今期ドラマのうちで映画的な素晴らしさを持っているものは「カルテット」で,ドラマの本来の面白さを持っているのは「大貧乏」。エンターテイメントに徹したのはピカレスク風の「嘘の戦争」,コミック実写版の「スーパーサラリーマン左江内氏」であろう。
ことに「A・・・」と同時刻の「大貧乏」は,小雪が「貧乏」に見えないという批判があったが話はどうも「貧乏」の押し売りという線ではなく,企業犯罪との対決が公の筋であるようだ。
エリート弁護士の顔と惚れた弱みをもつ顔を好演する伊藤は自身の良さを引き出している。恋と「七草」にはめっぽう弱く,不正義にはめっぽう強いというキャラに共感できる。
小雪の自立した女性像とそれでいて家族とは何かにゆれる姿にも共感できる。
ドラマの世界とはいえ,見る者のの多くは等身大の自分を重ねることができるのではないだろうか?その辺が現実から全くに遊離した共感性の弱い「A・・・」とは違うところだろう。
録画や無料配信のある時代に視聴率はかつてほどの意味を我々はもたない。おもしろければ視るただそれだけである。
「大貧乏」はその内容において「大豊作」といえるかもしれない。
以下画像は第4話から