京極さんの新作

「狐花葉不見冥府路行」
葉不見花不見(ハミズハナミズ)のヒガンバナが成人するまでお互いに知らなかった兄弟を意味するというこの作者らしくなかなかに凝ったタイトルなのであるが・・・
内容は百物語への原点回帰だと(少なくとも私は)思う、狂言回しは又市一家じゃなくて京極堂のご先祖様だが主人公は極悪人、それも悪いことをしてるという自覚が全くないが故に罪の意識もなくしたがって幽霊も祟りも知ったこっちゃないタイプの悪人だというところ、百物語てのは元はそういうお話だった、それが水野忠邦という権力者、悪人じゃないからこそタチの悪いハタ迷惑な存在を敵に回して戦うことになったおかげで(無意味にメンバーを失うという)何やら不毛な展開になり終わってしまった本編をまあそれはそれとしてここは誰でも納得な番外編を一冊、ついで(と言っちゃ何だけど)京極堂の素性も明かしとこう、ということなんだと思う(違ったらゴメン)

何と今月歌舞伎座で上演とのこと
京極堂の曽祖父　幸四郎
その異父弟　　　七之助
悪役の主人公　　勘九郎
その弟　　　　　染五郎

ン・・・豪華キャストなのはわかるけど何か複雑な気分(兄弟の関係入れ替わってる、いやいいのかこれで、ネタバレごめん)まさかTVでやってはくれんよにゃ、劇場上映もまあないわにゃ、ちょっとだけ残念