どうでもいい話の部類に入る。
あの島田紳助の引退騒動の背景は、やはりまだまだ闇がありそうだ。引退会見の内容の一部は嘘であることが判明した。自分は義侠心のある人格だと強調する立派な役者ぶりであった。
今回の引退は事実上の馘首であるよし、芸能界の現代化を急ぐ吉本の英断となるであろう。
ご存知のように江戸の昔から興行は地元の顔役を通して開催されてきた。その流れが徐々に近代化・合理化してもはやその筋の扶けはいらないようになった。
しかし、八九三にとっては有名芸能人はあるいみ実入りのよい飾りになりえる。
今回は報道によれば、島田の右翼に対する暴言(島田のその行動自体はまぁ理解できるが、場所と自分の立場を考えるべきだった)がすべての始まりのようだ。
その内容を放送してしまった放送局にも問題があろうが、そのようなことを言ってしまう彼の人格、品格、いや、おごり、怖いもの知らずか、に根本がある。右翼はそれこそプライドが高いのだ。
そのような問題を解決する方法が他になかったのかはわからないが、同じようなことは大物ジャーナリストにも起こったように聞くが彼はどのように解決したのだろうか?
もっとも島田の言をまだ信じれば、彼の知らないところで某幹部(山口組の最高幹部の一人、名前はすでに知られているが)が、勝手に解決したのだそうだから、島田は善意の第3者ということになろう。しかし、義侠心のある島田はこれを恩義と感じないわけにはいかなかったのだろう。
そのことが彼のダークサイドをつくっていく一歩であったのだが、まだ近代的芸能界の思考をひきづった彼には仕事ではなく、個人レベルなら「セーフ」ということだったのだろう。
彼の会見をよくよく見ると島田はまったく反省していないのだということが分かる。理より義を重んじていることがよくわかった。それが彼の生き方なら、現代化する芸能界とはある意味相いれないことになるのだろう。
彼の全く進歩しない仲間内でしか通用しない「いじり」トークは聞いていいてきわめて不愉快であることもあった。いじられている若手や少し過去の人は、それで自分がキャリアアップ、復活できるのならということで耐えていたのかもしれない。彼のそのトークをまねている芸人もいるように見える。たとえば、上田某や太田某・田中某・浜田某・松本某などの後輩に対するいじりはきわめてよくない影響を与えていると思う。
所詮芸能人はその程度だと思いつつ。
だからそのような過分な「いじり」文化を許容しない品のある芸能人をつくるためにも今回の吉本の処分は歓迎すべきだ。(品があったらおもしくないという方は、自身がそのようなものを笑いと勘違いされているのだ)
下記の麻生千晶氏の評がこの件に関しては、今のところ正論だろう。
両脇の冷めた2人と対照的にりっぱに演じた島田氏
「あの人は今!?」で毎年記事が出てくるかな、そんな甘い人生が彼に待っているかな?
損害賠償金は全体で60億だって!彼には大した額ではないか!
「傲慢な稼ぎ頭」失った“旨み”…吉本が弾いたソロバン勘定 夕刊フジ
芸能界で視聴率が稼げる“大物司会者”といわれるのが、みのもんた(67)、タモリ(66)、ビートたけし(64)、明石家さんま(56)、そして島田紳助さん(55)だった。引退で稼ぎ頭を失った吉本興業は、「少なくとも6億円の損失になる」とする試算がある。それでも企業防衛の上ではプラスだった。
【若手にはチャンス】
紳助さんのギャラランクは、さんま、たけしと同クラスで、1本300万円(推定)。紳助さんクラスが司会を務めるゴールデンタイムのバラエティー番組の制作費は1本約3000万円。引退で、どれだけの金がフイになったのか。
「9月に新番組に切り替わるまでは、紳助さんが出演した収録済みの番組2~4回分がボツや撮直しとなる。これらの損失額を合算すると6億円以上にはなる」(大手広告代理店の関係者)
吉本にとっては屋台骨を失ったわけで、紳助さんが生涯で稼ぐ可能性があった額は、計り知れない。とはいえ、仮に紳助さんが謹慎処分などで切り抜け、吉本の所属タレント約800人がダメージを被ることを考えれば、秋の番組改編直前の引退は最小限の出血で済んだともいえる。
