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遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

服部まゆみ7

2016-04-10 13:08:34 | 本と雑誌
罪深き緑の夏」今度こそラストワン(他の作品あったとしても入手不可能だろうし)、耽美ということならおそらく最高傑作、倫理的に考えれば最低の外道ネタ、ミステリとしては何とも言いようがない、以下盛大にネタバレ、未読の方はご注意を

主人公は山崎太郎という画家、評価はかなり高い、高校2年の時に母と死別しそれまで(一応名の知れた画家の)父に囲われていた平凡な女と小学6年の異母弟淳が同居するようになる(そんなの面白いわけがない)、子供の頃から蔦屋敷と呼ばれる洋館に憧れており成人してからそこに住む美女百合に求婚したがあっさり断られた、気がつけばバカにしていた弟の淳が才能を発揮し始めている、ある日淳の絵を展示した画廊が火事になり・・・・・

もう一人の主人公は蔦屋敷に住む鷹原翔という作家、百合の兄で太郎よりちょっと年上、何度も結婚してるが奥さんたちは逃げ出したりおかしくなったり自殺したり、でもって幼い娘由利香がいると来ればこれ以上説明することはないやね、だが何一つ罰せられるでもなく成長した由利香に(たぶん男として)慕われる、この作者の辞書に不道徳って言葉はないんだよな

兄妹の不倫がバレた日に二人の祖母が急死した、百合をよそへやらないために翔が殺したと推測するのが当然と思われるのにそのセンは全く疑われない、太郎は自分がクッションで窒息させたのだと言う、はて真相やいかに?(最後までナゾのまま、というか作者自身深く考えてないのかも)

淳が蔦屋敷の塔にフレスコ画を完成させ太郎はそれを塗りつぶそうとして塔から転落する、まさにラプンツェルの王子をやろうとしたのだが(詳細略)何でそんなことするかねえ、全く意味不明、また小さな男の子を誘拐して殺したのも彼である可能性が高い(死体みつからず)、何でそんなことするかねえ、全く意味不明

淳は太郎を全く疑っていない、ちょっと鈍過ぎじゃないか?その一方で百合を心から愛している、さて二人は結婚したんだろうか?私はしたと思ったが思わないヒトも多いらしい、さて真相やいかに?(娘の由利香が少女になる頃、翔の中の百合はすでに輝きを失い淳にやってもいいと思うようになった可能性高いと思うんだがな、百合はそれを嘆いて早世、全くもってクズなヤツ!!)

翔の祖父は惟光(一八八八)の弟って設定なのかな?そう考えないと結城→鷹原の変更は説明できないよね

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