『数学散歩』のpdf版というのがあるのをインターネットで知った。
この『数学散歩』(国土社)は言うまでもなく私の著書である。自費出版で500部を印刷して出版社の国土社にも売ってもらった。もう私の手元にも10部も残部はない。 定年で大学を退職するときに、退職の記念の祝賀会に来てくださった方々に差し上げた本である。
愛媛県数学教育協議会(略称:愛数協)という団体にも50部は寄贈したので、数学教育協議会でも愛数協の販売ということで売られただろうか。
それが昔風のいい方ならば、いわゆる海賊版が出ているのである。 誰からもこの本がいいねとはほめてもらえなかったが、密かにこの本が役立つと思っている人がいるらしい。
妻によると自分で宣伝しないのに宣伝してくれる人がいるのだからいいじゃないかという。そうかもしれないが、まだ著者である私はまだ健康に生きているのに、嘆かわしいことだ。
先日は私の別の著書『四元数の発見』(海鳴社)のpdf版をやはりインターネットで見つけたとこのブログで書いた。
こちらのサイトもまだ生きているかもしれない。定価2200円だのにそのお金を惜しむ人がいるのかと思うと悲しくなる。そのサイトには私の本は3000円を超えるとあったが、消費税込みでも2200円しかかからないのに、残念である(注)。
『四元数の発見』の方は数年前に出版社に改訂をしたいのだが、と問い合わせたら、まだそのときには500部くらい残っており、よく売れても年間70部なので、最低7年間は再版の機会はありませんという返事をもらった。それからでも2年は経ったろうか。
定価が安いからつまらない本だなどと思ってほしくない。いままで日本どころか世界的にもこういうやさしい4元数の本は存在していなかったのだから。
(注)自分の本の定価を2、200円と思って、それに220円を加えて税込みの定価が2、420円と書いていたが、これはまちがいで税込みで2、200円のはずである。アマゾンコムで後で確かめてみよう。もともとの税抜きの定価は2、000円である。
(2023.4.15付記)上に述べた『四元数の発見』は昨年の11月にミスプリントを修正して、再版が出た。2021年5月から後になって急に売り上げが伸びて、残部の500部が急に売切れて、再版ができたのである。初版の出版を私に勧めて下さった当時の海鳴社社長の辻信行さんがこのことを知ったらとても喜んで下さっただろうが、そのようないきさつとなることも知らずにだっただろうか、2021年末に亡くなられている。辻さんにはいまでも感謝の気持でいっぱいである。