カトリック社会学者のぼやき

カトリシズムと社会学という二つの思想背景から時の流れにそって愚痴をつぶやいていく

日常化した配信ミサ

2020-07-05 14:05:19 | 教会

日常化した配信ミサ

 年間第14主日のミサは午前10時からの麹町教会からの配信ミサに出た。司式はボニー・ジェイムズ神父であった。昨年この教会に助任司祭として赴任されたインド出身の神父様のようだ。所作はお若い印象だが40歳代とお見受けした。働き盛りということであろう。
 今日の福音朗読はマタイ11:25−30で、聖書の小見出しは「私のもとに来なさい」。お説教は、「私の軛(くびき)を負いなさい」(11:29)の説明であった。結局それは「分かち合う」ことであり、具体的にはミサに出ること、ゆるしの秘跡に与ることの二点だと言われた。聖体拝領では、洗礼を受けていない人にも「祝福」があるとの案内があったので(1)、かなりの人数の人がミサに出ていたようだ。配信ミサに参加しているわれわれには霊的聖体拝領の祈りが表示されていた。

 

霊的聖体拝領の祈り(祈りの友)

主イエス・キリスト、
あなたがご聖体の秘跡のうちにまことにおいでになることを信じ、
すべてに超えてあなたを愛し、わたしの心に迎えたいと望みます。
今、秘跡によるご聖体を受けることができないわたしの心においでください。
          ・・・・・・
あなたが、今わたしの心にまことにおいでになったことを信じて
感謝いたします。
いつもあなたと一致したいと望むわたしが、
あなたから離れることのないようにしてください。

 

 

 イグナチオのミサに出た後、関口教会の第14主日ミサ(昨日土曜日)での菊池司教のお説教も聞いてみた。いつものように力強いお説教だった。ブログに原稿が掲載されていないので正確な引用はできないが、長く続く教会活動の部分的「停止」はまだ完全には元にには戻っていないが、活動が「組織的」なものから(2)、「個人的」ベースのものに力点が移ってきているという説明はよくわかった。CTICの例を挙げて(3)説明しておられた。私は不勉強でこういう活動の性格がコロナ禍のなかで変化しつつあることを十分には知らなかった。「教会は安らぎを与える存在になりたい」との菊池司教のことばが実感を持って伝わってきた。良いお説教であった。

 それにしても日曜日ごとの「配信ミサ」に与ることが日常化してきた。公開ミサに出られなくなって2月下旬以来だからもう5ヶ月に及ぶ。
私どもの教会では分散ミサは一月に一回自分の班に順番が回ってくるかどうかだ。鈴木勁介師は『福音せんりゅう』で今日の主日(年間第14主日)に詠う。「独りでは わからんものよ 主の救い」。軛は二人で負うもの、だという。
 それにしてもこういう配信ミサに与らなくて済む日が早く来ることを祈りたい。それとも、配信ミサの提供が制度化され、「新しい生活様式」の一部となり、ミサには、教会で参加しても、自宅で参加しても同じだ、という時代が来るのだろうか。


1 第二バチカン公会議以来、祝福(benedictio)と祝別(consecratio)の区別が明確化されたが、ことばがまだ紛らわしい。祝別とは昔の「聖別」のことで、難しい神学的定義は別として、具体的には聖変化・叙階・献堂のことだ。祝福は基本は「人」に向けられたもので、「建物」には向けられていない。慣例でメダイやロザリオなど信心用具を「祝福してもらう」ことはあるが、主眼は「人」だ。現在の日本では「クルマを祝福してもらう」ということもあるらしいが、これは神道の慣習が流れ込んでいるからかもしれない。祝福は「儀礼的行為」を必ず伴う。例えば、十字を切る、按手、散水、塗油など、神の恩恵を願い求める動作が伴う。聖体拝領の時、未受洗の人が神父様から祝福を受けるのを見るとなにか嬉しくなる。
2 例えば、ボランティア活動に従事してきた東北各地のカリタス「ベース」はどこも動けない状態が続いていると言う。
3 CTIC とは「カトリック東京国際センター」 Catholic Tokyo International Centre のことで、日本在住の外国人をサポートするための組織で、1990年設立という。外国人といっても具体的には移民・難民(migrants,refugees)への援助活動のようで、「日本カトリック難民移住移動者委員会」の活動のひとつのようだ。

 

 

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