、原作の骨女がそうなのだから仕方ないっと。
 何はともあれ、展開のテンポが早いのがいい。もったいつけた部分がなく、分かりやすいのもいい。
 楽しめたよ。
 ストーリーとは関係ないけど、麻丘めぐみとかがこんな役やるようになっちゃったんだねー。「芽生え」だったのにね。


ここまでやらなきゃパロディでないのだ。「日本以外全部沈没」

2007年02月17日 | 映画・ドラマ
 原因不明の大規模な天変地異で地球から、日本以外のすべての陸地が沈没した世界の混乱を描く異色SFパニック。
 タイトルからして「なんじゃこりゃ」と口から松田優作が飛び出しそうな勢いなのだが、原作が
筒井康隆ときたら、これはもう「観るしか無い」。だって日本以外が全部沈没なんだよー。
 世界からVIPが続々日本に移住してくるが、日本は定員オーバーで、「食料は?」「居住場所は?」なんてシリアスに考えてはいけないのだ。
 オスカー俳優が借金まみれでエキストラまでやっちゃうとか、合衆国大統領が飲み屋で普通のサラリーマンと肩を並べる。
 ブルース・ウィリス(しょぼいそっくりさん)なんかが小銭欲しさに芸を披露とか、もうハチャメチャ。
 小橋賢児が主演しているが、「もう誰が出ててもいいよ」ってなノリ。筒井康隆先生ご自身自ら出演なさってたくらいだし。
 今回パロディされちゃった本家『日本沈没』で主役の小野寺俊夫を演じた村野武範(テレビ)、藤岡弘(映画)も顔を見せるなどのおまけ付きだ。
 面白かったけど、原作の方がもっと面白いんだろうなー。

沖縄が栄えた「チェケラッチョ」

2007年02月17日 | 映画・ドラマ
 高校生の透(市原隼人)たち3人は、あるバンドのライブを観て音楽に目覚め、楽器もロクに出来ないままバンドを組んで…。という青春ドラマ。
 高校生とラップがメインテーマなのだが、沖縄糸満市が舞台となっているところが、爽快感を与えてくれる。透き通る海やサンゴ礁などなど、全編に漂う夏休みのムード。どうしてこうも人は夏休みが好きなのだろうか?
 仮に東京を舞台にした場合よりも映像の美しさが物語を盛り上げていた。
 ラップの名人(?)役で小錦も登場。
 軽いノリで楽しめる娯楽映画って感じ。ラストの雨の中のラップライブのシーンはハートに響いたぜ。「チェケラッチョ」。

無理だらけ「硫黄島からの手紙」

2007年02月11日 | 映画・ドラマ
 昨年話題を集めた社会派ドラマ。アメリカ製作(スピルバーグ)、ワーナー・ブラザース配給、クリント・イーストウッド監督ってなことで、「アカデミー賞」もあり得るってな前評判だったけど、正直「えっ?」て思ってしまったのは私だけ?
 途中早送りまでして観た結末にも「?」は私だけなのだろうか?
 物語は、硫黄島が第二次世界大戦史上、米軍の本土攻撃を食い止める最期の砦として重要な拠点であり、米軍は当初、圧倒的な戦力の違いから5日で陥落できると踏んでいたが、予想以上の日本軍の抵抗によって激戦は36日間に及んだ。
 この硫黄島での戦いを何人かの人物に焦点を当て、硫黄島での戦いを明らかにしていく。
 戦後61年が経ち、地中から発見された数百通の手紙。届かぬとわかっていてしたためられた家族への思いが、余りにも悲痛で胸を打つ。
 という実話は抜きで、映画の出来としては、「日本人の悲痛」「日本人の心」「日本人の思い」は「日本人にしか分からない」のだというのが私の感想。無理だよ。しかも戦勝国の人間に敗戦国の悲しみなんか分かるものか?
 キャスティングにも内容の進め方にも無理を感じてしまった。悲しいテーマを取り上げた社会派ドラマは受けが良いが、それだけで終っている作品もあるぞ。
 この映画の前哨戦としてテレビ製作された「硫黄島 戦場の郵便配達」の方が私は好きだ。
 また、渡辺謙、中村獅童、伊原剛志らの軍人顔の俳優に加え、一兵卒として二宮和也を起用していたが、彼が家庭を持つ「おとっちゃん」を演じるのは厳しかったかな。少年兵として硫黄島にいるという設定の方が自然だったように思える。
 アメリカからの視点と日本からの視点で撮ったということも話題になっていたが多分、アメリカ側の「父親たちの星条旗」(まだ観ていない)の方ができはいいだろうと予想する。

人生これ全て賭け「ビッグマネー!」

2007年02月11日 | 映画・ドラマ
 長瀬智也はいつ何で観ても「いい男だねー」ってなドラマでした。終了。
 と、これではあんまりなので、もう少し続けると、脇が良かった。小日向文世、植木等、松重豊…。私なんか、植木等さんが出てるだけで観ちゃうもの。だって「金の無いやつは俺んとこに来い。俺も無いけどなんとかなるさ」だよ(今の人には分からないか?)。
 松重豊もいろんなドラマで「いい味出してる」し。
 準主役の原田泰造も頑張った。
 株が分かる人にはかなり面白い内容だったと思うが、内容が分からなくても、ずるさや駆け引き、人間の表と裏の顔と勉強になった人も多いのでは?
 いやー、それにしても、家に植木等さんがいてくれたら楽しいだろうなー。