「とくに若手芸人にとっては、傲慢な態度の紳助は煙たい存在で、お笑いファンからも“嫌いなタレント上位”に君臨し続けてきた。穴が開いた紳助のレギュラー番組6本分のチャンスが、若手に与えられたことになります」(芸能評論家の肥留間正明氏)
【“紳助切り”の大ナタ】
吉本の企業体制の変化が「紳助切り」を決断する背景にあったとの指摘もある。
同社は東証1部に上場していたが、2009年に元ソニー会長の出井伸之氏が代表の投資ファンドに買収される形で株式が非公開化された。
「上場している芸能関連企業の場合、売れっ子タレントのスキャンダルは株の売り材料になる。これまでにも主力タレントの病気による休業や、ドル箱歌手のアルバム発売延期が発表されると、所属企業の株価が急落したことがある。吉本がいま上場していたら、売れっ子である紳助の引退で株価は間違いなく急落していただろう」(兜町関係者)
吉本の非公開化にあたり、経営陣は資金を出していないが、買収ファンド側と敵対していないことから、事実上のMBO(経営陣による企業買収)に近い形とみられる。
ここ数年、上場企業がMBOなどの手法で株式を非公開化するケースが増えているが、短期的な業績や株価の変動にとらわれず、事業の売却など大胆なリストラを行うことが主な狙いだ。過去のウミを出し、企業の体質を改善したうえで再上場を目指すことが多い。
吉本は投資ファンドによる買収で株主構成を大幅に入れ替え、創業家株主と現経営陣のお家騒動に決着をつけた。
「再上場を果たすには反社会勢力との関わりを一掃する必要がある。当面の損失に目をつぶっても大ナタをふるうべきと判断してもおかしくない」(前出の兜町関係者)。
【10月前に“絶縁”の意味】
さらに企業の危機管理に詳しいリスク・ヘッジ代表、田中辰巳氏は、時代の流れを的確に読んだ吉本の対応を評価する。
「10月1日にすべての都道府県で暴力団排除条例が施行され、暴力団関係者との会食やゴルフによって警察などが『密接交際者』と認定することになる。また昨年9月には日本経団連が企業行動憲章を大幅に改訂し、反社会勢力との決別をこれまで以上に強調している。吉本側はこうした暴力団との絶縁を進める社会全体の流れをつかみ、毅然とした対応を打てた。逆に紳助さん個人はこの強い流れを感じ取れなかった」
また、素早く記者会見を開いたのも、危機管理の面ではポイントが高いという。説明責任を先延ばしにすると世間の怒りが増幅。最近では昨年5月、日本振興銀行(東京)で検査妨害事件が明るみに出た際、当初記者会見を拒否したため批判の声が一気に高まった。
田中氏は「残念ながら会見で紳助さんから心に届く言葉は聞かれなかったが、可能な限り早いタイミングで会見を行ったのはよかった」と指摘した。
山口組最高幹部を「会長」って…紳助さん、ホンマか?
芸能界からの引退を23日夜の会見で電撃表明した元お笑いタレントの島田紳助さん(55)=本名・長谷川公彦=が会見終了直後、親友で元プロボクシング王者の渡辺二郎被告=恐喝未遂罪で実刑判決を受け上告中=に直接電話をかけていたことが分かった。渡辺被告は、紳助さんが引退理由として告白した広域指定暴力団の山口組幹部を紹介した人物。紳助さんは、渡辺被告に対して「これっぽっちも恨んでません」と話したという。また、紳助さんは、この幹部を「会長」と呼ぶなど、その親密ぶりが日を追うごとに鮮明となっている。
紳助さんは23日午後10時から約50分にわたり引退会見を開いた直後、渡辺被告に直接電話をした。渡辺被告の知人で出版プロデューサーの高須基仁氏が本紙に明かしたもので、それによると会話はこんな内容だった。
紳助さん「会見はどうでしたか?」
渡辺被告「立派な会見だったと思う。本当に申し訳ないことになってしまった」
紳助さん「二郎さん。これっぽっちも恨んでません」
短いやりとりだったが、高須氏は「男のケジメ、覚悟を感じた」とし、「いずれ渡辺さんと紳助さんの告白本を出したい」と話している。
紳助さんは会見で渡辺被告を「Aさん」、渡辺被告から紹介された山口組の幹部を「Bさん」とオブラートに包んで表現したが、この幹部は、山口組のナンバー4で「若頭補佐」と呼ばれる幹部の1人。同組の2次団体では「会長」を務める人物としても知られる。
