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自然の中で見つけたステキなモノ

松尾家滞在記3

2006年06月11日 | 植物のお話

               ヤマアジサイの一種(おそらくベニガクもしくはクレナイ)

長崎では毎年6月になると梅雨の時期を迎えます。毎日どんよりとした曇り空で、雨がしとしとと降り続き、あまり気持ちの良い季節とは言えません そんな中、私の気持ちをパッと明るくさせてくれるのが、色とりどりのアジサイ(漢名:紫陽花)たちです。松尾家の畑の一角にも様々な種類のアジサイたちが賑やかに顔を並べていました。

              

ユキノシタ科のアジサイは日本原産、「アジ」は「あづ=集まる」、「サイ」は「さあい=真藍」、つまり「青い花集まっている」という意味だったようです。原種はガクアジサイで、名前の由来の通り色は青だったと言われています。西洋人がヨーロッパに持ち帰ったガクアジサイを改良し、日本に里帰りしたものがテマリ型のアジサイで、一般に西洋アジサイと呼ばれています。最初に西洋に紹介したのは長崎に縁の深いシーボルトで、彼は日本から持ち帰ったガクアジサイを愛する人「お滝さん」の名前にちなんで「ハイドランジア・オタクサ(Hydrangea Otakusa)と名付けました。ちなみに長崎の銘菓「おたくさ」はアジサイを象ったパイ菓子で、お土産に持っていくと結構喜ばれます

ではここで松尾家のアジサイたちを紹介しましょう♪品種を調べてみましたが、おおまかにしか分かりませんでした。なんせ種類が豊富なもので…

              
               ガクアジサイの一種 アマチャにも似ています 

               
                隅田の花火 本当に花火みたい!

                
                ガクアジサイの一種 おそらく西洋で改良されたもの

               
                西洋アジサイの一種 半テマリ型

              
               カシワバアジサイ (八重) 葉が柏の葉のような形をしています

ご存じの通り、アジサイの花びらのように見えるものは「がく」で、専門的には装飾花と呼ばれています。ガクアジサイは装飾花を「額」に例えた名前で、中央に集まっている細かい花を装飾花がぐるりととり囲んでいますが、テマリ型のアジサイは全てが装飾花で、花は退化し結実しません。驚いたことに、松尾家のアジサイたちは、そのほとんどが挿し木によって成長したものなんだそうです。挿し木は、花の終わった枝や花のついてない枝で、緑色の若い枝を使い、梅雨の時期に行うと立派に成長するようです。ただし、8月以降に枝を切ると翌年花がつかなくなるそうなので気を付けましょう

                

それにしても、調べてみるといろいろなアジサイがあるものです。中でもこのカシワバアジサイはアメリカ種で、花の形も葉の形もアジサイの原種とは全く違う植物のようです。和品種のアジサイと西洋アジサイを比べてみると、繊細で素朴な味わいのあるものが和品種、豪華で色鮮やかなものが西洋種という印象を受けます。やはりその土地の文化が反映されるものなんでしょうね。

皆さんもこのじめじめとした梅雨を楽しく過ごせるように、アジサイの観察をしてみてはいかがでしょう?新種のアジサイを発見できるかも知れませんょ

滞在記はもうちょっと続きます

松尾家の皆さんへ
最初に「おそらくベニガク」と紹介していたアジサイは、もし本当にベニガクだったら徐々に赤くなっていくそうです。時々観察してみて変化があったら教えて下さい