黄色いカエデもきれいです
県民の森でたくさんの「もみじ」を見つけました
紅葉する樹木の代表選手は、誰もが知っているこのカエデ。葉が蛙の手に似ていることから、「かえるで」→「かえで」と呼ばれるようになったと言われています。一般には「もみじ(紅葉・黄葉)」とも呼ばれますが、実は「もみじ」というのは紅葉した草木の総称。つまり、カエデ以外でも紅葉または黄葉した樹木の葉はすべて「もみじ(もみじば)」なのです。
カエデに負けないくらい見事に紅葉していたのはヌルデ(ウルシ科)。伐採や倒木の後にいち早く生えるたくましい植物です。幹を傷つけて白い汁を採り、塗料として使っていたことからその名がついたと言われています。
この植物の特徴は、葉の軸に翼(よく)があること。ぱっと見では分かりませんが、よく見ると茎のような部分にも葉っぱのようなものがあります。実は私も父に教えてもらうまで全く気づきませんでした。ウルシの仲間ですが、触ってもかぶれることはあまりないとのこと。でも皮膚の弱い人はちょっと注意した方がいいかもしれませんね!
ナンキンハゼ(トウダイグサ科)の紅葉も見事です!緑、黄、橙、赤と様々な色が混ざり合っていて、とってもきれいです。ナンキンハゼの葉を見ていると、小学生の頃、ナンキンハゼの葉を点々塗りでいろんな色に塗って先生に褒められたことをふと思い出しました。褒められたことはいつまでも記憶に残っているものですね~
明るい黄色に染まっているのは、タカノツメ(ウコギ科)。「タカノツメ」というと唐辛子を連想させますが、それとは関係なく、冬芽の形が鷹の爪を思わせるのでその名が付けられたのだそうです。薄暗い森の中でひときわ目立つ存在となっていました。
明るい橙色に染まる樹木もありました。樹木専門の父が、持参していた樹木の図鑑で種類を調べていましたが、結局分からずじまい。一体何の木なんでしょうね~?
紅葉した樹木に目を奪われつつも、ふと足元を見ると、緑色の可愛らしいシダの葉っぱを発見しました!これはどうやらシシガシラというシダの赤ちゃんのようです。お正月の飾りに使われるウラジロとは葉の形が全然違って、ちょっと肉厚な感じです。
斑入りのちょっとおしゃれなシダを見つけました。野草担当の私が、シダの図鑑で調べてみたのですが、これまた名前が分かりませんでした。実はシダじゃなかったりして…
県民の森の中には、水車小屋や炭窯の跡などもあります。昔はこの山のあちこちで炭が焼かれていたらしく、その跡が今もなお残されているのです。時々このような場所に出くわすと、まるで数十年前の日本にタイムスリップしたような気分になります。
歩いては樹木を見上げて立ち止まり、また歩いては足元の小さな草花を見つけて立ち止まる。見たことのない植物があれば、その場で小さな図鑑を開き、とりあえず、「どれどれ」と調べてみる。でも調べてみても分からないことの方が多く、「うーん、わからん!」「何なんだろうね!?」と諦めてはまた歩き出す。こんなことを二人して何度も繰り返すのですから、当然なかなか前には進みません。
でもそれが自然散策のおもしろさ。自然の中にあるものに触れ、一緒にいる誰かと驚いたり、感動したりすることで、その誰かと確実に繋がりあえるのです。
県民の森は、長崎県民にもあまり広く知られてないちょっとマイナーな場所ですが、四季折々に表情を変え、訪れる度に違った感動を与えてくれるステキな場所です。キャンプ場や天文台もあり、時々イベントも行われているようなので、興味を持たれた方はぜひ一度遊びに行ってみてください。HPはコチラ→『ながさき県民の森 ~森林からの便り~』