「太陽に吠えろ」からの「ケイゾク」

2007年02月11日 | 映画・ドラマ
 中谷美紀がすっとこ(どっこい)女ぶりを発揮。風呂に入らないから「頭が臭い」キャラを演じているのだが、臭くても、すっとこでも「きれいだから許される」ということを、「全国の女性は気付かなければならない」の戒めをもドラマは伝えているのだ。
 訳あり刑事が吹き溜まりのような「捜査二係?」で迷宮入り事件の捜査をしてるのか、資料に埋もれているのか分からない勤。そこに使用期間で配属されたキャリアのすっとこ中谷美紀のすっとこ振りと「だけど頭脳は優秀」振りで事件を解決していく前半は面白かった。
 のだが、後半になって、一話完結ではなく、妹を殺された渡部篤郎の復讐に入ったあたりから、頭がこんがらかってきてしまった。なんだかオカルトチック要素もありで、話について行けなくなってしまい、最終回で中谷美紀が殉職するシーンにも、もはや何も感じなくなってしまったのが残念。
 オカルトチックな展開にするために、野口五郎が入れ替わって警察幹部になっていたり、元の自分の顔をほかの人間に押し付けた? り、などというストーリに無理があったと思われる。
 反面、渡部篤郎ってちょいイカレタ役が似合うよね。鈴木紗理奈の裏の顔とか、その恋人らしき刑事(野口五郎の部下)のシリアスシーンがよく分からなかったりもしたけど、鈴木紗理奈、最後の撃たれて死んじゃうシーンでは、頭をコンクリートの(なんて言うの? 歩道と車道の境界の一段高くなっている部分)上に乗せたままだったから、「こりゃあ、首が痛くなっただろうな」と入らぬ心配までしちゃったよ。
 捜査二係の係長か? 竜雷太。「昔は、ゴリ押しのゴリさんと呼ばれた」とか、中谷美紀の役名が柴田純だったりと、「太陽に吠えろ」をところどころに入れ込んでいたのは、監督の趣味か?
 因に柴田純ってのは、「太陽に吠えろ」一作で、スターダムにのし上がりその後、ハードボイルド役者として超人気だった故松田優作さんのジーパン刑事の役名。殉職シーンの「なんじゃこりゃ」はドラマ史上の名言だが、もはやこの台詞を知らない世代が増えたんだろうね。「ケイゾク」の中でも、すっとこ中谷が言ってたよね。
 

そして日本は助かった「新日本沈没」

2007年02月03日 | 映画・ドラマ
 「頑固一徹」な面構えの子役を救うためにレスキュー隊が、火災現場へロープでピューンと飛んで来るが、どこに繋がっているロープなのかとか、ほかの隊員はとか、ロープでターザンやってるときの背中は確かに男性だったのに、着地したら柴崎コウだったとかは気にするまい。大地真央がなんでズラを被っているのかについて追求するまい。日本が沈没するってので、みんな大慌てで取り乱したり、国外脱出してるのに、普通に勤務して、業務をこなす銀行員とかスーパーの店員とか…なんて素晴らしいんだ。彼らこそ真の日本人なのだ。これがわが国の武士道なのだ。
 草薙剛も、豊川悦司もこんな銀行員の前に目に入らなかった。
 あまり感想もないが豊川悦司には「一緒に生きて空を見よう」くらいは言って欲しかった(「海猿」参照)。そしたら熱いドラマになったのに。
 

