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自然の中で見つけたステキなモノ

鉢巻山展望所の彼岸花(長崎県大村市野岳町)

2010年10月04日 | 展望台のお話
「彼岸花って何色の花?」と聞かれれば、ほとんどの人が「赤」と答えるでしょう。でも実は赤だけじゃないんです。白や黄色の彼岸花があるってご存知ですか?


ここは長崎県大村市にある鉢巻山展望所。野岳湖の近くにあるこの展望所では、毎年この時期に『ひがん花まつり』が行われており、地元の人たちによって植えられた100万本もの彼岸花が辺り一帯を紅白に彩ります。メインは真っ赤な彼岸花ですが、その次に多いのはなんと白い彼岸花。


その色は真っ白というより、ちょっと黄色がかったクリーム色。一見すると別の花のようにも見えますが、その姿形は彼岸花そのものです。真っ赤で少し毒々しい感じの彼岸花とは違って、ふんわりと柔らかな雰囲気です。


そうそう、毒と言えば幼い頃「彼岸花には毒があるから取ってきちゃだめ」と言われたことがありませんか?よく近くの田んぼで遊んでいた私は、真っ赤な彼岸花を花束にして両親へのお土産に持って帰ろうとしたのですが、いつしか母親か祖母に教わったその言葉が耳に残り、断念した記憶があります。実際その鱗茎には毒があり、誤って食べると吐き気や下痢などの中毒症状を起こし、ひどい場合には死に至るのだとか。田んぼの周りに彼岸花が多いのは、昔の人がその有毒性を知り、ネズミなどの田を荒らす動物を近づけないために田の周辺に彼岸花を植えたためなのだそうです。子どもの頃は半信半疑でしたが、「彼岸花に毒がある」というのは本当の話だったのですね


この日は私の提案で小学2年生の姪っ子と私の両親と一緒に彼岸花観賞へ。太陽の光が夕陽色に染まり始める時間帯に鉢巻山に到着しました。


真っ赤な彼岸花の向こうに見えるのは、いつも穏やかな大村湾。太陽の光を浴びて黄金色に光っています。


今夏の猛暑のため例年より開花が遅かった彼岸花ですが、私たちが訪れた10月1日にはすでに花の盛りを終え、少し枯れかけていました。ちょうど一週間くらい前が見頃だったようです。


彼岸花もさることながら、この展望所からは五ヶ原岳や多良岳の美しい稜線と大村湾を望むことができ、その素晴らしい景色はいつ訪れても人の心を穏やかにさせてくれます。桜の木もたくさん植樹されているので、春の景色もオススメですよ~ ちなみにここに来るといつも気になるこの木は、すでに枯木となっているようですが、その立ち姿には何とも言えない風格があり、思わず毎回写真を撮ってしまいます。一体何の木なんだろう?


大村湾に太陽がゆっくりと沈んでいきます。
彼岸花達もまるでその様子を見守っているかのようです。

夕陽が沈むまで眺めていたいなぁ
いや、でも帰って晩ご飯の準備をしなきゃ!

というわけで、これから見られるであろう美しい夕景を想像してうっとりしつつも、主婦の仕事を全うすべく、最後にこの一枚をカメラに収め、鉢巻山を後にしたのでした 来年はうちの旦那さんも一緒に、もう少し早い時期に訪れてみたいと思いまーす