幼児殺害に関する他の事件では地裁の判決が出た。平成20年に起きた千葉県東金市での成田幸満さん殺害事件の被告・勝木諒への判決は懲役15年だった。量刑についてはともかく、勝木の出所後はどうなるのだろうか?この後2審、3審へ続く可能性はある。それでも極刑はないだろう。
ところで、軽度の知的障害というのは何だろう。「軽度」とはどのような程度の能力実態を指すのか?
この事件は「軽度な知的障害者」のすべてに誤解を招くような印象を与えたのではないか?そこも大きな懸念だ。
やはり、では、勝木の出所後の行動の保証は誰がするのか?この国のユルサさに強い憤りを感じる!
哀悼! 成田幸満さん
嘘はつける程度なわけだ!
<東金女児殺害>裁判長が主文念押し…最後まで配慮 毎日新聞 3月4日(金)11時47分配信
午前10時前、約100席の傍聴席が埋まった地裁201号法廷。勝木被告はこれまでの公判と同じ、ノーネクタイの黒いスーツ姿で、刑務官3人に囲まれて入廷した。栃木力裁判長に促されて証言台の前に立ち、主文を言い渡されても、うつむき加減のまま。栃木裁判長が「分かりましたか」と念押しすると、小さな声で「はい」とうなずいた。
「裁判手続きを理解しておらず、訴訟能力がない」と公判停止を求めた弁護側。判決が「黙秘権の意味を理解して自発的に供述している」などと退け、栃木裁判長が「分かった? ちょっと難しかったかな」と呼びかけたときも、勝木被告は小さくうなずいた。計5回の公判は特に被告人質問で前例のない光景が続いた。弁護側は「黙秘権」「起訴」などの裁判用語をモニターに映し出し意味を質問。訴訟能力はあると主張した検察側も、質問を言い換えるなどの「配慮」を示し、被告の言葉を引き出そうとした。
それでも勝木被告は考え込んで沈黙を続けた揚げ句、質問とかみ合わない答えをしたり「分かりません」と言う場面が少なくなかった。一方で弁護人の説明を受け、証人尋問のやり取りなどは落ち着いて見守っていた。
弁護側は昨年末の初公判で、殺害の事実関係は認めた。当初は「冤罪(えんざい)」との見方を示していただけに、その変化に遺族は戸惑いを隠せなかった。公判では「障害を理由に刑を軽くすることは許されない」と強調。成田幸満(ゆきまろ)ちゃん(当時5歳)の母多恵子さん(40)は「幸満もきっと判決を待っているのだと思います」とこの日を迎えていた。【中川聡子、駒木智一、味澤由妃】
東金女児殺害:責任・訴訟能力が争点 4日判決
公判で弁護側は「逮捕」「黙秘権」「裁判官」の意味を尋ねたり、取り調べへの対応を三つの選択肢から選ばせたりする異例の被告人質問などで立証を図り「手続きの理解力も、コミュニケーション能力も不十分」として訴訟能力がないと主張。検察側は「不利な事実関係の供述を避けたり黙ったりしている。裁判の仕組みも理解している」と反論した。
責任能力を巡っても「障害の影響を過度に考慮すべきではない」とする検察側と、殺人罪に関し「場当たり的だ」として限定責任能力を主張する弁護側が対立。双方の鑑定医も「完全責任能力があった」「心神耗弱だった」とそれぞれ証言した。
起訴状によると、勝木被告は08年9月21日、路上で見かけた保育園児(当時5歳)をマンション自室に連れ込み(未成年者略取罪)▽浴槽に沈めて水死させ(殺人罪)▽遺体を近くの資材置き場周辺に捨てた(死体遺棄罪)--とされる。
毎日新聞 2011年3月2日 20時12分(最終更新 3月2日 20時20分)