天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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第33期棋聖戦第2局/山下棋聖が2連勝

2009-02-02 21:22:59 | プロ棋士

 第33期棋聖戦七番勝負、山下敬吾棋聖と挑戦者、依田紀基九段の第2局は1月28日から神奈川県平塚市で行われ、白番の山下棋聖が半目勝ちし、今シリーズ2連勝とした。
 中央の白模様に鋭く踏み込んだ依田九段に、山下棋聖も強手で応じ、コウ争いで黒を分断した。さらに中央黒を攻めたが、依田九段がこれを捨てて左辺に侵入したのが好判断。わずかにリードして終盤に入ったが、寄せにミスがあり、山下棋聖が際どく逆転勝ちした。
 第3局は2月4、5日、広島県尾道市で行われる。

<山下棋聖の話>
 最初は形勢が悪くないと思っていたが、中央のまとめ方がわからず、難しかった。

<依田九段の話>
 僕が勝つ図もあったと思うが、ずっと苦しかった。いい勝負になるように頑張りたい。

           (読売新聞より抜粋)

    ◇  ◇  ◇  ◇

今週の「週刊碁」トップページのタイトルは「山下一直線」、「依田鬼門の半目に泣く」。

山下棋聖の模様、依田九段の実利の展開は予想通り。依田九段の捨石作戦で黒優勢との評判でしたが、終盤まで離されず粘り抜いた山下棋聖の半目勝ちでした。
山下棋聖というと力技での中押し勝負のイメージが強いのですが、本シリーズでは小差で2連勝と渋い一面も見せてくれました。冬将軍、好調のようです。

依田九段にとっては痛い半目負けでした。終盤は緊張のヨセ勝負でしたが、時間に追われたかミスが出てしまったようです。
二十五世本因坊:趙治勲も40台半ば頃から秒読みで微妙な狂いが出てきたように思われますが、年齢的な問題もあるかもしれませんね。

2連敗と苦境に立たされた依田挑戦者ですが「名人4連覇」など幾多のタイトルを保持した実力者、若手の勢いに負けない意地をみせてほしいところです。

    ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は神奈川県平塚市のホテルサンライフガーデン。平塚市といえば木谷道場のあったところ。今年は「木谷實生誕100年」、本局もその記念として打たれたようです。

第一日目の午後、大竹名誉碁聖、二十四世本因坊秀芳、小川誠子六段による「木谷實生誕100年記念鼎談」が行われ、会場いっぱい、涙と笑いに包まれたそうです。

加藤正夫名誉王座がご存命でしたらこの会に出席され、さらに盛り上がったことでしょうに残念なことです。

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