物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

建国記念日

2009-02-11 11:49:47 | 日記・エッセイ・コラム

今日は祝日とは思ってもいなかった。仕事場に出てきて、郵便局で愛数協への数学エッセイを投稿する手紙を送ろうと思って郵便局に行くと閉まっていた。それで今日は祝日だとはじめて認識をした。

私くらいの年齢になる人なら、子どもの頃に紀元節といわれていた日だとわかるかもしれない。だが、もう私くらいの年の人はそうはいないので、紀元節といっても知らない人が多いだろう。

知り合いの方からメールをもらって、小林ー益川両氏のノーベル賞を記念した祝賀会が名古屋大学で行われたことを知った。受賞をした論文は京都大学で行われた研究だったが、彼らの業績の根元は名古屋大学での坂田昌一先生の影響を受けている。だが、それだけではないと思う。

というのは彼らの業績は「場の量子論」に基づいた正統的なものであり、これは名古屋大学の坂田さんの伝統ではないかもしれない。もちろん、名古屋大学にも大貫さんのような場の量子論に基づいた研究をやっていた人もいるのであり、また坂田さん自身も梅沢さんが居られた頃には場の理論にかなりの研究の重点があった。

それでというわけではないかもしれないが、私の先生だったOさんなどは名古屋大学にいる頃はフラストレイトしていたいう話をOさん本人から伺ったことがある。

先日から散乱問題の実験室系から重心系への変換をまとめようとしていたが、急に経路積分法の中に出てくる定積分公式を証明することに関心が移っている。有名なFeynman-Hibbsの教科書に末尾にいくつかの定積分の公式が出ていて、それらがどうやって導出されるのかが気になりだしたのである。

経路積分の方法をきちんと勉強したことがないのはこれらの定積分の公式が全く導けそうになかったことが大きな理由である。

Schulmanのテキストにこのうちのいくつかは証明があったので、それをフォローしている。また、米満、高野さんが書いた「経路積分セミナー」という本が出ていてその後ろにも使われた公式が掲載されている。その本の公式はFeynman-Hibbsに載っているものもあるが、いま二つを除いて導出法はわかった。

しかし、Feynman-Hibbsに出ている定積分公式はまだ半分ぐらいしか導出法がわかっていない。


並列計算

2009-02-10 11:02:52 | 科学・技術

朝日新聞に「ネットのいま」という連載記事が出ている。ついこの間の話はちょっと興味深かった。これは方々にある、ゲーム機を何十万台も使って並列計算をして医療のデータの処理(多分薬の開発?)をしているという話だった。

クラウドというgoogleだかのグループとソニーかマイクロソフトだかのグループが競い合っているとか。マイクロソフトの方はアズ―ルとか名がついていた。

地球シミュレータとかいう名のスーパーコンピュータがもてはやされたのは数年前である。スーパーコンピュータは昔はベクトル型の計算方式であったが、多分今ではパソコンをたくさんつないだ並列型の計算方式であろう。そのための学問分野ができているようで、私の勤めていた大学の工学部にもその分野の専門家がいた。

学生にスーパーコンピュータで使えるようにと従来のプログラムを書き換えるという卒論を出したこともあったが、この頃では勝手にコンピュータの中で並列計算方式に書き換えてくれるとも聞いた。だが、それでも並列計算に適したプログラム法はその当時はないわけではないとのことだったが、現在はどうなっているのだろう。


三人の佐藤

2009-02-09 12:42:54 | 学問

三人の佐藤とはいうまでもなく佐藤幹夫、佐藤文隆、佐藤勝彦さんたちのことである。

これらの方々は親族ではないと思うが、いずれもすばらしい研究をなさっている方々である。世間的にはごく最近では佐藤勝彦さんが一番有名になっているかと思うが、どの方も負けず劣らずの業績をあげている方々である。

いや、数学者の佐藤幹夫先生と物理学者の二人の佐藤さんとを比べるのはおかしいだろう。そんな比較ができるはずはない。

佐藤幹夫先生は佐藤超関数で有名な方だが、最近といってもだいぶ以前になるが、非線形数学の分野で優れた仕事をしたことでも知られており、先生の門下は佐藤スクールとして知られているという。

ソリトンでの独特な業績で知られている、広田良吾先生が佐藤幹夫さんは天才だと感慨を込めて集中講義でいわれていたことを思い出す。

佐藤文隆さんは一般相対論の新たな解、富松ー佐藤の解をみつけて当時の学会に衝撃を与えた方であるが、その他のことでもアイディアあふれた方である。もう一人の勝彦さんはインフレーション宇宙の提唱者として知られている。


本を頂く

2009-02-07 13:55:50 | 学問

偶然だが、このところ続けて2冊ほど本を送って頂いた。1冊は京都大学の北野正雄先生の「マックスウエル方程式」である。先生は徹底して電磁気学を考えている方である。優れた書籍がまた1冊加わったことで誠に喜ばしい。もともとサイエンス社の雑誌「数理科学」の臨時別冊でSGC55として出版されたものが単行本化されたものである。

この機会に改訂をされたらしいが、まだ比べてはいない。単行本化されたことによってより多くの人たちに読まれるであろう。定価も2000円と高くないので、広く読まれてほしいと考えている。本を送っていただいた北野先生に感謝をしたい。

