版画草子 All That Print Work

自作版画作品と日常の写真を日記形式で紹介してゆきます。
(画像の無断使用は固くお断りします。)

Plant Earth 太郎の時代(1)

2011-06-15 15:42:09 | 作品 Works


昨日から相方が部品交換とメンテナンスのため 1ヶ月半ほど札幌の実家に帰ってしまいました。
その間私は 猫の世話・洗濯・掃除・食料買い出し・おさんドン・酒の肴もしっかり作って
工房の仕事・版画制作・笛の絵付け 氷川神社の役員・町内の役員・ゴミ当番をこなすという
今から自分を誉めてやりたい程の活躍をしなければなりません! (出来るかな......)

そんな訳でこのブログも今まで以上に不定期になるものと思いますが
よろしくお願いいたします。

さて 本題 (長文です 面倒な方は絵だけ見てください)

浦島太郎と云えば 皆さんすぐ思い浮かべる筋として
「浜辺で餓鬼どもにいじめられていた亀を助けて その亀にお礼として竜宮に連れてゆかれる。
そこで麗しい乙姫と出会って 楽しい毎日を過ごすが 里心がおきて 乙姫から玉手箱を貰って
元の村に帰ってみると すっかり変わり果てた村と人に衝撃を受け つい淋しくなって
玉手箱を開けると 煙が出てきて たちまちお爺さんになってしまう」
ざっとこんな具合でしょうか。

荒唐無稽ではあるけれど 面白いとも言いきれず....
成功談としての痛快さも無い....
教訓話しとしても いまいち決まっていない....
にもかかわらず ほとんどの日本人は知っている.....
不思議なお伽噺です。

この様な我々に馴染みのある筋は ほぼ明治以降に作られたようです。



浦島太郎その1ー邁進ー 2009年制作

さりげなく旧作を出しましたが 
太郎が亀と勇んで竜宮へ向かうシーンを作画してみたものです。
海上と海中を渾然と混ぜ合わせ 太郎が突き進み 乙姫が飛んでいるという
絵の中でしか実現出来ない 正に荒唐無稽な夢世界です。

南北朝から江戸時代初期に完成した「お伽草子」では 前出した筋とちょっと違って
「海で漁をしていた太郎が亀を釣り上げ 亀では腹の足しにはならないので 恩着せがましく逃がしてやると
後日小舟で漂流している女人と出会い その女に頼まれて彼女の故郷へ連れて行ってやる云々....」
そこは竜宮ではなく「常世の国」と呼ばれる美しい郷となっています。

他にも 時代によっていろいろ変化させた話しが多い様ですし
(江戸期には非常に艶っぽく脚色したものがあります)
「日本書紀」「万葉集」にも浦島太郎的な話しが出ているそうです(実際に調べていません)

しかし私はやはり明治以降に作られた 馴染みのある話しをベースに絵を展開しました。


Plant Earth 太郎の時代(1) 2011年制作

前回に続いて しつこくまた出してしまいましたが これも上作と制作意図はあまり変わりません。 
太郎の時代が 話しが 成り立っていた「自然の豊かさ」をより強調したくて制作したものです。

この太郎をテーマにすると 何度描いても どうゆう訳か わくわくして実に楽しいんですね。
話しの筋がきっちりしていない ゆるさが 
いかようにも絵として構成出来る可能性を秘めている様に思います。

でも 何故太郎にこだわるのか という回答には 今回も たいしてならなかったようです それは次回で......



最後にNORIKO先生から届いたばかりの 旬の画像


白石区ゴミ埋め立て処分場跡地地盤を安定させるまでの活用として菜の花の栽培を始め
それが満開となり、一日限り5時間のみ一般開放されました。  先生談


ナタネはバイオディーゼル燃料製造に使われるそうです。
菜の花は香りがするんですね。始めて知りました。





<今日の花>は お休みしました。 次回また