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自然の中で見つけたステキなモノ

夏の雲仙登山~新道を行く!~(長崎県雲仙市) その3

2012年08月19日 | 山のお話

西の風穴北の風穴を過ぎ、有明海のパノラマを一望した後は、平成新山を間近に望む立岩の峰を目指します 

ちょっと変わったお花を発見子どもの頃によく遊んだモールを組み合わせて作ったようなこの白い花。名前が分からなかったのですが、家に帰って調べてみたところ、どうやらユキノシタ科のアカショウマ(赤升麻)のようです。花が白いのに赤升麻と言われる由縁は、漢方の升麻に外観が似ていて、葉柄や根茎の一部が赤みを帯びているからなのだとか。この写真では赤い部分が見当たらないので、名前を覚えるのが難しそうです

この新道は、普賢岳が噴火してから20年間立ち入り禁止になっていた場所。そのため自然がほぼありのままの状態で残っていて、登山道にある岩にきれいに苔が生していたりします。さて、立岩の峰までもうひと登り!

足場が悪いので、しばらく下ばかり見ながら歩いていたのですが、ふと顔を上げるとすぐ目の前に平成新山の姿が まだ岩だらけで、「山」というよりはむしろ「噴火の跡」という感じの平成新山ですが、近くで見ると少しずつ緑が増えていることが分かります。あと100年もすれば全体が緑に覆われた「山」になるのかな~?

鬼神谷から35分ほどで平成新山を望む立岩の峰に到着~これまで何度も雲仙に登ったけど、当然のことながらこんなに平成新山に近づいたのは初めて 火山ガス等の影響で、これまで一番近くても普賢岳の頂上までしか行けなかったのですが、すぐ目の前で立つことができるなんて、まさに感動ものです 地球は生きていて、その営みによって新しい山が誕生する。人間だったら20歳になると成人と呼ばれるけど、地球の歴史からすればこの平成新山はまだ産声をあげたばかりの赤ちゃんみたいなもの。これからも少しずつ変化し続ける平成新山の姿を見守っていきたいものです

この辺りは20年前の噴火の時どうなっていたんだろう?詳しいことは分かりませんが、火山ガスの影響で植物達が随分枯れてしまったのかも知れませんね 

向こうに見えるのは立岩の峰の展望所。今回は時間がなかったので、展望台はスキップしました 

ここから50mほど歩くと霧氷沢という所に出るようですが、今回はこちらもスキップ。そのまま普賢岳山頂を目指します。 

立岩の峰からおよそ20分ほどで普賢岳山頂に到着~ 意外と早かったなぁ~。頂上の向こうに見えるのが平成新山。この普賢岳からの景色はもう何度も見てきたけど、立岩の峰から見る平成新山の景色は、全く違う山を見るようでした

今回初めて辿った新登山道は、雲仙の新たな一面を見ることができてとってもおもしろいコースでした。今までとは全く雰囲気が違って、野生に近い雲仙の姿を見ることができますので、興味を持たれた方はぜひ登ってみてください。kero-keroが自信を持ってオススメしまーす


夏の雲仙登山~新道を行く!~(長崎県雲仙市) その2

2012年08月19日 | 山のお話

ゴツゴツとした平成新山の姿が前方に現れ、その姿を間近に見られるという新道への入口も徐々に近づいてきました

登山道の傍らにとっても存在感のある変わった花を発見これは反り返った花被片が特徴のヤマホトトギス。ユリ科の植物ですが、その花はまるでホタルイカのようつぼみの形は閉じたパラソルのようで、これまたなんとも可愛らしい

両側に真っ白なシシウドの花が咲く森を抜け、いよいよ5月に開通したばかりの新道へ入って行きます高校生達とはルートが違うので、この先の鬼人谷口でお別れです

こちらはユキノシタ科のクサアジサイの花。一般的なアジサイと比べると葉っぱのギザギザが深く、7月から10月くらいまで花を咲かせるそうです。山に入れば梅雨時だけでなく秋口までアジサイの花を楽しめるんですね

西の風穴の説明板を発見説明板によると、この風穴は夏でも涼しく、その特性を利用し、蚕の卵の保存に使われていたのだとか。普賢岳にあるこれらの風穴は、明治以降に発展した絹糸の生産に大いに貢献していたというのです。

 

風穴はあちこちに隙間があり、冬場は冷気が吹き込み、内部の岩盤もどんどん冷やされ、0℃以下にもなるとのこと。夏でも内部の温度は4℃程度に保たれ、蚕の保存の他にも氷室として氷づくりなどにも利用されていたのだそうです。

説明板の下に手をかざすと、まるで冷凍庫を開けた時のように冷たい空気がどんどん流れ出てきて、とっても気持ちいい~ 辺り一帯も真夏なのに嘘みたいに涼しいんです。これには本当に驚きました

大きな岩にがっしりと根を張り、いまにもそこから抜け出そうとしているかのような木を右手に見ながら、どんどん新道を進んで行きます。 

北の風穴に到着~ご覧の通り、西の風穴よりもこちらの方が穴が大きく、出てくる冷気の量も大量ですこれまたびっくりするくらい涼しくて、しばらくの間ここから動きたくなくなっちゃいました 

ここから望むのは有明海の大パノラマ。この日は多少雲が多かったものの、絶景を望むことができました

北の風穴からさらに新道を進んでいくと、湯江川の源流に辿り着きました。辺りを探しても水の流れを見つけることはできませんでしたが、ここから流れ出る一滴一滴の水が次第に湯江川を造り出して行ったのでしょうね 

今回お供させていただいた山のベテランH田先生の後を追って、緑溢れる新道をハイペースで登って行きます平成新山を望む展望所まではもう一息!続きはその3をお待ちくださいませ

その3へ続く