「大川小の悲劇」に関する判決に対して石巻市などが控訴した。控訴自体は権利なのでその遂行は結構なことである。しかし,だからと言って判決が変わる可能性はあるのだろうか?
この悲劇は山への避難へを無視した「硬直した体制」が原因なのだ。その具体的な存在が権限を持っていた「教頭」なのである。ネットでは教員も亡くなっているのであるから……という意見が結構ある。しかし,その原因を作ったのは地域の方の忠告を聞かず,教務主任の意見を聞かなかった教頭という無能な存在であったのだ。
個人としての教頭が,よいかたであったであろうことを認めるのはやぶさかではない。しかし,管理職としては不適当だったのだ。それゆえ多くの児童と部下である教員を死に至らしめたのである。
「大川小の悲劇」が二度と繰り返されぬように,このことが明確にしておくべきだ。無能な管理職は犠牲者をだすのである。大川小は校長も教頭も危機管理官としては無能であったのだ。そのような者を選抜した県教委と市教委には根源的な責任がある。その意味において今回の判決の持つ意味は重要なのである。
金銭のことを非難している者もいるようだが,まったくに当を得ない意見である。
実力で選抜されない学校管理職こそ,根本原因なのである。