天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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第33期棋聖戦第3局/依田九段が半目勝ち

2009-02-10 20:20:29 | プロ棋戦

 第33期棋聖戦七番勝負、山下敬吾棋聖と挑戦者、依田紀基九段の第3局が2月4日から広島県尾道市で行われ、白番の依田九段が半目勝ちし、通算成績を1勝2敗とした。
 白が上辺、黒が下辺に模様を広げた本局は、依田九段が下辺白を生還させて優位に立ったが、山下棋聖は厚みを生かし、中央黒の大石を猛攻。依田九段は際どくしのいだ後、寄せで追い上げを許したが、微差で逃げ切った。
 第4局は2月19、20日、岩手県花巻市の佳松園で行われる。

<依田九段の話>
 地では走っていたが、難しい碁だった。大石はもっといいシノギがあったと思う。

<山下棋聖の話>
 あまり地がなく、大変な碁だった。気持ちを切り替えて次の対局に臨みたい。

           (読売新聞より抜粋)

    ◇  ◇  ◇  ◇

今週の「週刊碁」トップページのタイトルは「依田の執念」、「山下に半目の逆襲」。

依田九段の明るい序盤構想は誰もが認めるところ、終盤でのもたつきはありましたが何とか逃げ切りました。
序盤の遅れをフルスィングで追い上げる山下棋聖、猛攻むなしく半目に泣きました。
第3局で1勝を返した依田挑戦者。次の4局目で流れが変わるか。注目のみちのく対局です。

    ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は広島県尾道市因島のナティーク城山。因島は「本因坊秀策」生誕の地、記念館や墓碑、顕彰碑などがあるようです。

依田九段は対局前日に秀策の墓碑を訪ね、終局の翌日も報告に訪れたそうです。よほど思い入れが強いのでしょうね。
本局では1手~6手まで「秀策流」の布石でしたが、7手目で山下棋聖が左上に一間カカリと変化しました。当時は無かったコミの影響でしょうか。

本シリーズ、第2局は「木谷道場」ゆかりの平塚、本局は「秀策」の因島と囲碁の歴史つながりの対局地です。
国際棋戦では中韓の後塵を拝している日本碁界ですが、400年近く営々と受け継がれてきた伝統は日本独自のものです。
過去の栄光を引きずっても仕方ありませんが、「温故知新」、古きよき伝統は大切にしたいものです。

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