電磁気学自体はまだよく検討する時間がないのだが、いつかは検討をして見たいと思っている。電磁気学の内容ではないが、気のついたことを述べておきたい。

一つはストークス公式、ガウスの公式のことである。これは微積分学の基本定理と自然な拡張になっているとの指摘である。こういった指摘はあまり他では見たことがない。私自身は高知大学の数学の先生だった新関先生からこのことが溝畑茂先生の「数学解析」に出ていると伺った。もっとも私自身はまだこの本を読んだことがない。

北野先生がこのことをどこで知られたのかわからないが、やはりこの点について文献を挙げておいて欲しかった。

もう一つは接空間での基底と余接空間での基底の二つを解説されていることである。このことをきちんと述べた本は数学の本としてはあるだろうが、あまりちゃんと強調されてこなかった気がする。この二つだけでも私には意味がある。

電磁気学の内容についてはまだ今のところなにか論及できるところまで私が至っていないのは残念である。ただ1点今回気づいたのはアハラノフ・ボーム効果にも触れられていることである。

もう1冊は頂いた本は「センサー工学」という本でこちらは昔の同僚だったU先生の本である。


Abonnement

2009-02-06 11:21:13 | 芸能ネタ

昨夜、市民コンサートがあった。木曜日の夜は普通はドイツ語のクラスだが、昨夜はそちらの方は失礼をして市民コンサートの方へ行った。

何十年もドイツ語を主として国内で勉強しているわけだが、こういう市民コンサートとか市民劇場の会員になることをAbonnement(アボネマン)ということは数年前まで知らなかった。

これはいつかもこのブログで書いたかもしれないが、フランス語から来た言葉で新聞雑誌の定期購読やオペラ等の定期鑑賞の会員になることらしい。

30年ほどドイツ人のご主人とドイツで暮らしていた女性が私たちのクラスにいるのだが、彼女からこの言葉を教わった。発音はカタカナ書きすればアボネマンとでもなろうか。マンのところは鼻に抜ける鼻母音であろう。

コンサートの方はバイオリンの演奏で奏者は松山冴花さん、最後の曲はおなじみのチィゴイゼルワイゼンであった。


鼻アレルギー

2009-02-05 11:41:14 | 健康・病気

今年は杉の花粉が例年より多いという。その季節に備えて内服薬をもらいに内科の医院へ行った。この先生は次兄の中学、高校の同級である。いつものことなので先生はリラックスしていて、昨年のノーベル物理学賞の益川、小林両氏のことを聞かれた。私が半年ほど京都大学に遊学していたのは彼らが京都大学に赴任するよりは数年前のことである。

益川氏は数学がとてもよくできるという評判であったし、小林氏を大学院で教えた、私の先生だったSさんなんかは小林氏に統計力学を教えたというのが以前からの自慢であった。それくらい昔から小林氏の俊才ぶりは飛びぬけていたらしい。

その二人がノーベル賞である。益川氏がぜひ小林氏を京都大学に呼びたいといったときに反対はなかったのだろうが、陰では小林氏くらいの才能をもった若手研究者は京都大学にもいるという話があったとも後で噂で聞いた。結局のところ二人がノーベル賞をとった現在となってはこの二人を助手に採用した京都大学の先見の明を誇ってもいいだろう。

ともかくもノーベル賞の受賞理由となった研究は京都大学でなされたのである。


青い鳥

2009-02-04 14:11:43 | 映画

「青い鳥」は有名なメーテルリンクの小説のことではなく、最近上演されている映画のことである。

阿部寛主演の映画であるが、ある中学でいじめにあって自殺した中学生の机を元の教室に戻していつも朝の挨拶をするという変わった臨時教師とそのクラスの生徒との交流を描いたものである。

昨日、妻の友人から電話があって、その友人が映画を見に行ったら、いい映画だのに自分たち3人しか見に来ていなかったという。

それで妻が一緒に見に行くかというから久しぶりに雨の中を二人で見に行った。残念ながら私たち二人だけで他には誰も来ていなかった。もちろん昨日は火曜日でウイークディだから仕方がないのかもしれないが、それにしても残念なことである。

プロデュサーの一人が松山の出身とのことだった。新聞にもいつか紹介が出ていたが、まさか自分でその映画を見に来るとは思わなかった。でも営業的には業績をあげるのは難しいことだろう。


題名の流行語

2009-02-02 12:40:07 | 本と雑誌

昨日新聞を見ていて気づいた。それは本の題名にも流行があるということだ。少し以前には超という語がつくのが流行った。これは野口悠紀雄さんの「超整理学」からヒントを得たものだろう。確かに私も野口さんの「超整理学」にならって、学校に勤務中には文書を整理した覚えがある。

もっともこの整理法は自分の関心事には適用しなかった。昨日も40年昔のことに関心が復活して昔のファイルがないかと調べたりした。知人のSさんからは私は整理魔と思われているが、そんなに整理が上手な方ではない。ただ、かなり昔のノートを保管していたりはする。

それらのファイルのあるものは、取り出してコンピュータにlatexで入力をして文書にしたいものもある。しかし、それにしても整理したい文書のなんと多いことか。

元へ話を戻すと最近の流行語は「貧困」である。反貧困、大貧困とかいう題で貧困を一部に含む本がよく売れているから不思議だ。もっともそれを買う人は裕福ではないとしても貧困ではなかろう。