このような病も現代病なのだろうか?
確かにそのような経験がないわけではないが、この事例の方のような環境だとそのような病状態になることもあるだろうなと、同情するしかない。
都会の孤独とか群衆の中の孤独というような状態だろう。気の休まる仲間がいないとか、モノゴトがないとかの状態であれば、人は孤独というものに苛まれてしまうだろう。
それを芸術的に昇華できる人は圧倒的に少ないのだから。
芸術的生活って発想も必要だろうな!
「年末年始恐怖症」強烈な孤独感から自殺する人も
Nさん(30)は年末年始が怖い。毎年、強烈な孤独感にさいなまれる。周囲が帰省だ初詣でだと浮かれる中、彼のように孤独に耐える人は意外に多い。耐えきれずに自殺する人も少なからずいるという。
独身で恋人もいない。彼が子供の頃に両親は離婚し、それぞれ再婚していることもあって、どちらの実家にも帰りづらい。結果としてNさんは、毎年正月休みになると、自宅のワンルームマンションで過ごすことになる。
普段は仲のいい友人や同僚も、この時期は彼の相手などしてくれない。正月休みの1週間、彼は完全な孤独状態だ。
「先週までは忘年会やクリスマスで騒いでいた仲間が、急にいなくなってしまう寂しさは、正直言ってかなりこたえる。衝動的に『死んでしまいたい』と思うことも…」
横浜相原病院院長で精神科医の吉田勝明医師が解説する。
「実際問題として、年末年始にNさんのような状況から自殺に走る人は多い。原因として強い孤独感があるのは事実だが、その背景には新しい年への“気持ちのリセット”がうまくできないという問題がある」
特に日本の正月には他の月初めと異なり、身の回りのあらゆることをリセットするという意味合いがある。Nさんのような人は、これがうまくできないのだ。
「年末年始は“心の棚卸し”の時期。前年の悩みや苦しみを整理し、新たな気持ちで新年を迎えたいのに、それまでの賑やかな生活から突如として孤独な状態に落とし込まれたショックも手伝い、リセットができないまま心理的にも孤独な状態に陥ってしまうんです」
“心理的な孤独”は生真面目な人ほど強く、独身者に限らず家庭を持っている人にもいる。その場合、自殺にとどまらず、無理心中という手段に出ることさえあるという。
「普段は会社のために頑張っているんだから、年末年始くらいは自分のために自由に過ごせばいい。今しなければならない仕事はないんだから、こんな時こそ自由に時間を使ってほしい」と吉田医師。
1週間後には嫌でも会社が始まる。そこにはストレスも待っている。それまでのほんのひととき、心安らかに、自分のために過ごしましょう。よいお年を-。(長田昭二)