天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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第45期十段戦第5局/趙が3連覇

2007-05-02 22:52:24 | プロ棋戦

 趙治勲十段に山下敬吾棋聖が挑戦している「第45期十段位決定五番勝負」の第5局は、両者2勝2敗のあとを受けて4月25日、日本棋院で行われ、黒番の趙が3目半勝ちし、3勝2敗で防衛、3連覇を達成した。

 今期の五番勝負は昨年の再戦。直前の棋聖戦を4連勝で防衛した“最強の挑戦者”を迎えて、趙危うしの声も少なからずだった。が、碁盤を前にした趙は昨年同様に自然体。加えて、今年は自分に対する自信もよみがえったのか、盤上没我の姿は気迫と集中力が増してみえた。秒読みになってからの的確さ、冷静さがその充実ぶりを表している。

<趙十段の話>「きょうはひどい碁だった。10回くらい負けちゃってた。3連覇だけどそんな感じにならない。あまりにもひどすぎたんで…」
<山下棋聖の話>「シリーズを通していろいろ悔いが残ることが多くて残念です。もっと勉強して自分の中で消化してまた五番勝負に出てきたい」

    (産経囲碁Webより抜粋)

   ◇   ◇   ◇

十段が乱戦を制し、三連覇を達成しました。国内7大タイトル戦のうち6冠は20代から30代前半の棋士が保持していますが、この十段戦のみは50歳の趙十段がふんばっています。
内容も年齢を感じさせない力碁で、「若いものには負けられない」という気概が伝わってきます。今年はNHK杯も優勝。これからも中年の星として奮闘してもらいたいものです。

一方、棋聖・王座に次ぎ惜しくも三冠目を逃した山下棋聖ですが、パワフルな碁は魅力的です。国際棋戦でもがんばってほしいと思います。

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今年のタイトル戦も棋聖戦(山下棋聖防衛)、十段戦(趙十段防衛)が終わり、来週5月10日からは本因坊戦がはじまります。高尾本因坊に依田九段が挑戦の7番勝負、熱戦を期待しましょう。

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