松尾家の朝ご飯
『寒波の影響で長崎市内の露地ビワはほぼ全滅』
そんなニュースが流れてきたのは、ちょうど3月の初め頃だったでしょうか。そのニュースを聞いて、ほぼ毎年ビワの出荷のお手伝いに行っている野母崎の松尾さん家のビワが心配になり、久々にお泊りセットを持って野母崎へ行ってきました
いつも私を温かく出迎えてくれるお父さんとお母さん。例のごとく、私がいつもの場所に車を停めると、すぐに畑仕事を止めて「おーい」と手を振りながら満面の笑みで迎えてくださいました
家に入ると薪ストーブから放たれる柔らかな温かさを帯びた心地よい熱と優しい炭の香りに包まれ、その上にかけられた白いホーローのポットからは香ばしいコーヒーの香りが漂ってきます。この空間が私はたまらなく好き
私の手みやげを お茶うけに、しばし3人でコーヒーブレイク。案の定、松尾家のビワは他のビワと同じように全滅だそうで、寒さで果実の芽が枯れてしまったとのこと。完全無農薬栽培の松尾家のビワは親戚にも好評で、今年もあちこちに送りたかったのですが、残念ながらそれは叶わなくなってしまいました。やはり我々は自然の力に抗う事はできませんが、それが土と共に生きるということ。自然の治癒力を信じて、来年はビワの樹々が再びたわわに果実を実らせてくれる事を期待しましょう
コーヒーブレイクの後はちょこっとだけ畑のお手伝い。長崎市にあるイタリアンレストラン『ピアチェーボレ』にお届けするイタリアンパセリの収穫を任されたので、籠いっぱいに収穫しました~フレッシュなパセリの香りに包まれてとっても幸せ
お手伝いの後は晩ご飯の準備に取りかかります。と、その前に「デザートにみかんを取りに行きましょう!」とお母さんがみかん山へと連れて行ってくれました。 みかん山には八朔、甘夏、レモン、ライムなど様々な柑橘類が植えられていて、しばらく見ないうちにどれも大きく育っていてビックリ最初にお手伝いに来た7年くらい前はもっと小さかったのになぁ
お次はメインのブラウンシチュー作りのお手伝い。お母さんの指示に従い、小麦粉をサラダ油でじっくりローストする事40~50分、シチューのルーが完成しました最初は粉っぽかったのにこんなにサラサラになるなんて不思議~奥の土鍋ではお母さんが事前にとっておいてくれた鶏ガラスープでお肉と野菜をグツグツ煮込んでいます。ルーはそのまま入れるとダマになるので、少しずつスープで延ばしてある程度馴染んだら土鍋へ投入~
後は薪ストーブの上でコトコトと煮込みます。すっごく美味しそうでしょう?(ってこの写真は食べた後に撮ったものですけどね)
私が来るまで取っておいてくれたワインで乾杯3人での宴会が始まります。ちなみにランチョンマットは私が随分前にプレゼントしたもの。家に着いた時にはテーブルの上にセッティングされていてとっても嬉しかったです
お酒好きなお父さんと差しつ差されつ語らい合っているうちに、お母さんがもう一品料理を作ってきてくださいましたこれ、何の天ぷらか分かりますか?右はヨモギで、左はなんとツワブキの新芽なのだそうですこれがまた美味しいのなんのって、天ぷら好きにはたまりません私が「美味しい~」と感動しながら天ぷらをパクパク食べていると、「農家のお楽しみよ」とニコニコしながらその様子を嬉しそうに眺めていたお母さん。その笑顔を見ながら、「あ~、私もいつかこんなステキな女性になりたいな」と思った35歳の私なのでした
こちらは松尾家の末っ子りんちゃん。とっても甘えん坊なんだけど、すごくお利口さんなワンちゃんです。翌朝私が目を覚ますと、すぐに気付いてペロペロとご挨拶をしにきてくれました。何度も来ているからすっかり覚えてくれているようです。もう10歳位になり老犬の域に入ってきたりんちゃん。どうかこれからも長生きしてね
来年度は今のお仕事を辞める事にしたので、松尾家にお手伝いに行ける回数も増えそうです。MY長靴も置かせてもらったし、これからまた楽しみが増えそうな予感何もない日常を意味のある毎日に変えて行けるように、日々楽しみたいと思います