前に読んだのはもう3年半も前なのか(
こちら)、国書刊行会から出てた沼野の新訳が文庫化されたので購入(
これ)、「言わにゃわからんだろ」と言ったことがちょっとでもわかるようになってるのかと期待したのだが全然、ソラリスの海が異様な怪物を作り出すシーンがかなりクドいのと架空の「ソラリス学」についての説明がちょっと増えたぐらいじゃなかろうか(違ったらゴメン)、いったい前からいたスタッフたちに何が起きたのか、死んだギバリャン(発音これで合ってるとのこと)のテープに何が入ってたのか、わからんことはわからずじまい、ただこれだったら「悲しい愛の物語」という印象はないような気がする(そいじゃ何だって?そんなん知るか!)、でも作者は自分で言ってるんだよな、ハリー(ソラリスが作った女性形の生物)は「自分はこの星の怪物が自分の愛する男を研究するために作った道具に過ぎない、そんな状態はいやだから(自分を)消してくれと同僚に頼む」(ものすごくいーかげんな要約)、タハハ、そらもろに「地球人の考えた」純愛物語じゃん(地球人の考えない物語があるのかってツッコミはなしね)、私はそういう意味だと思った・・・・のかなあ?思い出せぬ、そもハリー(たち?)が消されたこと自体忘れてたもんな、ま、少なくともソラリスの海が地球人を「研究」しようとしてるとは思ってなかったのじゃあるまいか?だとしたら・・・どうだってんだよ、もうちょっとわかるように書いたってバチは当たらんだろ、少なくとも他のスタッフがどんなふうにいじられてたか、ギバリャンが死ぬ前に何を言ってたか、それを書いてくれれば海の意図(そんなものがあるとして)も多少は推測できるかもしれんじゃないか
まあしかしこう視覚化ほとんど不可能なことをクドく書かれるとまさしくそれゆえの非現実感がハンパないわね、ソラリスの海は有機体かもしれないし、高分子化合物でできた生物っぽいモノかもしれないけど、だからそいつと意思疎通が可能だなんて発想どっから出て来るんだか、共通の構造を持つ言語を使った人類同士の情報交換ですらしばしばディスコミュニケーションにしかならんとゆーのに
「ある意味でアリは知的だ、だがアリと話した人間などありはしない」(by星さん)、そういうことさ
追記-生物に対する理解は50年前とは比較にならんほど深まった、恒星間飛行ができるほどの文明なら有機体の海を前に手を束ねてることはありえんだろうと思う、なんてね、こればっかは言うだけムダ、恒星間飛行の方が不可能と決定されちゃった今となってはなおさらムダ