仮面の告白『雲の上の虹』

この世の誉・不正・不道徳・破廉恥・権力者を追及し、無害なことも記録しつつ、雲の上の虹をめざす枕流亭の日記(日乘)

与那国島に自衛隊配置:それは世界の常識です!

2011年08月21日 | 日記

  本来ならとっくに配備されているべき与那国島への自衛隊配備。遅まきながらでもすることが世界の今の常識だ。琉球新報の5月の社説のなんと性善説にたったものであることか!

 

与那国島に陸自部隊配備へ、南西諸島の防衛強化 読売新聞 8月21日(日)8時58分配信

 防衛省は鹿児島県から沖縄県にまたがる南西諸島の防衛強化のため、新設する陸上自衛隊の「沿岸監視部隊」の配備場所を日本最西端の沖縄県・与那国島に決めたことが20日、明らかになった。

 与那国町から島南西部の町有地を取得、駐屯地を建設する方針だ。2012年度予算案の概算要求で用地取得費などの計上を求める。同部隊は約100人規模を想定し、15年度までに隊舎などを整備する。

  

与那国陸自配備 「断絶の海」にするのか 琉球新報 5月16日社説

 軍隊というものは自らの存在理由を求め続ける。存続は経費がかさむので、常に削減圧力にさらされるからだ。
 防衛省が与那国島へ沿岸監視部隊を5年以内に配備する方針を表明した。だが今回、政治が大局観に基づいて防衛官僚を制御した形跡は全くない。これでは「政治主導」どころか「軍事官僚主導」そのものだ。菅政権は官僚を制御できず、制御の意思もないと正直に言うべきだ。


 2009年に与那国町の町長・町議会議長らの連名で配備を要望したことが出発点になった。島の活性化が重要な動機だろう。
 だが自衛隊が陸海空の自衛隊を配置する対馬(長崎)は1980年に5万人だった人口が05年には3万8千人に減った。全国各地の過疎地を見ても、自衛隊に頼って実現した活性化など存在しない。


 町が進めてきた台湾との独自交流の努力も水泡に帰す。相手への警戒感を露骨に示すのだから当然だ。鳩山由紀夫前首相が「友愛の海」にすると言った東シナ海を「断絶の海」にするのだろうか。

  町が申請した「国境交流特区」を政府は却下した。国境の島に人が住み続けることこそ、最大の安全保障策であろう。島嶼(とうしょ)防衛と言うなら、国は特区をこそ認可すべきだ。そして遠隔医療・遠隔教育を導入するなどして、島民の生活の質の保証を図るべきだ。
 自衛隊は従来、「ソ連の大規模着上陸侵攻」を最大の仮想敵としていたが、冷戦終結でその論理が通用しなくなった。削減圧力にさらされたから、今度は北朝鮮・中国への反感をあおり、「西方重視」「南西諸島重視」と言い始めた。


 だが東アジアは相互に貿易関係を高めている。他国住民のいる島に侵攻などすれば国際的に猛烈な非難を浴びる。国際的に孤立すれば中国経済はたちまち瓦解する。


 侵攻などあり得ない。自衛隊の規模の維持のためにこしらえた虚構だ。新防衛大綱も「本格的な侵略が生起する可能性は低い」と認めている。


 ひとたび侵攻があれば、大規模だろうと小規模だろうと国際的には侵略とみなされ、戦争の引き金となる。「本格的侵略」がないなら、小規模もあり得ないのだ。


 軍は住民を守らない。守るどころか、むしろ住民の命を犠牲にして本土防衛の時間稼ぎをしたのは沖縄戦で実証済みだ。活性化の鍵は平和的な人の交流にこそある。