“黒い交際”は十数年前、紳助さんがテレビ番組で発言した内容をめぐり、右翼団体から批判を受け渡辺被告を通じてトラブルを知った幹部が解決に乗り出し、この幹部に恩義を感じたことからスタートしたとされる。
紳助さんは23日夜の引退会見で「芸能界で頑張ってこられたのも、あのときのおかげだという思いがずっとあった」と認めている。
水面下での目立たない付き合いが発覚する経緯は、大阪府警が2005年に、この幹部を競売入札妨害事件で逮捕したことに始まる。幹部宅などを家宅捜索した際、紳助さんが幹部にあてた直筆の手紙や、「紳助さんが幹部の妻とおさまる写真などが複数枚押収されたと聞いた」(府警に詳しい関係者)。
また、捜査関係者によると、幹部が逮捕された後、紳助さんが渡辺被告に送ったメールのなかで、紳助さんが逮捕された幹部を心配したり、「警察は本当にひどい」などとする内容があったほか、この幹部を2次団体の肩書の「会長」と呼び、心酔している様子がうかがえたという。
この事件が今年4月、一部週刊誌に、幹部宅の家宅捜索で紳助さんの直筆の手紙や幹部と一緒に写った写真が見つかった-などと報じられる事態に発展。
関係者によると、その際、紳助さんは所属先の「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」から事情を聴かれたが、「事実無根。暴力団との交際は一切ない」などと説明した。
だが、同社では8月中旬、親密な関係にあったことをうかがわせる情報を入手し、今月21日、同日に放送された日本テレビ系の生番組「24時間テレビ」の終了後、本人に事実確認したところ、弁解せずに事実を認め、引退を申し出た。同社は「社会的影響力の高いテレビなどに出演しているタレントとしては許されない」として申し出を了承したという。
会見で「自分の美学を通させてくれ」と引退の理由を語ったが、実のところ、引退を余儀なくされたというのが真相に近いのかもしれない。
テレビ局の責任は大きい 麻生千晶さん
23日夜に突然の引退会見を行ったタレントの島田紳助さん(55)。トップスターとして多くの番組を仕切る華やかな活動の一方で、暴力団との交際という“闇”を抱えていたことも明らかになった。作家の麻生千晶さんに、今回の引退騒動と、島田さんが活躍したテレビ界の現状をどうみるかを聞いた。
そもそもテレビ局は免許事業で、ジャーナリズムの一翼も担う社会の木鐸(ぼくたく)の一つ。番組、出演者とも品位と責任が求められる。中でも司会者は社会人代表であるべきなのに、島田紳助の場合は“突っ込み”と称する「いじり」と「いじめ」を繰り返していた。
しかし現在のテレビ界は、彼のような下品な発言で人間の卑しい欲望に応える存在に「視聴率が取れるから」と大金を積んできた。しかも“大司会者”として、番組プロデューサーのように出演者やスタッフの選定までしていたと聞く。
芸能界の大権力者になってしまい、番組で人の顔の造作や体型についてまであれこれ言うなど、全く見苦しかった。しかしテレビ局はたしなめるどころか、ひれ伏してきた。
そんな彼の手法を真似(まね)する子供も増えたと聞く。それだけ影響力があった訳で今回、いかがわしい人間の黒い交際が分かったのだから、(反面教師として)教育材料にしたらいいのではないか。
テレビ局は、暴力団がらみの不祥事が起きると偉そうに糾弾するが、そんな彼を雇ってきた局側の責任は大きい。彼が女性マネジャーへの傷害事件を起こした後も、各局対応は甘かった。なぜ彼のような人間を使い続けてきたのか、テレビ局に問いたい。
背景には、テレビ局に対する吉本興業の巨大な力がある。彼はその頂点の地位にあった。番組に若手芸人をタダみたいなギャラで出す一方、彼には高い出演料を払わせ、収支を合わせる。
だからどの番組を見ても関西弁があふれ、彼が司会をする同じような番組ばかりになった。まるで「金太郎飴(あめ)」のようだ。
レギュラー番組では「開運!なんでも鑑定団」がまっとうだったが、あれも石坂浩二という“緩衝地帯”があったから、視聴者も安心して見られたと思う。
今回の引退も、詰め腹を切らされたというより、もう十分稼いで面倒くさくなったのだろう。これで多少、テレビ界の風通しがよくなるのではないか。テレビ局はまっとうに芸で勝負する人間を使うべきだ。