ジャニーズのためのジャニーズによる「白虎隊」

2007年02月03日 | 映画・ドラマ
 薬師丸ひろ子は泣かせてくれた。浅野ゆう子は魅せてくれた。ほかお母さん役の女優陣は頑張ったんだけど…「白虎隊」じゃないよね、もはや。
 前後の現代劇はいらなかったし、全体に作りがちゃっちい。戦闘シーンなんか50人くらいで「えいや、えいや」って戦っている感じで、経費をかけなかった分、カメラワークでカバーしてた感が否めない。カメラマンさんお疲れさまでした。
 ジャニーズは? 田中聖は頑張ってた。だてにジャニーズなのになんで坊主なの? キャラではなかった。東山紀之もお侍顔で時代劇向き。何を考えてるか分からない殿様って感じは本のせいなのでこれは置いておこう。が、山下智久。完全にキャスティングミス。台詞回しがまったく「黒鷺」でそこいらの兄ちゃんだもん。これは観てる側もきつかった。ビジュアル的にはいけてたのでこれは○だけど。
 全く関係ないけど、最近のジャニーズって「なんであんなに無意味にマッチョなの?」。
 それにしても長州って悪い奴だよねー。薩摩も腹黒い。ってな描かれ方で薩長的にはいかがな作品だっただろうか? 坂本竜馬は登場しなかったが、薩長連盟に貢献しちゃったのって竜馬でしょ。大政奉還も竜馬。ってことは会津の悲劇は竜馬が産んだってことじゃん。
 前々から感じてたけど、やっぱり、西と東は同じ日本人じゃないってこと。人種が違うんだよなー。
 京都守護職に薩摩を置いておけば、こんな悲劇はなかったんじゃないかってのは後の祭り。どう考えても島津さんが配置されるべきだったでしょうが…。
 しかし「白虎隊」って一戦も交えず自刃した、早とちり君たちのお話だと思ってたけど、違ったんだね。飯沼貞吉以外は全て死んでしまったとも思ってたけど、飯盛山で自刃したのは25%。
 ドラマだから、特にジャニーズはかっこ良くなければならなかったんだろうけど、精鋭の武士たちが歯も立たずに敗退してる長州軍と戦って初陣の「白虎隊」があれだけ戦えるはずないじゃん。
 内館真紀子さんは凄い作家だとは思うけど、ハードボイルドな本格時代劇を求める人には不向きな本。「毛利基成」もそうだったけど、どうしてもこの人「女女」した目でした物事を捉えられないから。今回も完全に行き過ぎ。
 ラストに「一部登場人物とストーリーは架空のものです」とテロップが出てたけどさ、「ここまで史実曲げるなよ」ってな感じ。
 それと薬師丸のナレーションを先読みし過ぎだよ。
 最終的に、ドラマを観終わって、「やっぱり西の人間は嫌な奴だ」ということと、「男気溢れる東北人に拍手」(新政府軍を向こうに、奥羽越列藩同盟を結成して新政府との間で東北・北越戦争が展開。9月の会津戦争を最後に同盟側の敗北に終わった)戦わなくてもいい戊辰戦争に参戦した。これを男気としないでなんとする。
 司馬遼太郎は「会津藩を思うと我が民族も捨てたもんじゃない」って言ってるんでしょ。まさにその通り。でもさ、今の会津の人って違うよね。会津藩は国替えになったもん。どこにいるんだ? 正義と忠義の武士たちは?
 「幾人の涙は石にそそぐともその名は世に朽ちじとぞ思ふ」 松平容保
 しかし、20年ほど前の、森繁久彌が子供と走り回ってた「白虎隊」の方が好きです。堀内孝雄の歌と、蘇生した飯沼貞吉を宮川一朗太が演じてたのと森繁久彌、松平容保を風間杜夫が演じてたくらいしかもはや覚えていないが、坂上忍、新田順一が白虎隊士で、近藤正臣が土方だったらしい。
覚えてないのになんで? となると20年の年月を経ても、風間杜夫が馬で京都から敗走するシーンとか、森繁久彌が子供を抱えて、城に立てこもり砲弾を浴びたりとか、終結後、お国替えで野山を歩く宮川一朗太とかの姿がまだ脳裏にこびりついているから。それだけ印象深かったってことです。

空を見るために生きるのだ。「海猿 LIMITED OF LOVE」

2007年02月03日 | 映画・ドラマ
 1960年代、70年代に多々ありました。こんな熱いドラマ。「でっかい太陽」とか「これが青春だ」とかね。それをまねてできたのが、「飛び出せ青春」「我ら青春」などなど。当時は若者も今より単純だったのだろう、熱い台詞に胸打たれてジーンとしたりしたものだった。
 ということで、「海猿 LIMITED OF LOVE」。熱っい映画だったぜ。ドラマの1、2は観てたけど、「まあ、こんなものか」という感じで映画にあまり興味は湧かなかったのだが、観てみた。
 そしたら熱いのなんのって。沈没船に取り残された伊藤英明に時任三郎が「生きて帰って来い。そして一緒に空を見よう」だよ。そりゃあ、時任三郎にそう言われたら、何が何でも生きて帰らなくちゃ。
 ラスト近くなんか、空を見上げる時任三郎。
 とにかく全編熱い台詞のオンパレードで、「大マジ」。
 このドラマのどこに石黒賢を配置する必要があったのかは疑問(ほかのそこいらの役者でも良かったくらいな役回り)はあったにせよ、加藤愛が「うるせー」という不満はあったにせよ、「あんな文句っ垂れ助けるな」という不服はあったにせよ、佐藤隆太、また船から動けなくなって海中で死ぬのか(ローレライと同じ)という不安はあったにせよ、「和製タイタニック」と表題されている(バッタもんだから?)不可思議はあったにせよ、良かった。かなり良かった。映画としては感動大作。
 撮影秘話で、通常船が沈む映画に船会社は協力をしないが、この船会社の広報部の女性が伊藤のファンだったため、単独で承諾しちゃったって話があったけど、これだけの「いい映画」のテロップで社名が流れたら、結果オーライだ。
 人間死ぬ時は「空」なのだ。と目から鱗の「海猿」だった。
 忘れてたけど、主演の伊藤英明、すげー純粋で、「いいやつ」ぶりが役に合ってた。確か、一連の「海猿」シリーズでは彼はチェリーボーイなんだったよね。