正直、これなら夏の甲子園も応援できる気がする。野球名門と呼ばれるスポーツ〇カ養成校に比べたら、実に青春らしいではないか!
要は一生懸命やったかどうかの問題!
<夏の甲子園>全国初の4校連合チーム初戦敗退 北北海道
毎日新聞 6月26日(火)20時10分配信
全国初の4校による連合チーム「足士新幕(あしししんまく)連合」が26日、北北海道十勝地区大会1回戦で帯広南商と対戦し、0-9で七回コールド負けした。ユニホームは各校バラバラの初陣だったが、心を一つにしてプレーした。
連合チームの参加は日本高野連が5月、少子化などによる部員不足の学校の救済措置として認めるようになった。今回のチームは足寄4人、幕別4人、士幌2人、新得2人の計12人。チーム名は4校の頭文字を五十音順に並べた。昨夏は4校とも単独で出場したが、3年生が抜けた秋の新チームから部員不足となり、春の大会は幕別のみの出場だった。
主将の片桐祐馬選手(新得3年)は「みんなで野球ができて感動した。1年ぶりの公式戦を楽しみ、いつも通りのプレーで悔いはない」と話した。【三沢邦彦】
十勝の4校連合 2012年06月19日
練習試合の前に、声をかけながらキャッチボールをする片桐主将(手前)=美幌町の美幌高校
■仲間そろい 舞台整う
足寄、幕別から4人ずつ、士幌、新得が2人で、12人。全国初の4校による連合チーム「足士新幕(あし・し・しん・まく)連合」。夏の大会の参加が正式に決まってから初めての試合が9日、美幌高のグラウンドであった。
「元気出せよ~ 行くぞ」。試合直前、片桐祐馬主将(新得・3年)の間延びしたようなかけ声に、連合チームの高松和博部長(士幌・監督)から声が飛ぶ。「おまえが元気ないんだよ!」
片桐君が主将に選ばれたのはこの日、試合に向かう貸し切りバスの中だ。大会開幕までほぼ2週間。ギリギリだが主将も決まり、チームの形が整っていく。第2試合は美幌に0―3で負けたが、最初の試合で常呂を14―11で破り、勝利を手にした。「こうして試合ができるのが一番うれしい」。片桐君の声が弾んだ。
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昨夏の大会は4校とも9~11人で単独で出場した。だが、3年生が抜けた秋からチームができない。今春の1年生も足寄、新得に各1人。春の大会は幕別が助っ人に頼って出場したが、ほかは出られなかった。
実は足寄、士幌、幕別の3校は昨秋から一緒のチームで練習試合などをしていた。そこに今春、新得の谷口雅史監督が「一緒にやらせてもらえませんか」と打診、4校連合が始動した。今夏から日本高野連が、統合を控えた場合に限らず、部員不足の学校の連合チームにも公式戦参加を認めたため、十勝の4校連合の大会出場も実現した。
4校のうち最も離れている新得―幕別間は五十数キロ。合同練習は土、日だけ。学校ごとに練習する平日に新得を訪ねると、片桐君と1年の山田竜也君が、マシンを使って打撃練習をしていた。
マシンの球入れ役とバッターを交代で繰り返す。谷口監督は外野で球拾い。右打ち練習なので左翼側に飛ばしたら、罰としてボールを拾いに行くのが「決まり」。レフトの草むらで山田君が球を探していると、監督が「早くしろ~ 片桐が待ってるぞ」。
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「助っ人頼みの自校のチーム」と「学校は別でも野球部員のチーム」。部員不足の学校には二つの選択肢がある。指導者の思いはどうだろう。
連合チームの丹羽勝彦監督(幕別・監督)は「他部の生徒がいて春に出られたのはありがたいが、けがでもして本来の部の大会に出られなくなっては大変、という思いが常にあった。他校の生徒でも、野球部員を指導できるのがいいですね」。
高松部長も、主戦・松浦道也君(士幌・2年)の投球について「助っ人頼みの時は自分が抑えようとしていたが、独りよがりでなくなってきた。バックがアウトを取ってくれるとわかってきたんでしょう」と連合効果を見る。
ただ、今後も「連合」を前提に活動するわけではない。4校とも部員獲得を模索し単独チームを目指すから、この組み合わせは、今回だけかもしれない。
でも12人の選手には、夏の舞台と仲間がそろった。初戦は26日。士幌以外の3校は全校応援も決まった。相手は帯広南商。昨秋、3校連合が練習試合で3―20で敗れたチーム。その時、試合後の練習までつきあってくれた相手に、力をつけたところを見せて恩返しをしたい。
(小西淳一)