埼玉県秩父市で６月２８日から行われた第６５期本因坊決定戦七番勝負の第５局は挑戦者の山下敬吾天元が羽根直樹本因坊に白番７目半勝ちし、４勝１敗で奪取した。
山下は本因坊初挑戦で獲得を果たし、歴代１６人目の実力制本因坊になった。また、天元と合わせて２冠を制した。羽根の３連覇はならなかった。
＜山下天元の話＞
難しい碁が多く、錯覚もありましたが、一局一局集中して打てました。初の本因坊獲得については、まだ実感がわきませんが、ほっとした気分です。
＜羽根本因坊の話＞
ずっと布石の内容が悪く、第２局以降は常に追いかける展開で苦しくなりました。実力不足でシリーズを盛り上げることができず、申し訳ありません。
（毎日新聞より抜粋）
「足取り鮮やか山下の完勝譜」、「羽根、万策尽きて終幕」
（週刊碁見出しより）
◇ ◇ ◇
山下新本因坊、初戦を落としたものの、その後は破竹の４連勝でビッグタイトルを奪取しました。「フルスィング・山下」らしい力碁のシリーズでした。
一方、３連覇を逃した羽根前本因坊、力戦派・山下のペースに引き込まれた格好ですね。「忍の貴公子・羽根」らしさが影をひそめたシリーズのような気がします。
本シリーズ、山下新本因坊のように自分の土俵で戦うことが、勝利への近道と感じましたね。
◇ ◇ ◇
今回の対局地は埼玉県秩父市の「ホテル美やま」。秩父は関東平野から山を隔てた地にある影響か、独特の風情があるような気がします。
秩父には武甲山というシンボル的な山があり、以前（３０年以上も前）この武甲山に登ったことがあります。
山頂付近は石灰岩の採掘でかなり削り取られていましたが、現在はさらに削られ見る角度によっては山容もかなり変わっているでしょうね。
人類の発展を支えた鉱物資源ですが、自然の景観が壊れていくのは複雑な思いがいしますね。
